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大学受験成功への道!文系学生のための勉強計画ガイド

更新日 2024.04.05
大学受験成功への道!文系学生のための勉強計画ガイド
効果的な勉強計画を立てることは受験生にとって重要な課題です。

文系受験を成功させるためには、勉強時間の配分や科目の優先順位、適切な対策方法など、多岐にわたるポイントを検討しなければなりません。

本コラムでは、文系受験生に向けた年間の勉強計画の立て方や、計画をスムーズに実行するポイントを解説します。

⏱この記事は約13分で読めます

文系受験生が勉強計画を立てる重要性

文系受験生にとって、計画的な勉強は非常に重要です。

文系科目には、暗記科目、理解科目、記述科目など、さまざまな種類があります。計画を立てずに闇雲に勉強を始めてしまうと、それぞれの科目に必要な学習時間や学習内容が明確になりません。

限られた時間内で多くの科目をカバーするには、各科目への割り当てられた時間を最適化する必要があります。計画に沿って勉強することで無駄な時間の浪費を防ぎ、重要な科目に適切な時間を割り振れるでしょう。

大学受験の勉強計画は、なるべく早い段階に立てておきましょう。具体的な時期については、こちらのコラムで詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。

私立の文系大学を受験するための年間勉強計画

ここからは、受験シーズン真っ只中になる高校3年生の時期に焦点をあて、それぞれの時期における具体的な勉強計画とポイントを紹介します。

特に、私立文系大学受験で重要になる国語、社会、英語の3科目に分けて解説します。

4月〜6月(高校3年生 春)

4月から6月までの、勉強計画の一例を紹介します。

ここでの目標は、各科目の基礎固めを重点的に行いましょう。

国語古文・漢文の基本的な文法と単語を習得する。現代文では読解力を高めるために、要約や主旨を把握する練習を行う。
社会歴史や地理、政治経済の基本的な事実と概念を理解する。時間軸に沿って出来事を覚えることで、記憶に残りやすくする。
英語基本的な文法と語彙を確認し、リーディングとリスニングの基礎を固める。毎日英単語を覚える習慣をつける。

7月〜9月(夏休み)

夏休み期間に差し掛かる7月から9月の間は、長時間学習が可能な時期となります。

過去問や問題集を繰り返し解き、問題演習を積みましょう。時間配分や解答テクニックを身につける時期にしてもいいかもしれません。

国語読解練習を積み重ね、速読力と理解力を向上させる。古文・漢文では実際の過去問を解いて解釈能力を鍛える。
社会過去問を解き始め、出題傾向を掴む。重要なポイントにマーキングし、復習を効率的に行えるようにする。
英語:長文読解を中心に、実際の過去問を使って実力を試す。リスニング力を高めるために、英語のニュースやポッドキャストを聞く習慣をつける。

10月〜12月(秋)

10月から12月の時期は、受験まで残りわずかということもあり、弱点を克服し総合的な実力を高める集中的な勉強が求められます。

国語現代文では、読解問題において自分がどのような問題でつまずくかを特定し、それに対する対策を練る。主旨をつかむ練習、論理展開を追う練習などに時間を割く。古文・漢文は、苦手とする文法点や単語があれば、それを集中的に学習する。過去問を解いて、読解スキルを高めるのも重要。記述対策では、文章の要約や論述練習を通じて、論点を的確に捉え、短時間で表現する能力を養う。
社会教科書をもう一度丁寧に読み返し、重要事項のマスタリングを図る。特に、年表や図表は出題されやすいため、重点的に覚える。地理、政治経済、現代社会など、自身の苦手な分野を特定し、その分野に関する勉強を集中的に行う。図や表を活用して視覚的に理解を深める。
英語:英単語や熟語は、英語力の基礎を形成するため、毎日一定数の単語を覚える習慣を続ける長文読解の強化として、実際の過去問や模試の長文読解問題を多くこなし、読解速度と正確性を向上させる。文脈から意味を推測する力を鍛える。英語のニュースやポッドキャスト、教材を用いたリスニング練習を日常的に行う。実際の試験形式に近い教材で練習し、聞き取り能力を高める。

1月(受験直前期)

1月は受験直前期にあたり、この時期の勉強は実戦力を養いましょう。

国語過去問を解くことで、出題傾向と自身の苦手分野を明確に把握する。時間を測って解答することで、試験時間内に問題を解き終える力を養う。読解力の最終確認として、現代文、古文、漢文それぞれの読解力を維持する。毎日少なくとも一問ずつ読解練習を行うと効果的。また、不正解だった問題の復習を徹底し、同じ間違いを繰り返さないようにする
社会重要ポイントの最終確認として、教科書やノートの要点を見直し、重要事項の理解を深める。特に、出題頻度の高いポイントや、苦手としている分野に重点を置く。模擬試験や過去問を時間を計って解き、時間配分に慣れておく
英語実戦形式の練習として、リーディング、リスニング、ライティングなど、実際の試験形式での練習を重ねる。特にリーディングは、時間を意識しながら解答する。英語表現を確認する。よく使う英語表現や、間違えやすい文法ポイントを最後に確認し、自信を持って試験に臨めるようにしておく

2月(受験月)

2月は受験本番の月です。この時期の勉強は、これまでの学習の集大成を確認し、精神的な安定を保ちつつ最終的な準備に集中しましょう。

国語過去に間違えた問題や苦手な分野を最終的にチェックし、理解を深める。新しい内容を学び始めるのは避ける。試験のプレッシャーから少し離れて、国語の長文をリラックスして読む時間を設ける。読解力を維持しつつ、精神的な安定を図ることが重要。
社会重要事項の要点を再確認し、記憶にしっかりと定着させておく。この時期に新しいことを学ぶよりも、既に学んだことの理解を深めることが大切。出来事や概念を頭の中でイメージしながら、それぞれの関連性や背景を思い浮かべる。
英語英単語や基本的な文法ルールの確認を行い、英語の基礎を固める。直前期に新しい内容を詰め込むのではなく、基本に忠実に。本番直前は、実践演習を減らし、これまでの復習に重点を置く。リスニングやリーディングの軽い演習を続ける程度にして、過度な緊張を減らす。

国公立の文系大学を受験するための年間勉強計画

国公立の文系大学を受験するための年間計画を紹介します。

国語、社会、英語に加え、選択科目にも焦点を当てて解説していきます。

4月〜6月(高校3年生 春)

4月から6月の勉強計画は、基礎固めと体系的な学習の構築に重点を置きます。この時期は、全科目にわたって広範囲の知識と技能の基礎を確立する貴重な期間です。

国語現代文は、毎日の新聞読解を習慣化し、社会的なテーマに対する理解を深める。基本的な論理構造を理解し、文章の要旨をまとめる練習を行う。古文・漢文は、基本的な文法事項と単語を覚え、簡単な文章の読解に取り組む。古典的な表現や文化背景についても学習しておく。
社会(地歴含む)日本史と世界史の大まかな流れを理解し、時代ごとの重要な出来事や人物を学習する。教科書の年表や図を活用し、視覚的な記憶を強化すると効果的。地理は、日本の地形や気候、世界各国の位置や特徴を把握する。ニュースで話題になる地域については、積極的に情報収集を行っておく。政治経済は、政治の基本的な仕組みや経済の基礎知識について学習する。政治経済の動向にも注目し、教科書の知識と結びつけると効果的。
英語基本的な文法を復習し、毎日一定数の文法問題を解いて理解を深めておく。毎日の単語学習を習慣化し、英英辞典を使った学習で語彙力を高めると効果的。リーディングは、短い英文を読み、主旨を理解する練習を行う。新聞や雑誌の英文記事を読んでおく。リスニングは、英語のニュースやポッドキャストを聞く習慣をつけ、日常的に英語に触れることでリスニング力を向上させておく。
選択科目(数学)大学入学共通テストにチャレンジしておく。基礎固めとして、数I・数Aの範囲を中心に、基本的な公式や解法を確認する。特に、方程式、不等式、図形の基本的な問題を解く練習をしておく。
選択科目(理科基礎)理科の基礎知識をインプットする。教科書や参考書を用いて知識の定着を目指す。

7月〜9月(夏休み)

夏休み期間は、受験勉強の大切なターニングポイントです。この期間は、基礎知識をさらに深めつつ、実力を飛躍的に伸ばすための集中学習を行いましょう。

国語現代文は、難しい長文読解にチャレンジし、論理的な思考力と速読力を鍛える。また、さまざまなテーマについての論述練習を行い、自分の意見を明確に表現する力を高めておく。古文・漢文は、より複雑な古文や漢文の読解に取り組み、文法や単語の知識を活かして意味を正確に読み取る練習をする。また、古典文学作品を通じて、文化や歴史の背景知識を深めるのも効果的。
社会(地歴含む)主要な歴史的出来事や人物に関する詳細な学習を進め、その背景や影響について考察する。また、短い記述式の問題に取り組み、歴史的事実を的確に説明する力を養うと効果的。地理は、現象や地域の特性について深く理解し、その要因や影響を多角的に分析する。地理的なデータや統計を読み解く力も重要。政治や経済の理論に基づく分析力を養うために、現代のニュースや事例を題材にしたディスカッションやエッセイの作成に取り組む。
英語高度な文法事項や、専門的な語彙に挑戦し、英語表現の正確性を高める。リーディングでは、複雑な長文や専門的な文章に取り組み、読解スピードと理解度を同時に上げる練習をする。リスニングは、多様なアクセントや速度の英語を聞き分ける練習をし、実際のリスニング問題に近い教材を使用して訓練する。スピーキング・ライティング: 英語での自由な表現力を鍛えるために、日記を書いたり、話題についての短いスピーチを行うなどの練習を行う。
選択科目(数学)​​数学の基本的な公式や定理を完璧に理解し、それらを応用した問題解決能力を養っておく。特に、文系数学ではデータの分析や確率、統計など、実生活や他の学問との関連性が高い分野に注目する。
選択科目(理科基礎)教科書を繰り返して知識を定着させる。志望校の過去問を解いてみる。

10月〜12月(秋)

10月から12月は、基礎知識のさらなる定着と弱点の克服、実戦形式の演習に重点を置きましょう。

国語読解力の確実な向上と表現力の鍛錬現代文:多様な文章を読み、論理構造や作者の意図を速やかに把握する訓練を行います。また、自分の意見を明確に表現する練習も継続します。古文・漢文:過去問や模擬試験を利用して実戦演習を積み、読解速度と正確性を高めます。また、文学史や背景知識の復習も行い、文脈理解を深めます。
社会地理・歴史は、出題傾向を分析し、重要ポイントの復習と深掘りを行う。論述式問題への対策を強化し、具体的な事例を引用して意見を述べる練習を積んでおく。政治経済では、現代のニュースと関連づけながら、政治・経済の動向を分析する力を養う。データ読解能力も重要。
英語全ての分野(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)において、実戦形式の演習を重ねる。リーディングとリスニングでは、過去問を中心に時間を測っての練習を行い、試験における時間管理能力を高めておく。
選択科目(数学)基本事項の復習に加え、応用問題や実戦形式の問題に取り組み、問題解決能力を高める。間違えた問題は、徹底的に分析する。
選択科目(理科基礎)物理基礎や化学基礎など、基本概念と公式の復習を行う。過去問を解くことで、試験形式に慣れ親しむとともに、実験やデータ解析問題への対応力を養っておく。

1月(受験直前期)

1月の受験直前期は、これまでの学習成果を最大限に引き出し、試験に臨む準備を整えるための重要な時期です。

国語実際の試験形式に慣れるため、過去問を解き、時間配分の練習をする。時間内に問題を解き終える能力を養っておく。記述式の問題に対応するため、論理的に文章を構成する練習を行う。
社会歴史の年表、地理の地図、政治・経済の重要用語など、重要事項を整理し、短時間で記憶を確認できるようにする。出題傾向を掴むために、過去問を解き、特に記述式問題では自分の答えを実際の採点基準と照らし合わせてみる。
英語リーディング、リスニングの過去問を解いて、試験形式と時間管理に慣れる。特に、長文読解では主旨理解と情報の速やかな抽出能力を重点的に鍛えておく。よく出るテーマに対して、自分の意見を英語で表現する練習をする。基本的な文法や単語の復習も欠かさずに。
選択科目(数学)数学の基本公式や定理を再確認し、自動的に思い出せるようにする。時間を計って過去問に取り組み、試験のプレッシャー下での問題解決能力を養う。
選択科目(理科基礎)物理基礎や化学基礎など、選択している科目の基本概念や公式を徹底的に復習する。

2月(受験月)

これまでの長期にわたる準備の成果を最大限に活かす時期です。心身のコンディション管理と共に、各科目の最終確認が重要です。

国語これまでに間違えた問題や苦手な部分を中心に見直し、要点を再確認する。特に、重要な文学史の流れや文法事項をおさらいする。試験中の緊張を和らげるため、リラックスする方法を見つけておく。
社会地理、歴史、政治・経済の中で特に重要と思われる部分を再度確認する。記述式問題への対策として、要点を簡潔にまとめる練習を行うとよし。過去問を用いて出題傾向を把握し、どのような問題が出やすいかを再確認する
英語語彙や文法の基礎を再度確認し、リスニングやリーディングの短い演習を行う。特に、試験直前は自信を持って臨めるように、過去に正解した問題を中心に見直しておく。
選択科目(数学)数学で頻出の公式や解法を最後に確認し、手応えを感じる問題を解いて自信をつける。
選択科目(理科基礎)物理基礎や化学基礎など、選択した科目の基本概念や公式を最終的に確認する。

文系大学を攻略!勉強計画を立てるポイント

文系大学を目指す受験生が効率的に勉強計画を立て、成功に導くためのポイントを紹介します。

目標設定

希望する大学や学部、さらにはそこで学びたいことについて具体的な目標を設定します。この目標が勉強計画の基盤になるからです。

目標達成のためのステップとして、長期的な目標を達成するための中期・短期の目標を明確に設定しましょう。たとえば、模擬試験の目標得点や特定の科目の理解度などです。

より細かな目標を立てることが重要です。

現状分析

現在の学力を正確に把握し、自分の強みと弱みを分析します。模擬試験の結果や学校の成績を利用して、どの科目を重点的に勉強する必要があるかを判断してみてください。

学習時間の確保

学校や部活、アルバイトといった日常の活動と勉強のバランスを取り、効果的に学習時間を確保しましょう。

学習時間を確保するには、1日単位でスケジュールを組む必要があります。効率的な時間配分については、こちらのコラムを参考にしてみてください。

科目別勉強計画の作成

現状分析で明らかになった弱点を克服するため、科目別の勉強計画を立てましょう。国語、社会、英語など文系科目に加え、選択した理科や数学についても計画を立案してみてください。

勉強計画表の作成

目標、スケジュール、学習内容を明確に記入した勉強計画表を作成しましょう。

計画表の作成方法については、こちらのコラムが役立ちます。具体的な勉強方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

計画表の調整

実際に勉強を進める中で計画の見直しや調整が必要になる場合があります。進捗状況を定期的にチェックし、必要に応じて計画を更新するといいでしょう。

計画表を調整するタイミングは、定期的なテストや自己評価を通じて弱点が明らかになったときが最適です。 

モチベーションの維持

大きな目標に向けて、達成可能な小さな目標を設定し、それを達成するごとに自分を褒めるなどモチベーションを維持しましょう。

達成できなかった目標に対しては、その原因を冷静に分析し、次に生かすための学びとして捉えるのも大切です。自分自身を過度に責めず、常に前向きな姿勢を保つようにしてみましょう。

文系受験生によくある疑問

ここで、文系受験生によくある疑問をまとめてみました。

文系大学受験において最も重要な科目は何ですか?

文系大学受験において「最も重要な科目」を一概に決めるのは難しいですが、多くの文系学部では「国語」「社会」「英語」の3科目が基礎になります。

これらの科目は、文系学部で求められる思考力、表現力、論理力を養ううえで欠かせません。

また、受験する大学や学部によって、重視される科目は異なります。そのため、志望校の過去問題を分析して、どの科目に重点を置くべきかを判断することが重要です。

受験勉強のスケジュール管理に役立つツールはありますか?

効率的な勉強を支えるスケジュール管理には、さまざまなツールが役立ちます。紙のプランナーや手帳、デジタルツールまで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

たとえば、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーなど、スマートフォンやPCで簡単に管理できるツールがあります。アラーム機能を使ったリマインドも可能です。

また、TodoistやTrelloなどのタスク管理アプリを使えば、勉強すべき内容を細かくリストアップし進捗管理を行えます。

まとめ

文系大学の受験対策は、国語・社会・英語の3科目を重点的に進めるといいでしょう。勉強計画を立てる際は、明確な目標設定と現状分析が欠かせません。勉強計画を立てたあとは、進捗に応じて調整を行うことも忘れないでください。

勉強計画をしっかり立てて、志望校合格を目指していきましょう。

ライター
ドーミーラボ編集部

「夢中になれる学生生活」を探求するウエブマガジンです。進学や進路のあり方、充実した学生生活をおくるために実践できる知恵やヒントを発信していきます。