私の大好きな寮母さん【RA学生編集部ブログ】東京大学専用 RUTIL井の頭公園I
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こんにちは、RUTIL井の頭公園Iの指原です。現在入寮2年目の大学生です。
こちらのドーミーラボでは学生生活に関する様々な情報を発信していますが、今回の記事では私の寮について紹介させて頂きます。なかでも当寮の一番の魅力である寮母さんにインタビューを行いましたので、お楽しみ下さい。
寮母さんというのは、寮に常駐し、管理や寮生のサポートに当たる方です。RUTIL 井の頭公園Iは40人ほどの女子寮で、各自の部屋は分かれていますが、食堂・お風呂・キッチンは共用となっています。東京大学をはじめとする大学生や、美容学校や美術学校に通う専門学生、そして仕事や留学で来日している中国・韓国・英語圏の方が住んでいます。
吉田 澄江さん
北海道ご出身。67歳。RUTIL井の頭公園Iの寮母となり3年目。
(指原)今日は主に寮母さんの良さに迫りたいという企画なので、色々と個人的なエピソードも伺いたいと思っています。よろしくお願いします。
寮母さんは、とにかく寮生を大事にしてくださり、こまめに話しかけてくださる明るい方です。英語がお得意でなくても積極的に留学生の方に話しかけてくださいますし、業者の方やパートさんとも仲が良くて素敵だなあと。私はその姿に感銘を受けて、人との関わり方を学びました。
寮母さんの現在の性格は、元からなのですか?
(寮母)いいや。昔は私も内向きだったんだけど、主人が教師をしていて、生徒と関わることが多くなって、馴れたという感じだね。部活の遠征とかも一緒について行ったり、学校の宿舎で学生の面倒をちょっと見たりしてたのよ。
(指原)そうなんですね。寮母さんが人生で大切にしていることはなんですか。
(寮母)やっぱり…人との出会いと縁。だから今にしても、いつも感謝の気持ちを忘れないでいたいなあって。今の年齢で元気で若い人相手に仕事できていて、ほんとによかったと思ってるんだよねえ。もともと一生専業主婦でと思ってたけど、主人が亡くなって、今思いもしなかった場所にいる。
(指原)大切にしていることが人との縁だっていう所が、寮母さんらしいです。自分でコントロールできることじゃないからこそ面白い視点ですね。旦那様のお話もされましたが、今にも繋がっていることは多いですか。
(寮母)私の場合はやっぱり結婚して大きく変わったかな。主人のお陰で、物事を深く考えられるようになった気がする。私はどちらかというと八方美人なタイプだったから、自分らしさを出していくことを彼に学んだ。今にして思えば、夫からもらった学びが生きてるなあって。この年齢で、(もちろん楽しいことばかりじゃないけど)このような場にいられることに感謝してる。
だから今の仕事で学生さんと関わっていても、主人のことを思い出すことが多いの。彼は時々生徒に厳しくしたり、どうしてその場で流さないで入り込むのか、と思うこともあったのよ。でも今色んな家庭で育ってきた素晴らしい学生さんたちをみてると、教育というものはその場限りのものじゃなくって、10-20年後に生きるものなんだなあって思うの。ああ、主人はそのことを意識しながら教師をしてたんだなって。私の場合はやっぱり叱るというよりは、気軽に話して寄り添ってっていう感じでやっているけど。
(指原)寮母さんはその部分がとてもお上手で、寮生に安心感を与えてくださっているので、ぜひその感じでいてください笑 旦那様から、生徒と向き合うことだったりを学ばれたんですね。
寮母という立場だと、それこそどれくらい学生の生活に立ち入るか迷われると思います。寮母さんはその塩梅がとてもお上手だと思うのですが、そこは共立メンテナンス(会社)とのやりとりや実務をする中でどのように調整されてるんですか?
(寮母)そうね、ニュースでパワハラの話とか聞くじゃない?どこまで生徒の私生活に踏み込むのか迷うのよねえ。うん、難しいわねえ。問題になっていることばかり聞かされるけど、それだけじゃないものね。私も最初の1年は業務以外はあまり学生に立ち入らないようにしてたの。でも、嬉しかったのは、半年くらいしか一緒にいなかった留学生が退寮の時に「寮母さん、ハグしていいですか」って言ってくれたことがあって。その時に、「ああ、やっぱりこうだよね」と思って。
だから今は寮生に、今日がどんな一日だったの、とか、最近は大丈夫、とかを聞いてる。
(指原)それに救われている寮生は私を含めて本当に多いと思います。普段は各自部屋があって生活があってプライバシーは十分確保されているんですよね。寮で他人と接する時間はわずかな訳ですが、完全なマンションじゃないという点で、食堂で寮生と喋ったり、寮母さんに挨拶する時間があることで、結構元気になる人も多いと思います。特にこのコロナ禍では、寮生の仲も深まっていると思います。
(寮母)普段は部屋に入れば孤独感なんかも自分でコントロールしているのかなあって想像してるんだけど、そこはどうなの?
(指原)私の上京して一番の学びは、まさしく色んな暮らし方、生き方があるんだなという所です。例えば私は、どうしようもなくすべてが面倒くさくなって、一日パジャマで動画見て暴飲暴食して自己嫌悪に浸りながら夜を迎えることが定期的にあります。ですが寮生と話したり廊下ですれ違う中で、案外みんなも同じような生活だったりすると知るんです。「大丈夫、案外皆もだらしなく生きてる」「変わった生活習慣を持ってるのは自分だけじゃなかった、よかった」と安心します笑
人って外では着飾った自分を見せるじゃないですか。その分不安も大きいと思います。
あとは精神疾患については特にそのことの弊害を感じます。私たち学生って思っているよりも精神疾患を身近に抱えているんですよね。大げさでなくても、無性に寂しくなったり悩むことがあります。寮のどこからか泣き声が聞こえてきたら、自分も安心というか、そういう夜もあるよねとしみじみします。
そういえば、寮生も寮母さんには個人的な相談をしやすいということをよく聞きます。
(寮母)身体的・精神的な部分を担ってきている親御さんに代わることはもちろんできない。なんだけど精神的な部分なら、聞くだけになっちゃうけど、聞き役はできるかなってやってる。逆に学生さんは寮母に何を求めるものなの?
(指原)そこが絶妙でいいんですよね。友達でも家族でもない立場なので。友人や家族には話しづらい悩みを抱えたときに、寮母さんのような、人生の先輩?聞き役?当事者ではない方?がいると話しやすいです。
そうですね、私の場合はそのような寮母さんが理想だったので、本当に感謝しています。大好きです。あとは病気になった時に看病してくださるのも、有り難いという寮生が多いです。親が傍にいてあげられない分、感謝されていると思います。
(寮母)特に留学生はホームシックもあって体調を崩しやすいのよねえ。退寮の少し前に熱を出して、看病してたんだけど、「こんな寮母さんだったらもっと住めばよかった」と言ってくれた子がいて。その子は今でも手紙をくれたり寄ってくれるの。嬉しい。
(指原)色んな学生を観察していて、教育や家庭について考えることはあるんですか?笑
(寮母)もちろん私があの家庭はどうこうとか思うことはない。ただ自分の子育てを振り返って、皆さんを見ていると、私が自分の娘たちに抑えつけるような育て方をしてしまったなと反省している。でもそれはひとそれぞれだし、つまるところ教育に正解はないのね。
(指原)寮母さんから聞く娘さんのエピソードはどれも温かいですし、先日テレビ電話で寮母さんの娘さんとお孫さんとお喋りした時もとても素敵でした、そんなことはないと思います!でも本当に教育って正解がないですよね。
寮母さんにとって寮生ってどのような存在なんですか?
(寮母)我が子のように考えてしまうね。でも年齢はこちらが上だけど、教えられることも本当に多くて。
寮生とは1-2年の付き合いだけど。学生さんにとっての通過点でも、不安なく、なるべく楽しくすごしてほしい。だから個人の生活にはなるべく口出ししてない。そこは親御さんの責任と違う所ね笑 結局、プラスであれマイナスであれ、寮生活をしてみてよかったと思ってもらいたい。
(指原)色んな学生が生活してて、共用部も荒れたりしますが、迷惑に感じることはありませんか?
(寮母)それこそ色んな人が集まってる訳だから、そこら辺の管理も難しい所だよねえ。互いにストレスがたまらないように暮らせればいいかなって最低限思ってるけど。
(指原)私も半共同生活をする中で、改めて自分が当たり前だと思ってることを検討しなおしてみる必要があるんだなって気づきました。例えばトイレの壁に、「トイレットペーパーは流してください」という張り紙がありますよね。そっか、出身地によってはトイレットペーパーを流さないのが当たり前な文化もあるのか、ってなりました。そのような基本的な所から違いがあることを互いに認知して、学び合うことが重要だなと思います。日本人寮生の中でも、ゴミの処理なんかでまだ規則を守れていない人もいるので、RAとして周知していきたいと思います。いつも寮の環境を守ってくださってありがとうございます。
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- ライター
- ドーミーRA学生編集部
学生寮・学生会館内のコミュニケーションを活性化する、寮内リーダー「RA(レジデント・アシスタント)がリアルな学生生活をお伝えします。Instagramでは #RAライフ を発信しています。