賢く進学費用を計画する方法:奨学金制度と国の教育ローンの活用ガイドを5分で解説!
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教育費用は家計に大きな負担となることがありますが、幸いなことに様々な支援制度が存在します。お金の問題で夢を諦める必要はありません。奨学金制度や国の教育ローンを上手に活用しましょう。
目次
そもそも奨学金制度とは
奨学金制度は、学生が経済的な理由で学業を継続できない場合に、国や自治体、民間団体などから無利子や低利子で貸与される制度です。
奨学金には返済義務のある「貸与型」と、返済義務のない「給付型」があります。貸与型は卒業後に一定期間内に返済する必要がありますが、給付型は成績や所得などの条件を満たせば返済する必要がありません。
(1)日本学生支援機構の奨学金制度
最もポピュラーな奨学金制度は日本学生支援機構の奨学金です。
給付型と貸与型の二種類があります。給付型は家庭の経済状況や学業成績に基づいて選考されます。貸与型には収入や学業基準を満たす必要があり、第一種は無利息、第二種は利息を付けて返済されます。第一種と第二種を併用して借りることも可能ですが、返済も同時に始まるため負担が重くなります。予約採用と在学採用では収入基準が異なり、在学採用の方が緩やかです。奨学金の振込は予約採用では5月、在学採用では7月に行われますが、これらの振込は入学にかかる費用には利用できません。
日本学生支援機構(JASSO)ウェブサイト:https://www.jasso.go.jp
(2)学校独自の奨学金制度
多くの大学・短大・専門学校は独自の奨学金制度を設けています。
「給付型」の制度が多く用意されており、入試と連動した奨学金制度や、入学前に分かる予約型の奨学金制度などがあります。奨学金を活用する場合は、必ず希望の学校の制度を事前に詳しく調べましょう。
(3)地方自治体の奨学金
地方自治体の奨学金は、都道府県や市町村などの地方公共団体が、学費や生活費の支援を目的として、学生に対して無利子または低利で貸与する制度です。
ほとんどの場合、または保護者がその地方自治体に居住していること、またはその地方自治体の出身であることが条件となります。ただし、日本学生支援機構や他の奨学金との併用が認められない場合もあります。
(4)福祉・医療分野の奨学金(修学資金)
この制度は福祉系・医療系の国家資格取得を目指す人を支援するもので、指定の養成機関に進学した人が対象です。卒業後、原則として、貸与を受けた地方自治体が指定する機関で所定期間以上勤務すれば、貸与された学費は免除されます。
(5)民間団体の奨学金
企業や民間団体も多くの奨学金制度を提供しています。
申し込みはほとんどの場合、進学後に学校を通じて行います。給付型の制度が多く、採用人数は少なく基準も高く設定されています。
(6)国の教育ローン
国の教育ローンは、日本政策金融公庫が提供する教育資金の貸付制度です。
固定金利で最長18年の長期返済が可能で、ご家庭の状況に応じて金利や保証料の優遇措置もあります。この制度の利点は、入学前に入試費用や入学金、授業料などを用意できることです。
受験料や入学金、初年度の最低納入金、新生活のための費用、アルバイトや奨学金支給までの不足分までの費用をカバーすることができます。手続きには時間がかかるため、必要な時期の2か月前までに申し込みを行う必要があります。インターネットで24時間いつでも申し込みが可能です。
日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)に関する情報は、こちらのウェブサイトで確認できます:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html
日本学生支援機構の奨学金貸与型と教育ローンの比較
奨学金貸与型(予約採用) | 教育ローン | |
申込時期 | 第一種奨学金:高校3年時 春 第二種奨学金:高校3年時 春・秋 | 合格前から申し込み可能。在籍中いつでも利用できる |
申込先 | 在籍している高校 | 日本政策金融公庫 |
申込者 | 学生本人 | 保護者 |
入金時期 | 入学年度の5月から | 審査を含めて14日~1カ月程度 |
返済開始時期 | 大学・短大・専門学校卒業後 6か月後から | 大学・短大・専門学校入学月から ※在籍期間は元金据置の措置もあり |
資金の受取り方 | 毎月一定額 | 1年分まとめて |
利用可能額 | 第一種奨学金: 学校種別、自宅・自宅外で金額が異なる 例)私大・自宅外 64,000円 第二種奨学金: 2万円~12万円 | 学生一人当たり350万円以内 |
入学前の支払い | × | ○ |
入学後の支払い | ○ | ○ |
資金計画の立て方
ここまで、代表的な奨学金制度の概要や違いについてご紹介しましたが、最後に、資金計画の立て方をご説明します。
まずは「いつ」「いくらいるか」を把握しましょう
まずは、必要な金額とそのタイミングを正確に把握しましょう。入試の種類によって支払い時期も異なります。例えば、AO入試や推薦入試で合格した場合、入学金の支払いだけでなく、初年度納入金の支払いが12月までに必要になることもあります。
ここでは、大学一般入試の場合の資金計画の手順をご紹介します。
資金計画の手順(一般入試の例)
- 4年間の生活費を含めた総額を調べる。
- 家計から捻出できる費用を把握する。
- 日本学生支援機構の奨学金(予約型)(5月)に申請する。
- 入学前予約型奨学金制度(11月)に申請する。
- 国の教育ローン(必要時の2か月前までに)に申請する。
これらの手順を順番に進めていくことで、より具体的な資金計画を立てることができます。
最後に
将来の教育のために資金計画を立てることは重要ですが、お金の問題で夢を諦める必要はありません。奨学金制度や教育ローンを上手に活用し、自身の目標に向かって進学するための財政的なサポートを受けましょう。計画を立てる際には、家族や学校のカウンセラー、専門のアドバイザーと相談することもおすすめです。適切なサポートを受けながら、将来の夢に向かって頑張ってください。
筆者プロフィール
秋吉 美和(あきよし みわ)
有限会社オールバーグ 取締役
進路アドバイザー、ファイナンシャル・プランナー、
キャリアカウンセラー。
福岡を拠点に、これまで延べ1万人以上の高校生・保護者に、進路選択、マネープランについて講演を実施。娘を福岡から東京の大学に進学させた実体験をもとに、親・本人それぞれの悩みに寄り添ったアドバイスを行っている。
http://www.orbague.com