総合型選抜(旧AO入試)とは?受験するメリットや注意点をわかりやすく解説
総合型選抜(旧AO入試)も選抜方法の一つですが、「いったい、どのような選考方法なの?」「どんな人が対象になるの?」など疑問を持つ学生さんもいるでしょう。
そこで本記事では、総合型選抜(旧AO入試)についてメリットや注意点も含めてわかりやすく解説します!ぜひ参考にしてください。
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総合型選抜(旧AO入試)とは?
総合型選抜(旧AO入試)とは、大学側が求める人物像にマッチする学生を学力以外の部分も含めて総合的に選抜する入試方法です。
総合型選抜(旧AO入試)の選考方法
総合型選抜(旧AO入試)の選考方法は、一般的に志望理由書などの書類選考や小論文試験、面接です。
ただし、大学によって選考方法は異なり、グループディスカッションやフィールドワークなどを課される場合もあります。
総合型選抜(旧AO入試)は、高校生活で一生懸命取り組んだことや大学で何を学びたいのかなど、姿勢や意欲も評価の対象となります。
そのため、学力以外でもPRできることがある人にとって総合型選抜(旧AO入試)は適しています。
総合型選抜(旧AO入試)の出願条件
総合型選抜(旧AO入試)の出願条件は、大学の求める人物像であることです。
大学や学部が求める人物像は、公式サイトや総合型選抜(旧AO入試)の募集要項から確認できます。
なお、取得資格や志望分野におけるスキルの保有、オープンキャンパスの参加が出願条件になることもあります。
自分が出願条件に合致しているかは、募集要項でよく確認しましょう。
総合型選抜(旧AO入試)のスケジュール
総合型選抜(旧AO入試)の出願は、9月以降に開始され、選抜は10~11月に実施されるのが一般的です。
大学によっては、事前エントリーが必要な場合もあります。事前エントリーは6月頃から開始される場合が多くみられます。
ただし選抜の日程は大学や学部によって異なります。
スケジュールの把握不足で出願や受験ができなくなることがないように、志望大学の総合型選抜の日程はよく確認しておきましょう。
「AO入試」から「総合型選抜」になり変わったこと
「総合型選抜」は、もとは「AO入試」という名称でした。
しかし、2021年度からは総合型選抜という名称で呼ばれています。
AO入試から総合型選抜に変わると同時に、下記の変更点がありました。
学力も評価対象となった
AO入試から総合型選抜に変更されると同時に、学力検査も課されるようになりました。
大学によっては、評定平均や取得資格などを評価する場合もあります。
これまでは「AO入試=学力は評価対象でない」というイメージが浸透していましたが、総合型選抜では学力も重視されます。
ポリシーの明記が義務化された
大学側には、3つのポリシーの明記が義務化されました。
3つのポリシーとは、下記になります。
- ディプロマ・ポリシー:大学の学位授与に必要な能力
- カリキュラム・ポリシー:教育目標やディプロマ・ポリシー等を達成するために必要な教育方針
- アドミッション・ ポリシー:入学者に求める人物像
AO入試の募集要項にもアドミッションポリシーの記載は見られましたが、内容が抽象的でした。
そのため、大学側から3つの視点からのポリシーを掲げることが義務化され、学生は大学のミスマッチをいっそう防ぎやすくなりました。
総合型選抜を受ける際は、3つのポリシーをよく読んでおくことが大切です。
学校推薦型選抜(指定校推薦、公募推薦)との違い
総合型選抜と学校推薦型選抜(指定校推薦、公募推薦)の違いも、ぜひこの機会に把握しておきましょう。
学校推薦型選抜を受ける際は総合型選抜(旧AO入試)と異なり、高校からの推薦が必要になります。
したがって、高校から「推薦するのに相応しい学生である」と認められなければ受験できません。
学校推薦型選抜についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、あわせてご確認ください。
総合型選抜(旧AO入試)のメリット
総合型選抜(旧AO入試)のメリットは、下記が挙げられます。
学力以外もPRできる
総合型選抜(旧AO入試)は、学力以外もPRできる選抜方法です。
課外活動も大きなPRポイントとなり、部活動で全国大会に出場した経験やボランティア活動で残した功績は歓迎されます。
また、「志望大学で学ぶ意欲」や「目指す将来像が明確であること」も重要なポイントです。
一般選抜では学力がすべてであり、学校推薦型選抜では評定平均が重視されます。
それに対して総合型選抜(旧AO入試)では、このように学力以外の部分も特に大きな評価対象となるのです。
受験の機会を増やせる
受験の機会を増やせるのもメリットです。
総合型選抜(旧AO入試)は10~11月頃、一般選抜は1~2月に実施されるのが一般的です。
そのため、もし総合型選抜(旧AO入試)で不合格だったとしても、一般選抜で再挑戦することが可能です。
志望大学が明確である人にとって、選考機会が2度あることは大きな魅力となるでしょう!
受験を通して将来像を描ける
総合型選抜(旧AO入試)の受験を通して将来像を描けます。
志望理由書を作成したり面接の対策をする際は、自分の将来像について考える機会が多くなります。
「将来の夢を実現するために大学で何を学びたいのか」が明確でなければ、志望理由書を書くことができません。また、面接を受けるまでには将来像についてきちんとPRできるように準備をする必要があります。
そのため、受験を通して自分の将来像を描くことができ、入学後も学ぶ意欲を維持しやすくなります。
合格すれば受験を早くに終わらせることができる
総合型選抜(旧AO入試)は、出願~合否発表のスケジュールが一般選抜よりも早いので、合格すれば受験を早くに終わらせることができます。
早ければ10月に合否発表を行う大学もあるので、残りの高校生活期間を受験対策以外に活用することができます。
高校生活の間にやっておきたいことや入学後に備えて勉強するなど、有意義な時間を過ごすことができるのは大きなメリットになるでしょう。
総合型選抜(旧AO入試)の注意点
続いて、総合型選抜(旧AO入試)の注意点も紹介します。
直前に対策を始めても間に合わない
総合型選抜(旧AO入試)は、選考が実施される直前から対策を始めても間に合いません。
なぜなら、総合型選抜(旧AO入試)は高校1年生からの学力や課外活動が評価対象となるからです。
高校3年生になってから慌てて総合型選抜を検討しても非常に受かりづらいことは、きちんと把握しておきましょう。
合格基準が曖昧である
総合型選抜(旧AO入試)は、合格基準が曖昧です。
一般選抜の場合は、各科目の点数が合格基準になるため、目指すべきラインが見えやすいでしょう。
一方、総合型選抜(旧AO入試)は学力以外の部分も評価対象となるので、「どのような対策をすれば受かるのか掴めない」という悩みもありがちです。
可能であれば総合型選抜(旧AO入試)の対策をする塾に通うことを検討しても良いでしょう。
一般選抜対策に影響が出やすい
総合型選抜(旧AO入試)に加えて一般選抜も受けるとなれば、対策がどっちつかずになる可能性もあります。
どちらも受けるのは、一方が不合格だったときに備えられるメリットもありますが、対策内容は両者で異なります。
そのため、一般選抜対策にまで手が回らないと感じることもあるでしょう。
専願の場合は合格したら入学しなければならない
総合型選抜(旧AO入試)で専願を条件とされている大学に合格した場合、入学を辞退できない点に注意してください。
そのため、合格した場合は本当に入学する意思があるのかを検討してからその大学に出願しましょう。
入学意欲がないのに総合型選抜(旧AO入試)を受けるのは、おすすめできません。
入学後に授業についていけない場合もある
入学後に授業についていけない場合がある点にも、注意しましょう。
もちろん総合型選抜(旧AO入試)においても、評価対象に学力は含まれます。
ただし、一般選抜のように学力のみで合格するわけではないので、本来必要とされる学力には及ばないこともあるでしょう。
総合型選抜(AO入試)に合格したとしても入学後の単位取得で苦労しないように、入学前も学習は欠かさないでください。なるべく周囲との学力ギャップがないように備えることが大切です。
総合型選抜(旧AO入試)の合格のポイント
総合型選抜(旧AO入試)の概要については紹介しましたが、「合格するためには、実際何をすべきか」が気になる方も多いでしょう。
実は、総合型選抜(旧AO入試)にも合格するためのポイントがいくつかあります。
合格基準が曖昧な総合型選抜(AO入試)ですが、こちらの記事で紹介しているポイントを押さえれば、受かる可能性がグンと高まるので参考にしてください!
まとめ
総合型選抜(AO入試)は、以前より学力を重視されるようになりました。
しかし、学力以外の能力や課外活動実績も評価対象となるので、たくさんの人に門を開く選抜方法であることには変わりありません。
総合型選抜(旧AO入試)の受験を検討する場合は、早めに意思を固めることが重要です。
高校3年生になってから対策を始めるようでは間に合わないことも、意識しておきましょう。
総合型選抜(旧AO入試)のメリットとデメリットを理解したうえでご自身に合う選抜方法であると判断した際は、ぜひ合格を目指して対策に力を入れてください。