大学受験当日に親は付き添うべき?親の役割や心得とは
しかし、試験会場まで付き添うことで、子どもにプレッシャーを与えてしまわないかと心配する保護者は少なくありません。
そこで今回は、大学受験当日に親が付き添うメリットや心構えについてお伝えします。大学受験生をもつ親御さんは、ぜひ参考にしてみてください。
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大学受験当日に親は付き添うべき?
まず、大学受験当日に親が付き添うべきかどうかについて考えてみましょう。
大学受験当日に親が付き添うかどうかは、子どもと親の関係性や状況によって異なります。
たとえば、以下のようなケースは、親の付き添った方が良いと判断できるでしょう。
- 子どもが不安や緊張を抱えている
- 試験会場が遠方で宿泊を伴う場合
- 公共交通機関の利用に慣れていない場合
- 体調がすぐれない場合
子どもが付き添いを希望している場合は、できる限り応じましょう。逆に、子どもが一人で行きたいと望む場合は、無理に付き添う必要はありません。
いずれの場合も、子どもの意見を尊重することが大切です。
ここで、親が付き添うことで、子どもにプレッシャーを与えてしまうのではないか?と心配される方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、心配な気持ちを言葉にしたり過度な干渉をしたりすることで、子どもの不安を煽りかねません。
しかし、適切なサポートを心がけることで、子どもは安心して試験に臨めるといえるでしょう。
受験当日に親が付き添いするメリット
では、大学受験に親が付き添うメリットを考えてみましょう。
心理的なサポート
もっとも大きなメリットが、子どもに心理的なサポートができる点です。
試験当日、受験生は緊張や不安でいっぱいです。親が付き添うことで緊張がほぐれ、精神的に安定した状態で試験に臨めるでしょう。
ただし、親が心理的にサポートする際は、以下のことに注意が必要です。
- 過度な期待をしない
- 必要以上に心配しない
- 励まし過ぎにも注意
大切なのは、子どもが落ち着いて過ごせるよう配慮することです。リラックスさせようとするあまり、積極的な関わりがプレッシャーになってしまう可能性があります。
子どもの状況をみて、適切な声がけを心がけてください。
物理的なサポート
親が物理的なサポートをすることで、子どもは余計な心配をすることなく試験に集中できるでしょう。
親ができる物理的なサポートとして、以下のようなことができます。
- 試験会場までの移動手段を確保する
- 遠方の場合は宿泊施設を手配する
- 昼食の準備をする
- 荷物をチェックする(筆記用具や受験票、時計、身分証明証など)
試験当日、会場周辺は混み合うことが予想されます。送迎する場合は、試験開始の1時間前までに到着していた方が心にゆとりを持てるものです。
また、出発前に試験に必要な持ち物を子どもと一緒に確認することで、万全な体制で試験に挑めるでしょう。
情報収集
試験に関する情報収集も、親が付き添う際のメリットの一つです。
試験時間や試験会場までのアクセス方法など、受験に関する情報収集は欠かせません。
把握するべき情報には、以下のようなものがあります。
- 試験会場までのアクセス
- 試験会場周辺の施設情報
- 昼食の場所
- 宿泊施設の情報
試験会場は、必ずしも志望する大学と同じ場所とは限りません。
事前に親が一緒に情報収集することで、子どもは余計な心配をすることなく試験に集中できるでしょう。
試験が終わるまで会場で親が待機する場合は、どこで待つのかも確認しておいてください。会場によっては、保護者用の控え室が設置されているところがあります。控え室の有無については、試験概要や大学ホームページに記載されていることが多いものです。事前に確認してみてください。
大学受験に親が付き添うデメリット
親が付き添うことで子どもの安心感につながる一方、いくつかのデメリットも存在します。
たとえば、次のようなものが挙げられます。
- 遠方の場合、交通費や宿泊費の費用がかさむ
- 子どものペースで行動できない場合がある
- 仕事や家事のスケジュール調整が必要になる
- 過度な声がけがかえってプレッシャーになることがある
親が同伴する場合、交通費や食事代、会場によっては宿泊費や飛行機代がかかることがあります。
先ほども申し上げたとおり、必ずしも付き添う必要はありません。子どもの状況や試験会場の場所によって判断するといいでしょう。
また、サポートし過ぎることで、情報収集や持ち物チェックを親に頼ってしまう可能性があります。
大学生活では、自分で課題を解決する能力が求められます。親が過度に介入してしまうと、自立心を身につける機会を奪いかねません。
なるべく子ども主体で進めるよう促しつつ、適度なサポートができるよう心がけてみてください。
大学受験に親が付き添う場合の心得
大学受験に親が付き添う際は、次のことを心がけるようにしましょう。
体調は万全に!サポートする側の管理は必須
付き添いをする場合は、親側も自己管理をしておくことが非常に重要です。
サポートする側の体調が優れず精神的な疲れがあると、子どもに心配をかけてしまいます。
試験当日だけでなく、日頃から自己管理を徹底する必要があるでしょう。
自己管理の方法としては、以下のようなものがあります。
- 十分な睡眠時間を確保する
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 適度な運動をする
- ストレスを溜めない
特に、親側のストレスマネジメントは非常に重要です。受験シーズンになると、子どもも親もピリピリしがち。親がストレスを溜めこんでしまうと、子どもとの関係性も悪くなってしまいます。心のケアを、意識してみてください。
親のストレス解消法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
宿泊を伴う場合は早めの予約を
宿泊を伴う場合に関しては、早めに確保する必要があります。
大学受験シーズンは、1月〜2月(大学入学共通テスト)、2月〜3月(二次試験)に宿泊施設の混雑が予想されます。
受験生だけでなく家族も宿泊施設を利用するため、早めに予約しないと会場周辺の宿泊施設が予約で埋まってしまう可能性があるでしょう。遅くても3ヶ月前、できれば半年前の予約をおすすめします。
早めに予約することで料金が安いプランを利用できるため、経済的な負担も軽減されるはずです。余裕があれば、2部屋予約して子どもが一人になれる環境を確保してあげてもよいかもしれません。
電車遅延!交通渋滞!トラブル発生時は冷静に対応すべし
移動に交通機関や自家用車を利用する場合、トラブル発生に対する冷静な判断力が求められます。
試験シーズンは冬に当たるため、雪による交通渋滞や交通機関の遅延が起きる可能性はゼロではありません。
万が一トラブルが生じた場合の、別の移動手段を考えておくといいでしょう。
親が焦ってしまうと、その不安が子どもに伝わってしまいます。あくまで冷静に対応するようにしてください。
試験を終えた子どもにねぎらいの声がけを
試験を終えた子どもは、ねぎらいの声がけが何よりの励みになるものです。
試験直後というのは、これまで毎日頑張ってきた勉強や不安から一気に解放される瞬間でしょう。
「お疲れさま、頑張ったね」「今日はゆっくり休んでね」といった言葉は、子どもにとって安心材料の一つになります。
ねぎらいの声をかける際は、以下の点に注意しましょう。
- 結果よりも頑張ってきた過程を褒める
- ポジティブな言葉を使う
- 穏やかな口調で話す
実力を出せたかどうかや試験の具体的な内容については、子どもから話してくるまでなるべく踏み込まないことも大事です。
努力を認め、心身共に休めるよう配慮しましょう。
大学受験当日に親が付き添うなら事前準備を徹底しよう
試験当日に親が付き添うことで、心理的・物理的共に子どもに安心感を与えられます。
親が同伴する際は、交通手段や試験会場での過ごし方など、事前の情報収集を確実にしておきましょう。
子どもにとって最適なサポートができるよう、日頃から良好な関係性を築いておくことも大切です。
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