受験生に必要な勉強時間は?国公立・私立別、学年別や時期別に詳しく紹介
「高1から受験の勉強時間を確保した方がいいのかな?」
受験に向けて必要な勉強時間は、志望校や学習レベル、また科目数や学年ごとにも違いあります。
本コラムでは、国公立大学志望者と私立大学志望者、それぞれに必要な勉強時間や、学年別の勉強時間について解説します!ぜひ参考にしてみてくださいね。
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【学年別】受験生に必要な勉強時間
受験勉強を始めるタイミングは人それぞれです。高校入学直後から受験を意識する人もいれば、高3になってから本格的にスタートする人もいます。
では、学年別で見た時の最適な勉強時間はどのくらいなのでしょうか?
ここでは、ベネッセが行った「大学生が振り返る大学受験調査」のデータを基に、学年ごとの必要な勉強時間を紹介します。
高1で必要な勉強時間
高1の時点では、具体的な受験勉強というよりも基礎を固めることに重きをおく時期です。
ベネッセの調査によると、1日あたりの勉強時間は1〜2時間程度が平均となっています。
ただし、1時間未満と答えた割合は53%という結果が出ており、人によっては毎日コンスタントに勉強時間を設けていない場合も多そうです。
高校1年生の時期は、学校の授業や部活動、友人との時間を大切にしつつ、定期テストの準備や苦手科目の克服に力を入れるといいでしょう。基礎力をしっかりつけておくことで、後の学年での勉強がスムーズになります。
高2で必要な勉強時間
ベネッセの同調査によると、高2の平均勉強時間は高1とほぼ変わらず1日あたり1時間〜2時間程度です。
高2になると、勉強量を少しずつ増やしていく必要がありますが、人によって時間のバラツキが見られます。
この時期になると文理選択を終えていて自分の弱点や苦手科目がわかってくるケースも多く、本格的な受験勉強の前の苦手分野の克服が課題になってくるかもしれません。
また、模試の結果を活用して、目標とする大学のレベルに合わせた勉強を開始し始める時期として最適です。
高3で必要な勉強時間
いよいよ受験が迫る高校3年生。
高3の平均勉強時間は1日あたり4.8時間と高1・高2に比べると格段に増えていることが分かります。
特に、夏休みや冬休みなどの長期休暇を有効に活用し一気に勉強量を増やすことがポイントになってきます。
また、全体の24%程度が毎日7時間以上勉強すると答えています。
志望校の難易度や学習レベルによるものの、本格的に受験勉強を開始する人が一気に増えるでしょう。
ただ、受験勉強に追い込みをかけすぎて体調管理がおろそかになりがちなのも、この時期です。健康管理には十分に注意を払い、バランスの取れた生活を心がけてください。
上記で紹介した勉強時間は、あくまで平均です。
高1・2年生のうちは日々の復習程度というケースもあれば、早くから志望校合格に向けて勉強を始めたい人もいるでしょう。
高3で必要になる時期別の勉強時間
本格的に受験勉強に精を出し始める人が最も多いのが高3の時期ですが、「具体的に高3のいつから受験に集中すればいいの?」「志望校が決まってから勉強時間を増やせばいいのかな?」と、時期によって迷うかもしれません。
ここからは、高3の時期別の理想的な勉強時間を紹介します。
春休みから夏休みが始まるまで
春休みから夏休みの期間は、まだ部活動をしている生徒も多いかもしれませんが、受験勉強のスタートを切る重要な時期です。
平日は3〜4時間程度、休日は7時間程度の勉強を目安にしましょう。
この時期に重要なのは基礎固めです。特に、数学や英語などの主要科目の復習を徹底し、基礎知識をしっかりと身につけることがポイントです。志望校を決めていない人も、自分の現在の実力を把握することが大切です。
夏休み期間中
夏休みは最も長い休暇期間で、受験勉強の最大の山場ともいえる時期です。1日あたり10時間の勉強を目指しましょう。
この時期は、基礎力を応用力に変えるための実践的な勉強が求められます。具体的には、過去問や模試の問題を繰り返し解き、試験形式に慣れることが重要です。また、自分の弱点を見つけ出し、集中して克服するための計画を立てましょう。
また、ほとんどの人が夏休みを境に志望校を絞っています。夏休み中に志望校の過去問に慣れておくことも重要です。
夏休みの過ごし方が秋以降の成績に大きな影響を与えるので、以下のコラムも参考にしながら最適な学習環境を整えてみてくださいね。
夏休み明け〜秋
夏休み明けから秋にかけては模試が増え、志望校の最終決定をする時期でもあります。平日は1日あたり6〜8時間、休日は10時間ほど確保し、模試の結果を分析しながら弱点補強に努めましょう。
特に、苦手な分野を徹底的に復習し、確実に得点源に変えることが求められます。また、志望校の二次試験対策も始めると良いでしょう。特に記述式の問題に慣れることが大切です。
冬から受験当日まで
冬休みから受験当日まではラストスパートの時期です。
学校によっては自由登校が増える時期でもあるため、受験勉強が確保できるときは1日あたり10時間以上の勉強を継続し最終調整を行いましょう。
この時期は過去問を中心に、試験当日のシミュレーションを行うのがおすすめです。実際の試験時間に合わせた模擬試験を実施し、試験当日のリズムを体に覚えさせることが大切です。
また、体調管理にも細心の注意を払い、万全の状態で本番に臨めるよう心がけましょう。
1日10時間程度の学習時間を確保するスケジュールは、こちらのコラムで解説しています。モチベーションを保つ秘訣も公開しているので、あわせてご覧くださいね。
受験生に必要な勉強時間【国公立・私立別】
受験勉強と一口にいっても、目指す大学によってどの科目にどれだけ時間を使うのか変わってきます。
具体的に、国公立と私立に分けて目指したい勉強時間を紹介していきます。
国公立受験に必要な勉強時間
確実なデータはありませんが国公立大学の合格に必要な勉強時間は3,000時間以上といわれれいます。
3,000時間というと、平日を含めて毎日7時間勉強しても1年間では到達できないので高校3年生の時期だけでは難しいかもしれません。そのため受験勉強を始める時期が大きな鍵を握ります。
関連記事|大学受験勉強はいつから本気出す?国公立と私立ごとの平均は?
国公立大学は一般的に科目数が多く、特に理系では理科や数学に多くの時間を割く必要があります。また、センター試験や共通テストを含む複数の試験対策が求められるため、計画的に幅広い科目の勉強を進める必要があるでしょう。
私立受験に必要な勉強時間
私立大学は、一般的には国公立大学と比較して科目数が少ないため、必要な勉強時間は2,000〜3,000時間といわれています。
私立文系では、英語、国語、社会の3科目が中心となることが多く、その分一科目に集中する時間を増やせるようになります。
それでも、3,000時間となると、仮に受験当日までの1年前から1日7時間勉強しても目標時間に届きません。計画的に高1・高2の段階から勉強を始めることが大切です。
理系・文系それぞれの大学受験におすすめの学習スケジュールについては、こちらのコラムをご覧ください。
受験生に必要な勉強時間【難関大学】
難関大学を目指す受験生にとって、必要な勉強時間と勉強を開始するタイミングは非常に重要です。ここでは、難関大学に合格するための勉強時間について、学年ごとに詳しく紹介します。
難関大学の合格を勝ち取るには高1からが勝負
先にみたように国公立や私立大学の受験に必要な時間は、3,00時間前後といわれています。難関大学となればそれ以上の時間の確保も必要になるかもしれません。先ほどお伝えしたように高校3年生の時期だけでは、どれだけ毎日頑張っても必要な勉強時間には到底届きません。
そのため、難関大学の合格を勝ち取るには高1からが勝負です。
高1の平均勉強時間は、平日で1時間程度と紹介しましたが、難関大学の場合は平日に2時間以上、休日に3時間以上が最低ノルマです。
高2になってくると毎日3時間を目安にしましょう。高2の平均値が1時間〜2時間弱なので、難関大学を目指す場合は平均の倍を確保するといいかもしれません。
高3になると、いきなり偏差値を上げるのは難しくなります。周りがスタートを切る前の高1のうちに、コツコツ努力し始めましょう。
中長期的に計画を立てて受験勉強に挑もう
受験生にとって勉強時間は、志望校合格の鍵を握る重要な要素です。計画的に十分な時間を確保し、効率的に学習を進めることが成功への道を開きます。
ただし、勉強時間ばかりにとらわれず、体調管理にも気を配って無理のない範囲で継続的に進めるようにしましょう。目標に向かって計画的かつ効率的に勉強を進め、志望校合格を目指しましょう!