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奨学金の金利が計算される仕組みは?【奨学金アドバイザーが詳しく解説】

更新日 2023.09.21
奨学金の金利が計算される仕組みは?【奨学金アドバイザーが詳しく解説】
奨学金の申し込みを検討する際に気になる項目のひとつが「金利」の話です。今回は奨学金アドバイザー久米さんに「奨学金の金利はどのように決まるのか」といったテーマについて解説していただきます。

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監修:奨学金アドバイザー・久米忠史(くめ ただし)

奨学金の金利が計算される仕組みとは?

有利子奨学金は市場(銀行や投資機関)から調達していますので、一般的な貸付と同じく調達金利が元になります。ただし、日本学生支援機構の有利子奨学金の上限利率は3.0%と制限がかけられている点が一般のローンとの大きな違いです。では、実際の適用利率を見ると、2023年3月貸与終了者では利率固定方式0.905%、利率見直し方式0.300%と上限利率よりも低く推移しているのが実情です。

※参考:日本学生支援機構|平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率

また、奨学金の場合、在学中は利息が発生しません。当然市場から調達しているので実際には利息が発生はしていますが、そこには税金が投入されています。国が利子を補填していることはあまり知られていません。

金利は奨学金を選ぶ判断基準になりうるのか?

自治体や民間で有利子の奨学金があったとしても、ほとんどニーズはないのかなと思います。もし他の有利子を借りられないということは、かなりの高所得者ということになるでしょう。例えば世帯で1000万収入があれば、大学の有利子奨学金は可能性があるかもしれませんが、家計基準の審査があるため無利子の第一種奨学金はそもそも通らない可能性もあるわけです。

どちらかというと、現在のトレンドは地方自治体も含めて給付型にシフトしています。ですから現実的にありえるとすれば、金利の高い奨学金と低い奨学金というよりも、有利子の奨学金と教育ローンを組み合わせについて考える方が賢明です。実際にそのような家庭も多いと思います。

親の立場からすると、子どもに借金をさせたくないという思いから教育ローンを借りて、不足分を奨学金で借りてもらうという考えをする、というのは不思議ではないです。ただ、国の教育ローンと比べても奨学金の有利子のほうが圧倒的に低い。なので親御さんの気持ちはわかるのですが、実際のところは奨学金を最大限に借りておいて、不足する分を教育ローンで補うほうが、世帯全体で考えると支払い利息を節約できるのかなと思います。それこそ住宅ローンも固定のほうが上がってくるのではなど言われているなかで、民間の金融機関が扱うということは他の商品にも影響するでしょうしね。教育ローンは借りた時点から利息が発生します。奨学金ではそうではない。仕組みを冷静に考えればどう組み合わせればいいのか見えてくるかと思います。

この記事の監修者:奨学金アドバイザー・久米忠史

この記事の監修者:奨学金アドバイザー・久米忠史(くめ ただし)
株式会社まなびシード 代表取締役。2005年頃から沖縄県の高校で始めた保護者・高校生向けの奨学金ガイダンスが「わかりやすい」との評判を呼び、現在では高校だけでなく全国各地で開催される進学相談会や大学のオープンキャンパスなどで毎年150回以上の講演を行う。2009年には進学費用対策ホームページ「奨学金なるほど!相談所」を開設。

ライター
ドーミーラボ編集部

「夢中になれる学生生活」を探求するウエブマガジンです。進学や進路のあり方、充実した学生生活をおくるために実践できる知恵やヒントを発信していきます。

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