気付いたら、めちゃめちゃちゃんと生活できるようになってました(笑)【慶應義塾の学生寮 KEIO LIFE】
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実家が埼玉なので、一時間半で通えなくはなかったんですけど朝が弱くて……。お母さんは「一人暮らししてみたら?」って言ってくれて、でもお父さんは「実家から通えばいいんじゃない?」って意見が分かれて(笑)。決定打は湘南台に住んでるお姉ちゃん夫婦が「こんな寮があるよ」ってドーミーを探して来てくれたことですね。一人が好きなタイプなので個室があったのと、ご飯がついてることにまず惹かれました。実際に見学に行って、寮長さんと寮母さんがすごくいい人だったので、ここに決めましたね。
疲れて帰って来た時に、美味しいご飯がある幸せ
修学旅行とか行くと「ご飯、合わないな……」って思うことが多かったから、それが寮で起きたらどうしよう、って心配してたんですけど、ここのご飯はめっちゃ好きで。塾のバイトは寮のご飯を食べるために、早めに上がらせてもらってます(笑)。
全然キャンセルできるんですけど、疲れて帰ってきた時に美味しいご飯があるのって幸せじゃないですか。お米と味噌汁は自分でよそうから量も調節できるし、シンプルに味が美味しい。朝ご飯は、ほぼ和食を選んでるんですけど、毎日食べてるのに全然メニューが被らないぐらい、バリエーション豊富ですね。
見守ってくれる存在
寮長さんと寮母さんは、めっちゃ話しかけてくれます。
「いってらっしゃい、今日何限から?雨だから気をつけてね」みたいな感じで、見守ってくれてるっていうのがすごく伝わります。門限とかの厳しいルールも特にないので、窮屈さは全然感じないです。
ご飯の時間が決まってるとか、外泊するときはアプリに入力するとか、アイロンなどを借りる時は申請するとか、基本的な生活のルールはありますけど……でも縛られてる感じじゃなく、自分の暮らしは守られてるので、ホテルみたいな感じですね。
強いて言うなら、洗濯機が夜遅くに使えないから朝回さなきゃいけないのがちょっと大変ですけど、慣れちゃえば不便に感じないです。
AO入試は自分の興味に向き合うチャンス
元々、自分は一般受験が合ってないんじゃないか、って思ったのがAO入試を選んだキッカケで。一般受験って「副教科は受験に関係ないから、やらなくていい」みたいな雰囲気になりがちじゃないですか。でも私は色んな学問を幅広く学ぶのが好きだったし、自分の興味があることに向き合うチャンスでもあるんじゃないかなって思って。
最初は匂いについて研究してたんですけど、上手くいかなくて。塾の先生と相談している内に「匂いだけじゃなくて自分は人が感動することの仕組みについて知りたいんだ」って気付いて内容を急遽変更したんです。この時点で高三の七月だったから、入試まであと二ヶ月っていう……(笑)。でも諦めずに最後の最後までやり切ったから、合格できたんだと思います。
講師として、生徒たちの力になりたい
高校生の頃から色んなことに興味があって、それが今も、徐々に変化し続けていて……ちょっとでもやりたいと思ったことは全部挑戦しようって思ってます。サークルも、ダンスと映像研とパルクールを掛け持ちしています。
大変なんですけど、やっぱり寮で暮らしていると生活リズムが崩れないんですよね。晩ご飯に間に合うようにバイトから帰って来て、食後に課題をやったり本を読んだり。完全な一人暮らしだったら、その域に達してなかったかも。おかげで、気付いたらめちゃめちゃちゃんと生活してて(笑)。朝弱くて親に起こしてもらってたけど、いつの間にか、朝ご飯までに起きられるようになってました。今は塾講師のバイトが忙しいんですけど、でも高校生の頃の自分が塾の先生のアドバイスをもらって合格したように、今度は私が生徒たちの力になりたいですね。
受験生(AO入試)へのアドバイス
AO入試は「自分はどういうものが好きなんだろう?」「何が向いてるんだろう?」と深く考えるチャンスだと思うんです。私はあの時期に自分と向き合えたことが、大学生になってもすごく役に立っているので、受験だからって一般の子と比べて焦らずに、しっかりと自分のやるべきことをやるのがいいかなと。あと模擬面接とかで知らないことを突かれると「うっ」てなっちゃうけど「そうだったんですね、調べてみます!」って返してみたり、面接官との会話を楽しむようにしてみるといいかもしれません。単純に、面接官の方も興味で聞いてくれていることもあるので。
取材・2022年6月 文・大池容子 写真・白浜哲 取材・西泰宏