専門学校と大学の学費を徹底比較!どちらがお得?進路選択のミカタになる情報を解説

どちらを選ぶかによって、学べる内容だけでなく経済面にも大きな違いが生じます。特に「学費」は、本人はもちろん保護者の方にとっても重要な判断材料となるでしょう。
この記事では、専門学校と大学の学費を徹底比較し、それぞれのメリットやサポート制度についてわかりやすく解説します。進路選択に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!
⏱この記事は約9分で読めます
専門学校と大学の学費はどのくらい違う?基本的な比較
進学先を検討する際、まず気になるのが「いったいいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。専門学校と大学では、総額にも内訳にも大きな違いがあります。ここでは、基本的な学費の違いを確認していきましょう。
専門学校の平均学費とその内訳
専門学校の学費は、一般的には大学よりも低く設定されている傾向があります。
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の調査によると、専門課程の平均年間学費(入学金含む初年度納付額)は昼間部で約128万円、夜間部で約100万円程度。
参考: 『調査2 令和4年度 学生・生徒納付金調査(令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料)』- 公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会
ただし、これは分野によって大きく異なります。
例えば、医療・福祉系の専門学校は比較的高額で、年間250万円程度かかることもあります。一方、ビジネス系や教養系の専門学校は比較的安く、年間70万円程度のところもあります。
専門学校の学費の内訳としては、授業料が中心となりますが、実習費や設備費なども含まれていることが多いのが特徴です。修業年限は主に2年制が多く、総額で見ると2年で240万円程度が一般的です。
大学(国公立・私立)の平均学費とその内訳
大学の学費は、国公立か私立かで大きな差があります。
国立大学の場合、年間の授業料は約54万円と学費標準額が定められており、ほぼ全国一律です。入学金は約28万円程度で、4年間の総額は約242万円程度となります。公立大学も、国立大学に準ずる金額感です。
一方、私立大学の平均年間学費(入学金含む初年度納付額)は、文系で約120万円、理系で約150万円程度です。医・歯・薬学部などの医療系学部はさらに高く、年間4~500万円を超えることも珍しくありません。
4年間の総額で見ると、文系で約400〜450万円、理系で約550〜600万円、医療系はさらに高額になります。
参考:『私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』 – 文部科学省
大学の学費の内訳は、授業料のほか、入学金、施設設備費などが含まれますが、実習費や教材費は別途請求されることも多いです。
4年生大学の学費については以下の記事でより詳しく紹介しています!
学科・専攻による学費の違い
専門学校も大学も、学ぶ分野によって学費は大きく異なります。
専門学校の分野別平均学費(年間、昼間部の場合);
工業関係、工業・農業:約120〜140万円
医療関係:約90〜180万円
衛生関係:約120〜170万円
教育・社会福祉関係:約110〜160万円
商業実務関係:約100〜120万円
服飾・家政関係:約115万円
文化・教養関系:約90〜140万円
参考: 『調査2 令和4年度 学生・生徒納付金調査(令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料)』- 公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会
大学の学部別平均学費(私立・年間);
文系学部(文学、法学、経済学など):約120万円
理系学部(理学、工学など):約150万円
医療系学部(医学、歯学、薬学など):約480万円
その他学部:約150万円
参考:『私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』 – 文部科学省
特に実習や設備が必要な分野は、どちらの教育機関でも学費が高くなる傾向があります。専門的な技術や知識を学ぶ場合は、その投資に見合った教育が受けられるかどうかも重要なポイントです。
専門学校と大学の学費以外にかかる費用
学費だけでなく、入学から卒業までにはさまざまな費用がかかります。両者の違いを理解して、総合的な経済負担を考えましょう。
入学金と施設設備費の違い
専門学校の入学金は平均して約17万円程度です。施設設備費は年間10〜20万円程度が一般的で、授業料に含まれていることもあります。
大学の場合、国公立大学の入学金は約28万円、私立大学は平均20〜30万円程度です。施設設備費は私立大学を中心に年間10〜30万円程度かかることが多く、別途請求されるケースが多いです。
専門学校の方が初期費用は若干抑えられる傾向にありますが、学校によって方針は異なるため、必ず事前に確認しましょう。
教材費・実習費の特徴
専門学校では、実践的な教育が中心となるため、教材費や実習費が比較的高額になることがあります。
専門学校の実習費の総平均は、昼間部で12.4万円、夜間部で9.3万円程度です。ただし専攻によって開きがあり、特に医療系や調理師、美容師などでは、専門的な道具や白衣、実習材料などにコストがかかります。
大学では、教科書代や実験実習費などが別途必要になることが多く、学部や履修科目によってかなり差があります。理系学部や医療系学部では実験器具や白衣などの準備も必要です。年間で5〜15万円程度を見込んでおくと安心でしょう。
いずれの場合も、入学前に必要な費用の詳細を確認し、準備しておくことが大切です。
資格取得にかかる費用の違い
専門学校は資格取得に特化した教育を行うため、多くの場合、カリキュラムの中に資格試験対策が組み込まれています。一部の資格試験の受験料は学費に含まれていることもありますが、すべてではないため注意が必要です。
大学では、資格取得を目指す場合、別途対策講座を受講したり、独自に勉強したりする必要があることが多いです。そのため、大学の授業とは別に予備校や通信講座などの費用がかかる可能性があります。
資格取得を重視する場合は、専門学校の方が効率的に準備できる可能性が高いですが、具体的にどの資格を取得したいのかによって最適な選択は変わってきます。
専門学校と大学の学費を抑える方法
進学にかかる費用は決して小さくありませんが、様々な制度を活用することで負担を軽減することができます。ここでは、両者の経済的サポート制度の違いを解説します。
各種奨学金制度の活用
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、専門学校・大学どちらの学生も利用できる代表的な制度です。返済不要な給付型奨学金や、第一種(無利子)と第二種(有利子)があり返済が必要な貸与型奨学金があります。
専門学校生でも大学生でも同様に申請可能ですが、支給額や条件は家計状況や学校の種類によって異なります。
また、地方自治体や民間団体の奨学金も積極的に探してみましょう。特に専門分野に特化した奨学金は、専門学校生にも多く用意されています。
ドーミーラボでは「奨学金を正しく知ること」「賢く活用すること」をテーマに、奨学金アドバイザー 久米忠史さんとともに奨学金制度に関する様々な情報を発信しています。気になる方は以下の特集も覗いてみてください。
教育ローンや分割払いの選択肢
学費の支払いが困難な場合は、教育ローンの利用も選択肢の一つです。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は公的な融資制度で、固定金利で、最大350万円まで借りることができます。民間銀行の教育ローンは各銀行によって条件は異なりますが、より高額の融資を受けられる場合もあります。
また、多くの専門学校や大学では、学費の分割払い制度を設けています。一括払いが難しい場合は、学校の経理課や学生課に相談してみましょう。
専門学校特有の学費サポート制度
専門学校には、大学にはない独自の学費サポート制度があることも少なくありません。
たとえば専門実践教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講した場合、最大で学費の70%(上限56万円/年)が支給される制度です。
また、特定の企業と提携している専門学校では、学費の一部を企業が負担し、卒業後にその企業に就職するという制度を設けている場合もあります。
学校独自の特待生制度として、成績優秀者や特定の資格保持者に対して学費の一部または全額を免除する制度を設けている専門学校も多くあります。
これらの制度は専門学校によって異なるため、興味のある学校のパンフレットやウェブサイトをチェックし、オープンキャンパスなどで詳細を確認することをおすすめします。
自分に合った進路選択のポイント
学費対効果を最大化するためには、自分に合った教育機関を選ぶことが最も重要です。以下のポイントを考慮して、慎重に選択しましょう:
明確な目標があるか
特定の職業や資格を目指しているなら、それに直結したカリキュラムがある専門学校が効率的かもしれません。
学びたい内容は何か
幅広い教養や学問を学びたいなら大学、実践的なスキルを身につけたいなら専門学校が向いているでしょう。
経済的な状況
利用できる奨学金や教育ローン、家計の状況なども重要な判断材料です。
卒業後のビジョン
就職を優先するのか、留学や大学院進学などの選択肢も考えているのかによっても最適な選択は変わります。
最終的には、学費だけでなく、自分の適性や目標、将来のキャリアプランも含めて総合的に判断することが大切です。気になる学校には積極的にオープンキャンパスに参加したり、在校生や卒業生の話を聞いたりして、具体的なイメージを持つことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
最後に、専門学校と大学の学費に関してよくある質問にお答えします。
Q.専門学校は大学より必ず安いの?
必ずしもそうとは言えません。専門学校でも、医療系や美容系など設備や実習が充実している分野では、私立大学の文系学部よりも学費が高くなるケースもあります。また、国公立大学と比較すると、ほとんどの専門学校の方が総額では高くなります。
重要なのは、単純な金額だけでなく、修業年数や就職率、目指す職業に必要な教育内容など、総合的に判断することです。特に「専門学校2年 vs 大学4年」という時間的な違いも考慮に入れると、経済的な比較はさらに複雑になります。
Q.途中退学した場合の学費返還はある?
基本的に、専門学校も大学も、学期の途中で退学する場合、既に納付した学費の返還はあまり期待できません。ただし、学校によってポリシーは異なりますので、進学を決める前に各学校の学費返還ポリシーを確認しておくことをおすすめします。また、入学後にミスマッチを感じた場合は、早めに相談することで次の学期の学費負担を避けられる可能性があります。
Q.専門学校と短大ではどちらが経済的?
一般的に、専門学校と短期大学(短大)は、どちらも2年制が主流で、学費の総額も似ています。しかし、内容や特徴には違いがあります。
短大は大学の学校教育法に基づく教育機関で、一般教養科目も含めた幅広い学びが特徴です。一方、専門学校は専修学校専門課程として位置づけられ、より実践的な職業教育に特化しています。
まとめ
結論としては、単純な学費の安さだけでなく、将来の目標や希望する学びのスタイルに合わせて選択することが重要です。
専門学校と大学の学費は、一概にどちらが得かとは言えません。重要なのは、自分の目標や経済状況に合わせて最適な選択をすることです。奨学金やローンなどの支援制度も活用しながら、充実した学生生活を送れるよう計画を立てましょう。
気になる学校があれば、オープンキャンパスに参加したり、資料を取り寄せたりして、具体的な学費や支援制度について詳しく調べてみましょう。
ドーミーラボでは専門学校に関する様々なお役立ち情報を発信していますので、併せてチェックしてみてください!
※本記事の情報は2024年5月時点のものです。最新の情報は各教育機関のウェブサイトなどでご確認ください。
関連記事
専門学校と大学、あなたに合っているのはどっち?進路選択のヒント