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総合型選抜(旧AO入試)は誰でも受かる?対策や合格する人の特徴を紹介

更新日 2023.09.21
総合型選抜(旧AO入試)は誰でも受かる?対策や合格する人の特徴を紹介
大学の選抜方法のひとつである総合型選抜(旧AO入試)は、近年人気が高く、受験を検討している高校生も多いでしょう。

以前は、「誰でも受かる」というイメージが付きまとっていた総合型選抜(旧AO入試)ですが、現在は決して簡単に受かるようなものではありません。

そこで本記事では、総合型選抜(旧AO入試)の対策や合格する人の特徴を紹介します。総合型選抜(旧AO入試)の受験を検討中の方は、ぜひ参考にしてください!

⏱この記事は約9分で読めます

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜(旧AO入試)とは、大学側が求める人物像にマッチする学生を学力以外の部分も総合的に評価して選抜する入試方法です。

以前はAO入試という名称でしたが、2021年度より「総合型選抜」と呼ばれるようになりました。

実はこれまで、AO入試には「誰でも受かる」というイメージがついていました。

一方、「総合型選抜」になった現在は、選考で学力も重視されるようになっています。そのため、決して「誰でも受かるような選抜方法」とは言えません。

総合型選抜(旧AO入試)ついて詳しく把握したい方は、まずこちらの記事を参考にしてください!

総合型選抜(旧AO入試)のトレンドからみる対策方法

昨今、総合型選抜(旧AO入試)による大学入学者数は増えています。

文部科学省の調査によると平成12年度は、大学入学者数全体のうち総合型選抜(旧AO入試)による入学者数の割合はわずか1.4%でした。

一方、平成30年度に関しては、全体のうち総合型選抜(旧AO入試)による入学者数の割合は9.7%という結果になっています。

出典:大学入学者選抜関連基礎資料集(文部科学省)

このことから、現在は総合型選抜(旧AO入試)を志願する高校生が多く、抜かりない対策が必要であるとわかるでしょう。

「総合型選抜(旧AO入試)は、一般選抜よりも楽なのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、ライバルが多いとなれば、決して受かりやすいとは言えません。

では、多くのライバルに勝ち抜いて総合型選抜(旧AO入試)に合格するにはどうしたらよいのでしょうか。

合格するためには、まず対策を始める時期や対策方法について正しく把握し、それを実行することが大切です。
次項からは、そのテーマについて詳しく解説します。

総合型選抜(旧AO入試)の対策はいつから始める?

総合型選抜(旧AO入試)の対策を始める時期は、早いに越したことはありません

したがって、高校1年生のときから総合型選抜(旧AO入試)対策を意識するのも良いでしょう。
「そんなに早いうちから対策するものなの?」と思うかもしれませんが、早期から取り組むことで合格の可能性がグッと高くなります。

早期に対策を始めることで、以下のようなことが実現しやすくなります。

  • 定期テストで高得点を取り、評定平均を上げておくこと
  • 時間を掛けて志望大学を選ぶこと
  • 課外活動を行う時間をたくさん確保すること

一定数の高校生は、2年生の夏頃から対策を始めています。
必ず総合型選抜(旧AO入試)に受かりたいと考えている人は、遅くともこの時期までに対策を開始するのがおすすめです。

「3年生から対策を始めた場合は間に合わないの?」と考える方もいるでしょう。

結論から言えば、部活を引退して3年生の夏から対策を始める人もたくさん存在し、合格できないわけではありません。

ただし、限られた時間のなかで総合型選抜(旧AO入試)の対策を行うのは、非常に負荷が掛かります。
8月頃から出願開始、9~10月には選考が実施されるスケジュール感を考慮すれば、対策が不十分なまま受けざるを得ない人も出てくるでしょう。

総合型選抜(旧AO入試)の合格を確実に狙う場合は、対策を始める時期は早ければ早いほど良いことを頭に入れておいてください。

総合型選抜(旧AO入試)の対策方法

それでは、総合型選抜(旧AO入試)の対策方法を具体的に紹介します。

志望校のアドミッションポリシーを理解する

志望校のアドミッションポリシーを理解しておいてください。

アドミッションポリシーは大学側が求める学生像のことで、身に着けておいてほしい能力や人間性を掲げたものです。

大切なのは、アドミッションポリシーを単に読むのではなく、「大学側はなぜそのような学生を求めているのか」「自分はアドミッションポリシーに当てはまるのか」を考えることです。

大学選びの際は、当然「知名度が高い大学だから」「就職率が高いみたいだから」という理由も決め手になるでしょう。
しかし、大学と自分が互いにマッチングしているかどうかも重要です。

大学が公表するアドミッションポリシーに納得し自分もそれに合致していれば、入学後も充実したキャンパスライフをおくれるでしょう。

反対に、現時点で自分がアドミッションポリシーに当てはまっていない場合は、その学生像に近づくためのアクションを起こすことも選択肢です。もしくは、他の大学や学部を狙う方が良い選択になるかもしれません。

ミスマッチを起こさないためにも、アドミッションポリシーはしっかり読み込んで理解しておきましょう!

自己分析をする

総合型選抜(旧AO入試)を受験する際は、自己分析をするのが非常に重要です。

出願書類(エントリーシートや志望理由書)の提出や面接については、自己分析をしておかなければ対応できません。

自己分析を行う際は、高校生活で力を入れた活動の内容や一生懸命取り組んで成功したことを書き出していきましょう。また、高校生活で苦労したことやそれをどのように解決したかもまとめておくのがおすすめです。

自己分析をすることで、これまでは気付かなかった自分の強みが見えてくるかもしれません。自分の強みは自己PRの際に積極的に取り入れましょう。

また、大学の志望理由も大切です。自己分析をしたうえで、自分がその大学に入るべき理由を筋道立てて説明できるように準備しましょう。

一度念入りに自己分析をしておけば、その内容を軸にして出願書類作成や面接対策を行えます。

高校の学習にも真面目に取り組む

高校の学習にも真面目に取り組みましょう。

既に説明した通り、総合型選抜(旧AO入試)では学力も評価されます。
総合型選抜(旧AO入試)においても、各科目の成績である「評定平均」で評価する学校があるので、決して勉強を怠ってはいけません。

定期テストで高得点をとれるように、日頃から学習に取り組みましょう。

活動報告書の準備を入念に行う

活動報告書の準備を入念に行うことも欠かせません。

活動報告書とは、高校生活で力を入れた活動についてPRする書類で、願書と同時に提出することになります。

作成した活動報告書は、高校の先生など第三者に添削してもらい、提出時までに完成度を高めておきましょう。

模擬面接を行う

模擬面接を行うのも重要です。

本番の面接では、緊張が付き物です。模擬面接で本番さながらの雰囲気のなか、さまざまな質問に落ち着いて答えるための練習をしておきましょう。

想定される質問に対する回答を入念に準備していても、いざ面接で上手く話せなかったら意味がありません。また、準備した回答を棒読みで伝えるのではなく、熱意を持って話せるようにしておくのも大切なことです。

模擬面接を担当してもらった先生には、ぜひフィードバックをもらい、次の模擬面接に活かしてください。

何度も模擬面接を行うことが、本番の面接での成功を導きます。

総合型選抜(旧AO入試)に受かる人の特徴

ここでは、総合型選抜(旧AO入試)に受かる人の特徴を紹介します。

大学のアドミッションポリシーに合致している

前提となるのが、大学のアドミッションポリシーに合致していることです。

先述した通りアドミッションポリシーは、大学側が求める学生像です。

そして総合型選抜(旧AO入試)とは、 アドミッションポリシーに合致した学生を学力以外の能力も評価対象として選抜する入試方法です。

総合型選抜(旧AO入試)では、アドミッションポリシーに基づいて自己PRできる人が受かる傾向にあります。

評定平均が高い

評定平均が高い人も、総合型選抜(旧AO入試)に合格しやすいです。

既に述べたとおり、総合型選抜(旧AO入試)では学力も重視されます。

学力以外の部分も評価されますが、やはり評定平均が低ければ受かりづらくなることを心に留めておきましょう。

課外活動にも熱心に取り組んでいる

課外活動にも熱心に取り組んでいる人は、受かりやすいです。

課外活動とは、例えば下記のような活動です。

  • 部活動・サークル
  • 生徒会
  • 留学
  • ボランティア活動
  • 地域イベントへの参加

総合型選抜(旧AO入試)では、学力以外の能力も重視します。
課外活動をする際は、勉学を行っているだけでは体験できないことをたくさん目の当たりにします。順調にいくことばかりでなく、時には問題を抱えて悩むこともあるでしょう。

しかしさまざまな経験を通してチームワークやリーダーシップ、問題解決能力など、身に着けられることも多くあります。

このような課外活動から得た経験や能力を志望理由や自己PRに活かせば、学力以外の能力を評価され、受かりやすくなります。

また、「部活の大会で優勝した」など華々しい活動実績のみが求められているわけではありません。
大切なのは、課外活動を通して身に着けた能力やそれをどう活かしていくかをPRすることです。

資格を持つ

資格を持つ人も、受かりやすい傾向にあります。

特に、英語に関する資格を持つ学生は優遇される傾向がみられます。

大学によっては、英検やTOEICなどの英語資格は総合型選抜(旧AO入試)の出願条件になっている場合もあります。

そのため、どの資格を取るべきか悩んでいる方は、今すぐに英語資格の勉強を始めるのがおすすめです。

他にも、数学検定やIT系の資格は評価されることが多いです。また、学部で学ぶ分野に関連する資格を出願条件にしている場合もあります。

ご自身の志望大学が出願条件とする資格については、必ず前もって調べておきましょう。

総合型選抜(旧AO入試)受験生への、先輩学生からのアドバイス

最後に、ドーミーラボでは、実際に総合型選抜(旧AO入試)に合格された先輩学生から受験生の皆さんに向けたアドバイスをご紹介します!

慶應義塾大学 環境情報学部1年 Mさん

AO入試は「自分はどういうものが好きなんだろう?」「何が向いてるんだろう?」と深く考えるチャンスだと思うんです。私はあの時期に自分と向き合えたことが、大学生になってもすごく役に立っているので、受験だからって一般の子と比べて焦らずに、しっかりと自分のやるべきことをやるのがいいかなと。あと模擬面接とかで知らないことを突かれると「うっ」てなっちゃうけど「そうだったんですね、調べてみます!」って返してみたり、面接官との会話を楽しむようにしてみるといいかもしれません。単純に、面接官の方も興味で聞いてくれていることもあるので。

慶應義塾大学 環境情報学部1年 Sさん

受験対策として、高校の先生方、ほぼ全員と面接の練習をやりました。自分の発した言葉がどう受け取られるのか、たくさんフィードバックをもらいたかったので。話す内容もガチガチに文章を固めるのではなく、自分の言葉で話せるように要点だけをまとめて、あとは会話にできるようにしてましたね。絶対来ないような質問も想定して、自分の中に答えを用意していました。そうすると会話の中で「あ、その話はここに繋げよう」ってことができると思うんです。

まとめ

総合型選抜(旧AO入試)の対策を始める時期が早ければ早いほど、合格する可能性は高くなります。

「もっと早くから対策しておけば良かった」と後悔しないように、可能であれば早めに対策を始めておきましょう。

総合型選抜が「AO入試」という名称だった時期は、「学力を評価されない選抜方法である」という認識が広まっていました。
しかし現在は、学力とそれ以外の能力が評価対象となっているので、決して誰でも受かるようなものではありません。

総合型選抜(旧AO入試)で確実に合格したい方は、勉学をおろそかにせず課外活動や資格取得にも力を入れて、十分な対策をしていきましょう!

ライター
ドーミーラボ編集部

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