進学費用はいくらかかる?賢い計画をするには?|大学・専門学校の進学費用の全貌、見逃せないポイントを専門家が解説。
⏱この記事は約5分で読めます
大学や専門学校に進学するとなると、心配になるのはお金の問題。
卒業までに必要な学費は、国立大学で約243万円、私立(文系)約434万円、私立(理系)約593万円、短期大学(2年生)約230万円、専門学校(2年生)約233万円かかると見込まれます。
いつ、どのくらい費用がかかるのかを正確に把握することから始めましょう。
目次
- 受験にかかる費用:制度調査と納入期限チェックが重要!
- 入学前後かかる費用:期日を確認し、早期の準備が必要!
- 新生活を始めるまでにかかる費用:見落としがちなのは教科書・教材代!
- 一人暮らしに必要な月間生活費は?:全体像と調達方法
- 学費・生活費以外の在学中にかかった費用(体験談)
- 最後に:親子で進学費用の計画を立てましょう
受験にかかる費用:制度調査と納入期限チェックが重要!
進学に当たってまず必要になるのは受験に関わるお金です。
受験料はもちろん、受験地が遠方の場合は、会場までの交通費、宿泊費も必要です。
一般受験で、遠方の場合の費用の合計は約23万円前後。学外入試・地方入試、複数受験する場合は受験料を割引する制度もあります。
志望する学校にどのような制度があるかしっかりと調べておきましょう。
そして、忘れてはならないのは、保険の(すべり止め)大学への入学金。
他の大学に合格しても、この入学金は返金されません。
私立大学の入学金は25万円前後。納入期限をしっかり確認しておきましょう。
入学前後かかる費用:期日を確認し、早期の準備が必要!
合格証書をもらったら、大体2週間以内に入学金の納付をします。
さらに、入学前に初年度納付金約6~7割(後期授業料を引いたもの)を収める必要があります。
入学前の手続きにかかる費用は100万円程度。これを期限内に納めないと入学できません。
一般選抜では、2月~3月、総合選抜や学校推薦選抜で入学する場合は、高校3年生の秋に納めるのが一般的です。合格発表日と入学手続き日・納付期限を確かめ、早めに準備しておきましょう。
新生活を始めるまでにかかる費用:見落としがちなのは教科書・教材代!
自宅を出て一人暮らしを始めるには、様々な経費が必要です。
自宅から遠くに進学する場合の初期費用(アパートの敷金や生活用品の購入費)は約38万円と見込まれます。
新生活を始めるには、次のような費用が必要です。
●住まい探しの費用
交通費/宿泊費・滞在費/敷金・礼金・入館金/仲介手数料/前家賃や日割り分など
●新生活用品購入費用
寝具/家具/家電用品/自炊用品/日用雑貨・自転車・その他/衣類(スーツ・鞄・靴)や身の周りの小物/常備薬/化粧品など
●その他の費用
引っ越し代・荷物の送料/4月分の生活費/予備の貯金/保険料/生協出資金/お礼・お祝い返しなど
●教科書・教材購入費用
パソコン/教科書・教材/電子辞書など
特に注意が必要なのは、教科書・教材代です。学部によってこの金額は大きく異なります。資料などをダウンロードしてくることとあれば、パソコンだけではなくプリンターも必要となります。
一人暮らしに必要な月間生活費は?:全体像と調達方法
一人暮らしでは、家賃のほかに、電気代、水道代、ガス代、インターネット使用料、携帯電話使用料、交際費、食費、交通費、教材費などがかかります。
部活やサークルに加入すれば新しい友達と出かけることも多くなり、交際費も増えるでしょう。
支出の合計は約12万~15万円程度。仕送りの平均が7万円~9万円。
不足分を奨学金、アルバイトで補っています。
学費・生活費以外の在学中にかかった費用(体験談)
学費、生活費の他にも在学中にまとまった出費が生じることがあります。
実際の体験談を元に一例をご紹介します。
① 帰省費用
アルバイトやゼミの都合で早めに予定を決めるのが難しく、飛行機の正規運賃で帰省することもあるようです。
② ゼミ旅行
「ゼミでシンガポール行くことが決まったから、今週中に20万円振り込んで」という電話があると慌てます。
③ 免許取得
「新潟に友達と合宿で免許を取りに行く」と、女性割・早割・3人割などで26万円程度かかりました。
④ 成人式
後期試験があるので成人式には出席できないため、写真館で写真を撮りました。着物レンタル含めて約15万円かかりました。
⑤ 就職にかかる費用
スーツ、証明写真、交通費などの就活費用は平均10万円程度。コロナ禍でオンライン面接が増えたこともあり、この費用は減少しています。
卒業後の転居費用についても注意が必要です。学生向けアパートの場合、3月20日までの退去が必要となるため、就職先が決まらない場合一時的にトランクルームを利用することになるでしょう。卒業式の日取りによっては一時的に住む場所がなくなる場合もあります。
⑥ その他の費用
1年次の最初は、ホームシックになったり、病気になったりと、様子を見に行くこともありました。マンションの鍵にいたずらされたこともありました。遠くにいると、様子もわからず急な対応ができないため、交通費などの費用がかかりました。
最後に:親子で進学費用の計画を立てましょう
子どもが希望する道に進めるようにサポートするのが親の役割です。
しかし、お金には限りがあり、手持ち資金を全て出してしまうと、自分たちの老後の生活に影響が出てしまいます。親のライフプランと子供のライフプランの両方を立ててみましょう。
子どもが大学や専門学校に進学するためには、どのくらいのお金が必要かを知ることが第一歩です。
それぞれの項目をしっかりと計画し、自分たちがどのくらいの負担ができるのかを見極めましょう。そして、必要ならば奨学金や貯蓄、ローンなどの資金調達の方法も検討してみましょう。
筆者プロフィール
秋吉 美和(あきよし みわ)
有限会社オールバーグ 取締役
進路アドバイザー、ファイナンシャル・プランナー、
キャリアカウンセラー。
福岡を拠点に、これまで延べ1万人以上の高校生・保護者に、進路選択、マネープランについて講演を実施。娘を福岡から東京の大学に進学させた実体験をもとに、親・本人それぞれの悩みに寄り添ったアドバイスを行っている。
http://www.orbague.com