「大切なのはストレスに気づくこと」受験生のストレスマネジメント入門―目白大学新宿キャンパス学生相談室の公認心理師さんに聞きました。
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受験のストレスは誰にでもある。
受験生は、勉強や進路選択に伴うストレスにしばしば直面します。しかし、ストレスは必ずしも悪いものではありません。実際に、適度な緊張感としてのストレスは、成長において重要な刺激となり得ます。大切なのは、「ストレスに気付き、それを放置しない」ことです。これがストレスマネジメントが不可欠である理由です。
ストレスサインに早めに気づこう
では、どのようにすればストレスに気づけるのでしょうか。
まずは、身体の変調に気づくことが大切です。例えば、頭痛や腹痛はストレスのサインである場合が多いです。ただし、あまりに強い痛みや頻度が多い場合は身体の病気や心身症の可能性もあるので、ためらわずに専門家に相談することをお勧めします。
また、気分の変化にも注意が必要です。「イライラ」や「焦り」、「怒り」、「疲れ」などの感情は、ストレスのサインである可能性があります。こうした気分の変化を感じたら、早めの対処が必要な証しです。ストレスのサインは人によって異なるので、自分なりのストレスサインを見つけて、ケアしてあげるのがコツです。
それではここから、具体的に受験生が知っておきたいストレスマネジメントの基本を5つに分けてご紹介します。
ポイント1|睡眠時間を確保して集中力アップ
しっかりとした睡眠は、受験生活において基本です。睡眠不足は集中力の低下を引き起こし、健康にも影響を与えます。規則正しい生活リズムは、体内時計を整え、安定した精神状態を維持するのに役立ちます。
ポイント2|食事のリズムが受験の安定感を生む
睡眠同様に大切なのは「食事のリズム」を保つことです。不規則な食生活は、体調不良を引き起こしやすくなります。睡眠や食事を含めた生活リズムを維持することは、受験生活の安定感を高めます。
ポイント3|友人との交流でリフレッシュしよう
受験勉強に集中するあまり、人付き合いが疎かになりがちです。でも、部屋の空気がこもるように、心も同様にリフレッシュが必要です。「遊んではダメ」と自分に言い聞かせてしまう人もいるかもしれませんが、友人との会話は気分転換にもなるので、コミュニケーションを取る機会を持つことも心がけておきましょう。
ポイント4|アスリートのワザを取り入れる
受験生活はマラソンのようなものです。自分がランナーになった気分で、計画的なペース配分を意識し、早い段階からストレス対策を練ることで、受験直前の過度な緊張を防ぐことができます。日頃からストレスへの対処法を身につけて、自分のメンタルをうまくコントロールしてあげる。受験生は、これまでにない挑戦をしている、まさにアスリートです。アスリートが実践するマネジメント方法を取り入れるのも一つの方法です。
ポイント5|気分転換でストレス発散法を見つける
散歩や趣味活動など、気分転換を図ることはストレス対処法として効果的です。音楽を聴く、アロマを使う、深呼吸をするなど、自分に合った気分をリフレッシュさせる工夫を試してみてください。そして自己流のストレス対処法をぜひ身につけてください。
受験のストレスは誰もが経験するものです。だからこそ、過度なストレスを抱え込まずに済むよう、早期に気付き、適切な対処をしながら、ストレスと付き合っていくことが肝心です。この情報が受験生の皆さんの参考となり、少しでも負担を軽減する助けになればと思います。
監修・取材協力:目白大学新宿キャンパス学生相談室
目白大学新宿キャンパスの学生の、心理的な悩みや大学生活上における困りごとに対して、専門のカウンセラーが個別のサポートを提供する施設です。
「目白大学 学生相談室」公式ウェブサイト:https://www.mejiro.ac.jp/univ/campuslife/shinjuku/support/counselling/
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取材協力・監修/目白大学新宿キャンパス学生相談室
取材・撮影/西泰宏 文/静川泰平