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共通テストとセンター試験の違いは?重視される能力や対策方法を比較

更新日 2023.10.04
共通テストとセンター試験の違いは?重視される能力や対策方法を比較
共通テストは2021年1月から開始されたばかりの試験で、センター試験との違いに戸惑う人は少なくありません。この記事では、共通テストとセンター試験の違いについて解説します。それぞれの重視される能力や対策方法も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

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共通テストとは

共通テストとは、大学受験生を対象に、高校で身に着けた基礎的学力を評価することを目的として全国で一斉に実施される試験です。

従来は「センター試験」でしたが、2021年より「共通テスト」に名称が変更されました。

主な受験者は、下記が挙げられます。

  • 国公立大学を受験する人
  • 私立大学を共通テスト利用で受験する人
  • 私立大学の共通試験併用型を受験する人

受験科目については、6教科30科目の中から志望大学が指定する科目を選択します。

回答方式はマーク方式で、センターと同様です。

共通テストの詳細についてさらに詳しく把握したい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

センター試験とは

センター試験とは、共通テストの前身となる試験です。

現在高校生の子どもがいる親御さんにとっては、「共通テスト」よりも「センター試験」の方が耳馴染みがあるかもしれません。

センター試験は、難問奇問の排除や大学入試の多様化などへの対応を目的として1990年より導入され、2020年まで30年間実施されました。

センター試験から共通テストに変更された理由

では、センター試験から共通テストに変更された理由を説明します。

高大接続改革の一環にするため

一つ目は、高大接続改革の一環にするためです。

高大接続改革とは、「高校教育と大学教育は、一体のものである」と捉えて大学入試を改革する動きのことです。

従来の高校教育では、情報を暗記してテストで高得点をとることが重視されていました。そのため、その場限りの丸暗記などでも点数を稼ぐことができました。

しかし、急速な変化への対応力が求められる現代社会において、高校は大学受験合格を目指すだけの場ではなく「大学教育と合わせて生きる力を養う場である」と見直されています。

現在10代の学生が社会に出る頃にはさらに少子高齢化やIT化、グローバル化などが進んでいる可能性が高く、従来よりも変化への対応力が必要とされるでしょう。

そこで、高校教育と大学教育をつなぐ役目である「大学入試」で求められる能力についても、見直す必要性があるとされました。

この改革に合わせて、センター試験は「共通テスト」という名に変更されました。

学力の3要素を評価するため

また、学力の3要素を評価するためでもあります。

まず、学力の3要素とは、下記になります。

  • 知識・技能
  • 思考力・判断力・表現力
  • 主体性を持って多様な人々と協議して学ぶ態度

共通テストは、これら3要素をバランスよく図るために導入されました。

現在は、知識や技能のみが求められる時代ではなくなってきています。

実際に、現代社会でのAI(人工知能)の活躍は目覚ましく、これまで人間が行っていた仕事も機械が代わって行うことが増えました。

したがって情報の蓄積や処理であればAIで対応でき、人間にはそれ以外の能力が求められるのです。

従来は、「知識・技能」が学力として評価されるのが主流でしたが、現在は「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協議して学ぶ態度」の大切さが謳われています。

そこで共通テストでは、3要素を評価することを前提とした試験内容に変更されています。

共通テストとセンター試験 求められる能力の違いとは

すでに触れたとおり、共通テストとセンター試験では、求められる能力が異なります。

センター試験の良いところは共通テストにそのまま引き継がれましたが、出題形式・問題の質については見直しのうえ変更されました。

共通テストでは、授業の場面や会話、レポートなどから必要な情報をピックアップして解答するような、思考力や判断力が求められる問題が増えています。

そして、知識や技能だけで対応できる正誤問題は減少傾向がみられます。

【科目別】共通テストとセンター試験の違い 

では、科目別にみた場合、共通テストとセンター試験はどのような違いがあるのでしょうか。

主要三教科である英語・数学・国語について紹介します。

英語

センター試験では、「筆記200点、リスニング50点」という配点でした。

一方、共通テストでは「リーディング100点、リスニング100点」となっています。

リスニングはセンター試験より50点も配点が上がっていることから、共通テストにて非常に重視されていることがわかります。

また、センター試験よりもグラフや表、ワークシートのような視覚情報も同時処理する問題が増加傾向にあります。

共通テストのリーディングは、センター試験で問われていたアクセントや文法問題がなくなりました。

その代わりに、長文問題が6問出題される形式となり、いっそう語彙力や読解力が求められます。また、図表や資料を見て情報処理をする能力も問われます。

数学

センター試験から共通テストに変更される際、「数学Ⅰ・A」の試験時間が60分から70分に増えました。

それに伴い、問題量は増加しています。

「数学Ⅱ・B」の試験時間はセンター試験と変わりありません。

大きな変更点としては、問題文を読解したうえで数式を作り出す思考力が問われるようになったことです。

共通テストでは、数式を作る前の文章が出題され、それを読み取って自分で数式化しなければなりません。

読解力や思考力も試されるので、数学とは言え「数式を解けばよい」というイメージでは対応できないでしょう。

したがって、過去問や模試の問題を解きながら共通テストの数学の形式に慣れる対策が必要です。

国語

国語に関しては、配点や試験時間、出題形式に大きな変更はありません。

センター試験と同様、共通テストでも評論文、小説、漢文、古文が出題されます。

しかし、共通テストではセンター試験よりも契約書などより論理的・実用的な文章が使われるようになりました。

また、大問1つに対して1つの文章ではなく、複数の文章から情報を読み取ることも求められるようになりました。

センター試験のときよりも、いっそう思考力や判断力が問われる傾向がみられます。

共通テストの国語の対策では、数多くの文章に触れて情報処理スピードを上げていくことが重要です。

まとめ

共通テストはセンター試験の後継です。

しかし、問われる能力は大きな変化がみられ現代社会を生き抜くうえで重要となる思考力や判断力などが重視されるようになりました。

それに伴い、各教科にもセンター試験との違いがみられます。

センター試験との違いに戸惑うこともあるでしょうが、対策をすることで今後の社会で必要な能力を養うことができます。

本記事の内容も参考にしつつ、共通テストへの理解を深めて対策に力を入れてください。

ライター
ドーミーラボ編集部

「夢中になれる学生生活」を探求するウエブマガジンです。進学や進路のあり方、充実した学生生活をおくるために実践できる知恵やヒントを発信していきます。