共通テストは私立大学受験に関係ないって本当?実態を徹底解説

⏱この記事は約7分で読めます
私立大学専願なら共通テストを受けない選択もあり
結論から言うとと、私立大学専願の場合は共通テストを受けない選択も「あり」です。
私立大学を個別入試で受ける場合、共通テストの点数は一切関係しません。
このとき共通テストを受けたとしても、私立大学側には共通テストの点数すら伝わることもないので、結果的に受けても受けなくても変わりはないのです。
共通テストを受けないことのリスクと注意点
共通テストを受けないこと自体は問題ではありませんが、受けないことで受験の幅が狭まったり、実力を確認する機会を逃す場合もあります。ここでは、共通テストを受けない場合に気をつけたいポイントを紹介します
共通テスト利用入試を使えなくなる
共通テストを受けないと、「共通テスト利用入試」方式では出願ができません。出願できる大学や方式が限られることで、併願校の選択肢が少なくなる可能性があります。
実力を客観的に確認する機会が減る
共通テストは、全国の受験生と同じ基準で学力を測れる貴重な機会です。
受けない場合、自分の立ち位置を客観的に把握する機会を逃すことになります。
学習計画が個別入試一本化になる
共通テストを受けない場合、当然ながら個別入試対策に専念できます。その分効率的ではありますが、「幅広い学力を保つ機会」が減る点も理解しておきましょう
私立大学を受ける際に共通テスト受験が必要になるケース
多くの私立大学は、共通テストの点数を合否判断材料にする「共通テスト利用」という入試方式も実施しています。共通テスト利用で私立大学を受験したいのであれば、共通テストを受ける必要があります。
共通テスト利用(単独型)を受ける場合
共通テスト利用(単独型)とは、共通テストの点数のみで合否を決める私立大学の入試方式です。
私立大学受験生であっても、「共通テスト利用(単独型)を受けたい」と考えている場合は、必ず共通テストを受けましょう。
この「共通テスト利用(単独型)」で私立大学に合格できれば、個別入試を受ける必要はありません。
複数の私立大学受験を検討している人にとっては、一校でも共通テスト利用(単独型)で合格すれば、気持ちの面でも非常に楽になるでしょう。
「共通テストの点数が求められる基準に達していれば、私立大学に合格できる」というのは、大きなメリットです。
共通テスト利用(併用型)を受ける場合
また、共通テスト(併用型)を受ける場合も共通テスト受験は必須になります。
共通テスト利用(併用型)とは、共通テストと個別入試両方の点数をあわせて合否が決める入試方式です。
併用型は単独型と違い、個別入試も受けることとなります。
評価の際は、共通テストと個別入試の合計点もしくは点数の高い方が判断材料になります。
個別入試の対策も必要となる併用型は「負担が大きいのではないか」と感じる人も多いでしょう。
ただし実際は、単独型よりも併用型の方がボーダーラインが低い傾向がみられ、合格可能性は高くなります。
共通テスト利用で私立大学受験をする予定がある人は、単独型・併用型どちらであれ、必ず共通テストを受ける必要があるのです。

私立大学専願者が共通テストを受けるメリット
共通テストが必須でない場合でも、受けることで得られるメリットは多くあります。
試験本番の雰囲気に慣れることができる
まず、共通テストを受けることで試験本番の雰囲気に慣れることができます。
個別入試よりも早くに実施される共通テストの会場に行けば、試験本番の緊張感を味わうことができるでしょう。
さらに、試験の流れや問題を解く時間配分、休憩時間の過ごし方なども身を持って体感できます。
特に、「プレッシャーに弱い」「本番で失敗しやすい」と自覚している人は、共通テストを受けるのがおすすめです。
そうすることで、本命の個別入試に向けても心の準備が整うでしょう。
自分の実力を把握する機会になる
共通テストの受験は、自分の実力を把握する機会となります。
高校までの教育過程で身につけるべき基礎学力を問う共通テストは、基本的に難問・奇問は出題されません。
したがって、ある程度の正確な実力を知るにはもってこいの試験なのです。
共通テストで高得点をとれれば、自信にもつながります。
英語の長文問題に強くなれる
英語の長文問題に強くなれるのも、メリットです。
共通テストの英語はセンター試験と変わり、より実用性ある英語力が問われることになりました。
それに伴い、「発音」「アクセント」「文法」「語法」など暗記で切り抜けられる問題はなくなり、全問題において英文を読むことが求められます。
私立大学の個別入試でも英語長文の配点は高く設定されており、読解力は重視されています。
共通テストの対策をすると、スピーディに英語長文を読解する能力が養われるので、個別入試対策の一環にもなります。
共通テスト利用で大学に合格できる可能性もある
そして、共通テスト利用で大学に合格できる可能性もあります。
先述したように、私立大学は「共通テスト利用」という方法も採用しています。
もし共通テストで高得点をとれればその点数で私立大学に合格できるのです。
滑り止めの大学を共通テスト利用で合格できれば、安心できるでしょう。
もちろん、志望大学から求められる点数をとらなければ合格には至りませんが、可能性を広げられるという意味でおすすめです。
私立大学専願者が共通テストを受けるデメリット
ただし、共通テストを受けることで生じる負担にも注意が必要です。
私立大学の個別入試対策が不十分になる可能性がある
共通テストを受けることにより、私立大学の個別入試対策が不十分になる可能性があります。
私立大学の個別入試は、共通テストの後に実施されます。
そのため、先に行われる共通テストの対策に気を取られがちになるでしょう。
そうなると、どうしても私立大学の個別入試対策にかける時間が少なくなります。
共通テストの対策に偏ってしまったり、どっちつかずの状態になれば、私立大学の個別入試では良い点数を期待できなくなるかもしれません。
したがって私立大学専願者が共通テストを受ける場合、「いかにバランスをとりながら対策をするか」が求められるのです。
共通テストの点数によっては自信を失う場合もある
共通テストの点数によっては自信を失う場合もあります。
もし共通テストの結果が悪かったら、やはり誰しも落ち込むでしょう。
ご自身のなかでは「共通テストは、個別入試の予行演習のようなもの」と線引きしているつもりでも、自己採点の点数が低ければ、当然ショックを受けます。
そして「共通テストで思うような結果を出せない自分は、個別入試でも失敗するかもしれない」というネガティブな考えになれば、本末転倒です。
そのため、もし共通テストを受けるのであれば、結果には左右されない精神力が重要となります。
受験スタイルを選ぶときのポイント
共通テストを「受ける」「受けない」はどちらが正解というものではありません。自分の性格・得意科目・志望校の方式を踏まえて判断することが大切です。
志望校の方式を必ず確認
大学によっては共通テスト利用方式の枠が多いところもあります。まずは出願条件を早めに確認しましょう。
得意科目・苦手科目のバランスを見直す
共通テストは広範囲をカバーする試験。得意科目が多い人は有利になることも。苦手科目が足を引っ張りそうなら、個別入試一本に集中する戦略もあります。
勉強時間の配分を見直す
共通テスト対策と個別入試対策を両立するには時間管理がカギ。早めに自分の優先順位を決めておくと安心です。
最適な選択を見つけよう
「共通テスト利用」を全く視野に入れていない私立大学受験生は、共通テストを受けない選択をしても良いでしょう。
国立大学受験生に共通テストを受けないという選択肢はありませんが、私立大学受験生であれば、自分の考えに合わせて柔軟に受験方法を決められます。
私立大学専願の人が共通テストを受ける際は、ご紹介したようにメリット・デメリットがあります。
本記事の内容も参考にしつつ、ご自身にとってベストな選択肢を検討してください。




