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共通テストでの足切りは何のためにある?ボーダーの活用方法についても解説

共通テストでの足切りは何のためにある?ボーダーの活用方法についても解説
大学受験をする予定の人は、「足切り」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。本記事では、共通テストの足切りについて解説します。ボーダーとの違いや自己採点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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共通テストでの足切りとは

共通テストで実施される「足切り」

足切りとは、大学受験の選抜制度で、主に国公立大学で行われています。

国公立大学を受験する場合は、共通テスト受験が必須となっています。

その際、共通テストは国公立大学の「1次試験」の役割を果たしており、点数が基準に届かなかった場合は二次試験を受ける資格をもらえません。

これを「足切り」と呼びます。

すべての国公立大学で足切りが行われるわけではありませんが、特に難関国公立大学では積極的に採用されている制度です。

また、大学のなかでも倍率の高い医歯薬学部のみで、足切りが実施されているケースもあります。

一方、募集人数に対する志願者数が一定数を超えた場合のみ、二段階選抜を行う大学・学部もみられ、さまざまです。

共通テストで足切りをする目的とは

共通テストは以下のような目的により、足切りを行います。

採点を効率的に進めるため

まずは、採点を効率的に進めるためです。

国公立大学の二次試験は記述式であることがほとんどなので、採点するだけで膨大な時間がかかります。

個別入試が終わってからわずか2週間後には合格発表をする時期になります。

そのため、共通テストで求める基準に達しなかった学生は門前払いすることで、受験者数を絞り選抜を効率化しているのです。

試験会場の収容人数に制限があるため

もう一つの目的は、試験会場の収容人数に制限があるためです。

試験会場では、カンニング行為などの不正を防止するために、受験生同士の距離を確保する必要があります。

しかし、もしも収容人数を超える受験生が出願して二次試験を受けるとなれば、席数が足りなくなってしまいます。

このような理由から、大学側はやむを得ず足切り制度を実施しています。

共通テストでの足切りの方法は2種類

足切りの方法には、下記のパターンがあります。

点数で決めるパターン

1つ目は、点数で決めるパターンです。

この場合は、大学側が定めた基準点と受験生の共通テストの点数を比較することになります。

もし共通テストの点数が大学側の基準点に達していなければ、足切りされることになります。

倍率で決めるパターン

2つ目は、倍率で決めるパターンです。

この方法では、あらかじめ大学側が定めた倍率に収まるように点数の低い学生から足切りすることになります。

基本的には、いずれかのパターンを利用しますが、大学によっては2パターンを併用する場合もあります。

共通テストでの足切りをされないための対策法

そしてここでは、共通テストでの足切りをされないための対策法を紹介します。

共通テストの対策をしっかり行う

「当たり前では?」と思う方もいるでしょうが、共通テストの対策をしっかり行うことです。

足切りの対象となる結果にならないように、共通テスト本番までは、念入りに学習や過去問を繰り返しましょう。

共通テストは基礎学力を測る試験ですが、きちんとした対策なしでは決して高得点は獲れません。

共通テスト独自の対策をしっかりと行い、本番に備えましょう!

大学受験の情報をきちんと確認する

そして、大学受験の情報をきちんと確認しましょう。

共通テストは2021年から始まったばかりの試験なので、傾向がしっかりと見えてくるのは少なくとも数年先になります。

そこで重要なのは、大学受験の情報にアンテナを張り、新聞やニュースサイトで報じられるその年の難易予想などから、自分にとって重要な情報をキャッチすることです。

難易度予想を見ることで、何も情報がないよりは自分が獲るべき点数をイメージしやすくなるでしょう。

受験は情報戦でもあるため、学習と並行して情報収集も怠らないようにしてください。

足切り予想ラインを確認する

自己採点後は、足切り予想ラインも確認しておきましょう。

各予備校が公表する足切り予想ラインを確認すれば、同大学を受験する学生の平均点や自身の立ち位置を把握できます。

そして、足切り予想ラインには各予備校で差がみられることもあるので、複数のデータを参考にするのが良いでしょう。

足切り予想ラインを有効活用して、最終的に出願する大学を決めてください。

合格率の目安となるのは共通テストのボーダー

「足切り」と「ボーダー」は混同されやすい用語ですが、厳密には異なります。

足切りは先にも述べたとおり、求められる基準点に達していない受験生に二次試験の受験資格を与えない「制度」です。

一方、ボーダーとは合格者と不合格者の数が同じになる「点数」のことです。受験合格率が50%以上になるラインとも説明できます。

ボーダーを超える点数を獲ったからと言って必ず合格できるとは限りませんが、その場合はある程度気持ちに余裕を持って二次試験に臨めるでしょう。

反対に、ボーダーより低い点数であっても二次試験で挽回すれば合格できるケースもあります。

そのため、ボーダー自体が合否を完全に左右するというわけではありません。

しかし、ボーダーは自分の合格率を把握するための目安として有効な指標になることは間違いないのです。

共通テストのボーダーの活用方法

では、共通テストのボーダーはどのように活用すれば良いのでしょうか。

最初にボーダーを活用するタイミングは、共通テスト受験前です。

共通テストを受ける前にボーダーを確認して、自分が獲るべき点数を把握しましょう!

ボーダーを越える得点率を獲れれば、「二次試験で挽回しない限り、もう後がない」というプレッシャーを感じずに済みます。

共通テストは、決して満点を獲ることを求められているわけではありません。

「自分はこれくらいの点数が獲れれば大丈夫」というイメージを持つだけでも、安心にもつながるのです。

次にボーダーを活用するタイミングは、共通テスト受験後です。

共通テスト受験後は自己採点を終えたら最終的な出願校を決めることになりますが、ボーダーと自分の点数を比較することで、ある程度合格の見込みがある大学が見えてきます。

共通テスト終了後は、ボーダーを確認して有効活用しましょう。

ボーダーは共通テスト前・共通テスト後どちらのタイミングでも有効活用できるのです。

共通テストのボーダーを活用する際の注意点

共通テストのボーダーを活用する際は、下記の注意点も意識してください。

あくまでも目安として利用する

ボーダーは、あくまでも目安として利用しましょう。

なぜならボーダーは、前年度の結果をもとに出した数字だからです。

例えば、前年と今年の難易度が大きく違っていれば、目安の数値としてはあまり意味をなさないのです。

そのため、1年分のボーダーを過信するのではなく、少なくとも複数年のものを確認してください。

共通テストより二次試験を重視する大学もある

また、共通テストより二次試験を重視する大学もあります。

その場合は、共通テストの結果がボーダーラインより下でも、志望校への出願をあきらめずに二次試験で挽回し合格を勝ち取れるケースもみられます。

したがって、ボーダーを絶対的な基準として見るのは、かえって良くないこともあるのです。

自分の志望校が二次試験の配点比率を高めに設定しているのであれば、共通テストの結果がボーダーを下回っていても、出願校を変えない選択をしても良いでしょう。

特に、明確に志望校を決めてその大学の二次試験対策に力を入れてきた人は、その選択がおすすめです。

もし出願校を変えるとなれば、変更先の大学に合わせた二次試験対策を一から始めることになり、本番で高得点を出すのが難しくなることも予想されます。

二次試験のことまで含め総合的に判断しながら、受験と向き合いましょう。

自己採点は正確に実施しよう

ここまでは足切り制度やボーダーについて説明してきましたが、「共通テストの自己採点を正確に行うこと」の重要性も意識してください。

共通テストの正式な結果が出るのは4月以降になります。したがって、受験時に共通テストの結果を把握する手段は、自己採点しかありません。

共通テスト後にボーダーを確認する際も、正確な自己採点の点数と比較することで自分が出願すべき大学を正しく選べます。

反対に、自己採点の点数を正しく出せなければ出願先選びで失敗してしまうかもしれません。

こちらの記事は、共通テストの自己採点についても詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

難関国公立大学を目指す受験生は、足切りされないために共通テストの対策をしっかり行う必要があります。

そして、ボーダーは共通テストの目標点数をイメージする際や志望校最終決定の際に役立てられます。

しかし、「あくまでも目安であること」も同時に意識しながら利用しましょう。

また、共通テスト終了後は正確な自己採点をすることも重要です。

最終的に出願校を決定する際も、正確な自己採点の結果なくしてはミスマッチを起こしてしまう可能性があります。

本記事で紹介した「足切り」は受験生に大きなプレッシャーを与える制度ですが、共通テストの対策を入念に行うことで回避できる可能性は高まります。

二次試験の対策だけに力を注ぎたくなることもあるでしょうが、共通テストも侮らずに対策をしてください。

ライター
ドーミーラボ編集部

「夢中になれる学生生活」を探求するウエブマガジンです。進学や進路のあり方、充実した学生生活をおくるために実践できる知恵やヒントを発信していきます。