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寮だから生まれる気づき、育まれる絆【立教大学総長×RA対談 #2】

寮だから生まれる気づき、育まれる絆【立教大学総長×RA対談 #2】
立教大学の国際交流寮である「RUID朝霞台」と「RUID志木」に住む現役学生3名と立教大学総長、そして学生寮を運営する共立メンテナンスの社長が、学生寮について、その存在意義から日々の生活に至るまで、カタいテーマも柔らかいテーマも徹底的に語りました。

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特集 立教大学総長×現役立教大生×共立メンテナンス社長 座談会
「学生寮の“ホント”を語りつくす」

第1話 進化する学生寮。大学にとって寮とは?
第2話 寮だから生まれる気づき、育まれる絆
第3話 ひとり暮らしだけれど、食堂にいけば誰かがいる安心感。
番外編 立教大学総長に聞いた!人生を豊かにするには?困難の乗り越え方とは?

コロナ禍で学内活動は減っても友人や仲間をつくる機会は寮にある

― コロナ禍でオンライン授業が中心の学生生活において、友人や仲間づくりについて不安はありましたか。

立教大学2年 斎藤さん(以下、斎藤) オンライン授業だけになって、どういう学生生活になるのか不安はありました。でも、寮主催のイベントがあり、出身地が同じ人と知り合って仲良くなれたのがよかったです。僕自身もRA(レジデント・アシスタント)になり、RAの活動を通じて先輩方とも仲良くなりました。

立教大学 コミュニティ福祉学部2年 斎藤さん(取材当時)

中村 実は2015年から、私たちが運営する学生寮ではRA(レジデント・アシスタント)という制度を導入し始めました。瀧田さん、斎藤さん、錦戸さんは、RUIDのRAなんです。

総長 RAには、どういう役割があるんですか。

立教大学2年 錦戸さん(以下、錦戸) 皆が住みやすい寮づくりです。

瀧田 寮生同士の交流を促進させたり、寮長・寮母さんと寮生をつなげたり、橋渡しをしたり。

斎藤 友人づくりの最初のきっかけとなる部分をサポートできる役割もあると思います。

中村 運営側の当社スタッフ(寮の寮長・寮母、本社のRA推進チーム)と寮生さんの間に入っていただいく形で、皆さんに活躍していただいています。現在は37か所の寮にRAがいて、月1回のオンラインミーティングでは、他大学の寮での成功事例、失敗事例を共有して、各寮で生まれたノウハウが蓄積されています。毎年開催している「RA活動報告会」は、大いに盛り上がります。

総長 他大学の学生さんとも交わりができると。どんな活動をしているのですか?

錦戸 RUID朝霞台にはRAは4人いて、寮生のニーズを聞きながら月1回程度、いろいろなイベントを開催します。例えば、新入生が入寮する4月はRUID履修相談会を行います。大学主催の履修相談会もありますが、やはり先輩から直接「この授業がお勧めだよ」という声を聞けると嬉しいですね。他にも、寮周辺のお店などを紹介しながら散歩するイベントや、七夕やハロウィンなど、季節のイベントもあります。

斎藤 RUID志木では、学校の話や恋愛あるあるの話など、皆が共有できるテーマを設定して、オンライン座談会もよく開催しています。オンラインでのゲーム大会も行いました。

中村 どうしてRAをやろうと思ったのですか。

錦戸 私はコロナ禍に入学しましたが、先輩のRAの皆さんが企画する姿がすごく楽しそうだったので、自分も参加して、大学生活に少し変化が起きるかなと思い、チャレンジしました。

総長 オンライン授業ばかりで学内の活動がほとんどなく、とりわけ今の2年生には申し訳ないと思っていたので、RA活動の話を聞いて少し安心しました。コロナ禍に、しかもご実家から離れて、それこそ人のつながりや家族のような交わりが寮で持てたというのは、感動ですね。

寝食を共にするからこそ生まれる気づき、育まれる絆

― 国際交流については、寮生活は文化的な背景などがあらわになって、お互いを知るよい機会になるかと思うのですが。

総長 その通りです。本来の学びはクラスの中だけで完結しません、生活の中にもあるんです。大学から帰って、授業はもちろん、政治や経済のこと、普段の気づきの話だとか、いろいろなテーマを仲間とディスカッションすることが、新たな気づきの出発になります。

だから寮が、学びには必要なんですね。オンライン授業でいいなら通信教育でも構わないとなってしまう。繰り返しになりますが、本来は大学で授業を受けて、寮でそれぞれの経験をシェアできるような環境が理想的なんです。

そして国際交流。まず海外の学生寮に、皆さんがひとりポツンといるのをイメージしてください。究極のマイノリティーを体験してみることが大切なんです。今まで自分が慣れ親しんできた文化や環境とは違う、異文化の中に放り込まれて、時には仲間に入り込めない疎外感や寂しさ、辛さを味わう。交換留学生たちは、これを日本社会の中で体験するんですね。このマイノリティー体験に思いを馳せてほしいんです。それこそが異文化交流の原点です。

例えば、国によっては宗教的背景などから食べられないものがありますね。食事の場面で、留学生が何かを残した時に「なぜ食べないんだろう?」と気づいて、そこに共感をして、行動する。皆さんはRAなので特別メニューがだせないかと寮母さんに提案するとかね。これは、すごい学びですよ。いわゆる下宿やアパート暮らしにはない点。寮だからこそです。

中村 他人のことを気づかう心が芽生えるということですね。コロナ禍で交換留学生の方は帰国されましたが、瀧田さんは4年生なので交流を体験されたのでは?

立教大学4年 瀧田さん以下、瀧田) 毎週金曜に食堂に集まって仲良くなった留学生がいます。今もSNSでつながっています。

総長 どこの国の方ですか。

瀧田 中国と韓国、ヨーロッパの友人もいます。

立教大学 法学部4年 瀧田さん(取材当時)

総長 素晴らしいですね。中国人・韓国人・欧米人などと括るのではなく、名前を持った一人の人格である個人と、お互いのファーストネームで呼び合う関係が、今もSNSなどを通して繋がっている。それが大事なんです。国境を越えて一生ものの友人と出会える。さらに将来、皆さんが海外に住む友人を訪ねて、そこで新たな出会いや発見が生まれる可能性もあります。

中村 やはり勉強だけで通じているのではなくて、生活の場を共有しているからこそと。

総長 同じ釜の飯ともいいますね。寝食を共にしたからこそのつながり。

瀧田 そうですね。学部も違うので、普通に学校に通っていたら多分交わることはなかったと思います。寮にいたからこその出会いですね。

中村 実は、そこにも工夫があります。国際交流寮を増やしている過程で分かってきたことですが、留学生と日本人の学生が半々だと、それぞれで固まってしまい、コミュニケーションの活性化に時間がかかるんです。そこで留学生と日本人の人数の割合が1:2くらいになると、コミュニケーションが活発に回り始めます。私たちが“国際交流寮”を運営するにあたっては、入寮者の募集時から、こうした視点も重視しています。

特集 立教大学総長×現役立教大生×共立メンテナンス社長 座談会
「学生寮の“ホント”を語りつくす」

第1話 進化する学生寮。大学にとって寮とは?
第2話 寮だから生まれる気づき、育まれる絆
第3話 ひとり暮らしだけれど、食堂にいけば誰かがいる安心感。
番外編 立教大学総長に聞いた!人生を豊かにするには?困難の乗り越え方とは?

ライター
学生会館ドーミー

学生会館「Dormy ドーミー」は、一人暮らしのスタートアップにぴったりな、学生向けのサービスアパートメント。学生の皆さんがやりたいことに夢中になれる環境とサービスを提供しています。全国に307棟展開、2万人を超える学生が利用しています。