共通テストの平均点や難易度はどれくらい?自己採点に役立つツールも紹介
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共通テストの平均点データ
まず、これまで実施された共通テストの平均点データはどのようになっているのでしょうか。
下記の表は、すべての科目を100点満点としたときの平均点です。
教科 | 科目 | 2021年平均点 | 2022年平均点 | 2023年平均点 |
国語 | 国語 | 58.75 | 55.13 | 52.87 |
地理歴史 | 地理A | 59.98 | 51.62 | 55.19 |
地理B | 60.06 | 58.99 | 60.46 | |
日本史A | 49.57 | 40.97 | 45.38 | |
日本史B | 64.26 | 52.81 | 59.75 | |
世界史A | 46.14 | 48.10 | 36.32 | |
世界史B | 63.49 | 65.83 | 58.43 | |
公民 | 現代社会 | 58.40 | 60.84 | 59.46 |
政治・経済 | 57.03 | 56.77 | 50.96 | |
倫理 | 71.96 | 63.29 | 59.02 | |
倫理、政治・経済 | 69.26 | 69.73 | 60.59 | |
数学 | 数学I | 39.11 | 21.89 | 37.84 |
数学I・A | 57.68 | 37.96 | 55.65 | |
数学II | 39.51 | 34.41 | 37.65 | |
数学II・B | 59.93 | 43.06 | 61.48 | |
簿記・会計 | 49.90 | 51.83 | 50.80 | |
情報関係基礎 | 61.19 | 57.61 | 60.68 | |
理科 | 物理基礎 | 75.10 | 60.80 | 56.38 |
化学基礎 | 49.30 | 55.46 | 58.84 | |
生物基礎 | 58.34 | 47.80 | 49.32 | |
地学基礎 | 67.04 | 70.94 | 70.06 | |
物理 | 62.36 | 60.72 | 63.39 | |
化学 | 57.59 | 47.63 | 54.01 | |
生物 | 72.64 | 48.81 | 48.46 | |
地学 | 46.65 | 52.72 | 49.85 | |
外国語 | 英語(リーディング) | 58.80 | 61.80 | 53.81 |
英語(リスニング) | 56.16 | 59.45 | 62.35 | |
ドイツ語 | 59.62 | 62.13 | 61.90 | |
フランス語 | 64.84 | 56.87 | 65.86 | |
中国語 | 80.17 | 82.39 | 81.38 | |
韓国語 | 72.43 | 72.33 | 79.25 |
出典:受験者数・平均点の推移(本試験)大学入学共通テスト (大学入試センター)
共通テストの難易度
共通テストの難易度について、説明します。
平均点は50点になるように設定されている
前提として、共通テストは受験生の平均点が50点になるように考慮して作成されます。
一方、センター試験のときは平均点が60点になるように設定されていました。
共通テストでは、単なる暗記では太刀打ちできない問題が増加しています。
また、2021年に始まったばかりの共通テストは実際の過去問も少なく「対策が難しい」と感じている人も多くみられます。
そのような背景もあり一概には言えないものの、共通テストはセンター試験よりも難化しているという見解が示されています。
今後は実施回数を重ねるごとに、難易度も徐々に安定していくでしょう。
また、共通テストとセンター試験との違いについてより詳しく把握したい方は、こちらの記事もご覧ください。
2022年実施の共通テストの難易度
では、実際に平均点でみる場合、共通テストの難易度はどうでしょうか。
センター試験では初回の平均点が高く、2回目の際に前年より平均点がダウンした科目が多かったため、「共通テストも2回目が難化するのでは?」という予想がありました。
実際に、2022年に実施された2回目の共通テストは、多くの受験関係者が「予想以上の下げ幅(難化)だった」と口を揃えています。
特に、「数学」の平均点が大きく下がりました。
2023年の数学の平均点は2022年に比べて、数学Iが-17.22点、数学I・数学Aが-19.72点、数学II・Bが-16.87点となっています。
他にも、地理Aが-8.36点、日本史Aが-8.6点、日本史Bが-11.45点、倫理が-8.67点、物理基礎-14.3点、化学-9.96点など、前年より平均点が下がり難化した科目が散見されます。
反対に、平均点の上昇が顕著だったのは世界史Aで、2023年の平均点は2022年よりも+19.69点となりました。
2023年実施の共通テストの難易度
2022年は大幅に平均点がダウンした数学ですが、2023年は驚くほど上がりました。
2023年の平均点は2022年より数学Ⅰは+15.95点、数学Ⅰ・Aは+17.69点、数学II・Bは+18.42点となっています。
一方で平均点がダウンした科目もみられ、例えば、倫理、政治・経済が-9.14点、英語リーディングが-7.99点、世界史Bは-7.4点でした。
ただし、2021年~2023年の3回で平均点の変動が少ない科目もあります。
例えば、地理B、地学基礎、物理、中国語は3回にわたって大きな変動幅はありません。
現時点で共通テストの難易度について確実なことは言えませんが、2024年に受験をする方も、センター試験や過去の共通テストより難易度が高いことを想定して対策をしておくのが無難です。
共通テストでは思考力や読解力が求められることは明確なので、共通テスト独自の対策を行い、出題形式に慣れておきましょう。
共通テストの自己採点を行うべき理由
次に、共通テストの自己採点を行うべき理由を解説します。
足切りラインを超えているか確認するため
はじめに、足切りラインを超えているか確認するためです。
足切りとは、共通テストの得点率が基準を超えていない受験生が二次試験の受験を門前払いされる制度のことです。
ここで、「そもそもなぜ、足切り制度があるの?」と思う方もいるでしょう。
その理由は、あらかじめ二次試験の受験生数を絞って、大学側の採点にかかる負荷を軽減するためです。
この足切り制度は、主に国立大学で採用されています。
国立大学を志望する受験生は、自分の点数と足切り点を比較して二次試験を受けられるか判断する必要があるので、自己採点をすることは欠かせません。
また、足切りについてさらに詳しく解説しているのはこちらの記事になります。
あわせてぜひご確認ください。
志望校の最終決定にも役立てられるため
また、志望校の最終決定にも役立てられるためです。
共通テストは、学力分布が反映されるような試験内容になっているので、自己採点をすればその結果から全体の中での自分の立ち位置を把握できます。
そこで、共通テストの結果が良かったら志望校を受ける、結果が芳しくなかったら志望校を変えて受験する、という対応ができます。
私立大学の共通テスト利用も視野に入れられるため
そして、私立大学の共通テスト利用も視野に入れられるためです。
共通テスト利用とは、主に私立大学が採用している「共通テストの得点で合否が決まる入試制度」です。
もし、共通テストの成績が合格基準を満たしていれば個別入試を受験することなく大学合格を勝ち取れます。
自分の点数を把握しておくと、共通テスト利用での合格見込みがある私立大学に出願できるので、やはり自己採点は重要になるのです。
共通テストの自己採点を行う際の注意点
ここでは、共通テストの自己採点を行う際の注意点を紹介します。
自己採点は1日目ではなく2日目の終了直後に行う
自己採点は、1日目ではなく2日目の終了直後に実施してください。
結果が気になり1日目に自己採点をしたくなるかもしれませんが、もし点数が悪かった場合は、落ち込んでしまいます。
そのような状態で2日目の共通テストに臨んだ場合は、自信のなさから本来の実力を発揮できなくなるでしょう。
1日目に自己採点をしてネガティブな気持ちになるくらいなら、少しでも2日目の対策をした方が有効です。
2日目の終了後は、帰宅したあとすぐに自己採点をしてください。
万が一、問題用紙に自分の回答をメモできていない箇所があってもその日なら思い出せるかもしれません。
できるだけ正確な点数を出すためには、このタイミングでの自己採点が大切です。
自己採点は2回以上実施する
自己採点は、必ず2回以上実施しましょう。
1回きりの自己採点では、採点や計算をミスしている可能性があります。
「正確に採点した」と思える場合でも、見直しのつもりで最低2回は試してください。
自己採点は、できるだけ正確な点数を把握するために行うものです。
誤差があればあるほど、今後の受験にも影響を及ぼすことを意識しましょう。
解答速報のみに頼らない
各社から出される解答速報のみに頼らないことも重要です。
もちろん、基本的に信用して構いませんが、稀に解答速報にも配点ミスがあります。
そのため、念押しで共通テストの翌朝の新聞を見てもう一度採点すると、より確実性が高まります。
共通テストの自己採点に役立つサイト
では最後に、共通テストの自己採点に役立つサイトを紹介します。
下記の大手予備校によるサイトは自分の回答を入力するだけで自動採点ができます。
また、受験者の自己採点結果と志望校を集計したうえで各大学のボーダーラインを発表しています。
共通テスト終了後は、ぜひ活用しましょう!
東進ハイスクール
東進ハイスクールのサイトは、自己採点をした後に私立大学の共通テスト利用入試の判定も出せます。
また、解答が出るまでのスピードが非常に速いことが特徴です。
さらに、新高2・新高3の学生を対象に科目ごとのアドバイスも掲載しているので、今後共通テストを受ける高校生も情報を得る目的で活用するのがおすすめです。
データネット(駿台・ベネッセ)
ベネッセコーポレーションと駿台予備校による大学受験情報サイト「データネット」の自己採点ツールです。
2021年度は大学入学共通テスト受験者の約8割が参加した実績があります。
河合塾共通テストサーチ
河合塾共通テストサーチは、毎年全国の8割もの受験生が参加する大規模サイトです。
全国で最大規模となる母集団をもとに志望動向の分析が行われているのが、特徴です。
また、国公立大学、私立大学の共通テスト利用の出願校検討で利用できる個人成績表も返却してもらえます。
朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタルは、朝日新聞社のニュースサイトです。
こちらでは、予備校の東進ハイスクールと協力したうえ、問題の分析や配点が掲載されています。
共通テストの自動採点も実施できるので、各予備校のサイトが混み合っていてアクセスしづらい場合は積極的に活用しましょう。
まとめ
共通テストの歴史はまだ浅いですが、今後過去問が蓄積されるにつれて出題傾向や難易度もより明確になっていくでしょう。
共通テストではセンター試験のときよりも思考力や判断力が要になり、センター試験とは異なる難しさがあります。
共通テストを受験したら、2日目の試験終了直後に自己採点を行ってください。
自己採点の結果は志望校決定の際に重要なものとなります。
そして、自己採点を行う際はできるだけ正確な点数を出すことを心掛けましょう。
自己採点をする際は本記事で紹介したサイトも活用し、スムーズに志望校の決定ができるような環境を整えてください。