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大袈裟だけど、 わたしのアイデンティティ。

大袈裟だけど、 わたしのアイデンティティ。
留学してみたいなという気持ちが湧いたとき、「国際交流寮」という選択肢が見つかった。
いま、そこでRAとして様々なイベントを積極的に仕掛けている理奈さん。
大阪から東京の大学に来た当初は、アパートでひとり暮らしをしていました。

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 大阪から東京の大学に来て、最初は普通にひとり暮らしをしていたんです。でも大学2年になって、「留学してみたいな」という気持ちが湧いてきました。
 でも、親に無理を言って東京の私立大学に通わせてもらっているし、たくさんお金がかかっているなと思うと、1年留学する費用を出して欲しいとは言えなかったんです。そこでいろいろと調べてみて、大学に「国際交流寮」というのがあると知りました。ここなら、いろんな国の人が暮らしていて、きっと留学に近い経験ができるんじゃないかと思ったんです。
 寮費も自分でアルバイトを頑張ればなんとかなりそうでしたし、ひとり暮らしから環境を変えたいという気持ちもありました。なんだか面白そうだなって感じていましたね。

不安は初日で消えた

 正直、不安もありました。私のように途中から入居する人はほとんどいないと思ったので、馴染めるか不安でした。ひとり暮らしなら、家に帰れば一人なので、プライバシーは守れますが、寮ではどうなんだろうと言うことも気懸かりでした。友達と学校でも、寮でも一緒だと、気を抜く暇がなくて疲れそうだなと思ってもいたんです。
 でも、入居した初日にドアをノックされたんです。それが、先輩のRAの方でした。「来週、イベントがあるんだけどこない?」って。明るい人で優しく声をかけてくれて、その一言で最初の不安は吹き飛びました。誘われたイベントは、日本人よりも留学生の方が多かったのですが、そんなことは関係なく、みんな気さくに声をかけてくれて、自然と仲良くなれました。それが私の初めての国際交流でした。
 二つ目の不安だったプライバシーの問題も、気にすることはなかったんです。寮の1~2Fが食堂などの共有スペースで、3F以上が個室になっていて、その気になれば個室に引き篭もってしまうこともできるんです。そういう意味でプライバシーは守られています。ただ、逆にいまでは、引き篭もってしまえることにも問題を感じています。だからRAとして、交流に積極的じゃない学生をどうすれば捲きこめるかということが最近の私のテーマです。

友だちの母国に行きたい

 最初に考えていた「留学するような体験」も出来ていると思います。いま寮にいる留学生は、中国や韓国、インドネシアなどのアジア各国、フランスやアメリカ、スペイン、オーストラリアなど、年によって変化はありますが、どこかの国や地域に偏るということが無いんです。留学すると一つの国に長く滞在しますが、こういう国際交流寮だと、いろんな国のことを知ることが出来る。そこはお得ですよね。
最近は、この寮で仲よくなった人の母国に行ってみたいという気持ちが出てきました。長くなくてもいいんです、一週間くらいでいいので、その国の空気を吸ってみたいなと思うようになりました。

やり遂げれば自信になる

 RAになったのは、入居した日に声を掛けてくれた先輩の影響が大きいです。心細かったときに勇気付けてくれた姿に、憧れたことと、せっかくの国際交流寮なのでもっと交流を活発にしたいと思ったんです。個人的には、大学生活を通して、「私はこれをやったんだ」という目標を持ちたかった。RAとしての仕事をやりとげたら、自信になると思ったんです。

知りたいから、学びたくなる

 国際交流寮にいると、この人のことをもっと知りたい、もっと話したいという気持ちが湧いて、英語を勉強したくなります。テストのための勉強ではなくて、お互いに解り合いたいという思いで勉強するんです。だから言葉で苦労しているという感覚は全くありません。英語の勉強が面白くなりましたし、「どう伝えようか」と考えるのが面白いです。

本音で付き合える仲間ができる

 毎日の生活も変わった気がします。アパートでひとり暮らしをしているときは、学校でもバイトでもサークルでも、自分を飾っていました。でもみんなと一緒に生活していると、髪の毛もボサボサで化粧もしてない状態で、一緒にご飯を食べていたりします。外見はどうでもよくて、中身をさらけだして付き合ってるんですね。それが一緒に暮らすという意味だと思うんです。腹が立ってもけんかをしても、明日も顔を合わせなければならない。

だって、同じところで一緒に住んでいるんです。だから本音で付き合うことができて、そういったことまでお互いにわかった友達ができる。逆に、落ちこんだときでも帰ったらみんながいて、喋っているうちにスッキリするなんてこともあります。それで「明日も頑張ろう」って思える。それは寮だからこそですよね。

大学生活最大の成果

 いま、3年生でそろそろ就職のことも意識しているんですが、就職活動って自分のことを見つめる必要がありますよね。そうしてみると、いまの私にとってRAってとても大きなものなんです。大袈裟に言えばアイデンティティにもなっていて、誇りだと言える。ただ漫然と毎日を過ごしてきたんじゃない、私はRAだって言える。これが自分の大学生活で一番の成果になると思えるんです。大学に入った頃はこんなことをやっているなんて想像もしていませんでしたが、本当に充実したやりがいがある毎日になっています。

いま温めている企画は、片言でいいから言葉じゃなくて、味で交流しようという「各国料理の持ち寄りパーティ」だそうだ。常にアイデアを考えているという。

※この記事は、2017年1月発行『BASE』vol.3の記事を転載・再編集したものです。
(写真:白浜哲、文:里田光彦 編集:西泰宏)

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ライター
『BASE』編集部

"HAVE A BASE"をテーマに、学生寮・学生会館を運営する共立メンテナンスの特任チームが編集・発行する不定期フリーマガジンです。大学や専門学校への進学、留学、就職や起業など、これまでに経験したことのない世界に飛び込もうとする方に役立つヒントを詰め込んでいます。