満足度95%のドーミーの食事、そのこだわりをメニュー開発チームに聞きました!(前編)
しかし、日本全国で学生寮を展開する学生会館ドーミーの食事は、毎年の寮生アンケート調査でNo.1の支持を得て、食事満足度は95%を誇っています。
今回は、普段は黒子に徹している、ドーミーの食を支えるメニュー開発部のスタッフに集まってもらい、ドーミーの食の舞台裏・こだわりについてじっくりと伺いました。
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インタビューにご協力いただいた、
株式会社共立メンテナンス フーズ本部 メニュー開発部の皆さま
Q.メニュー開発・食事提供において大事にしていることはなんですか?
ドーミーでは初めてひとり暮らしされる方が多いので、いわゆる「おふくろの味」を意識してメニュー開発を行っています。定番の家庭料理など、メニュー名からイメージしやすいものが中心ですが、料理にも流行がありますので、ふだんからアンテナを張って、新しいメニューも取り入れるようにしています。
家庭料理を中心としたコンセプトにしつつ、男性向けの献立はボリューム感・満腹感を重視しています。女性の場合はサラダやフルーツ、デザート類を多めに入るように組み立てています。
家庭料理が基本ですが、時代や世代によって好まれるメニューが変わってきているなと感じています。「ほうれん草のおひたし」「切り干し大根」などの定番メニューが、あまり手をつけられていないことがあったり。なので、常に現場からヒアリングして、人気があったメニューを組み込んだり、新メニューを取り入れたりしています。
アスリート向けメニューでは、ボリューム感を大切にしつつ、必要な栄養を網羅して摂取できるように、1食における基本的な食事のかたちを重視しています。アスリート寮の寮生さんは、毎日トレーニングをされている方が多いので、タンパク質がしっかりとれるように、主菜に加えて「ミニ主菜」をつける工夫もしています。
私は寮の現場に居ますので、選手たちの反応がすぐにわかります。年代ごとに好きな味付けも違ってくるので、みんなの食べる反応を思い出しながら、味付けを調整していってます。選手たちの練習の様子もほぼ毎日見ているので、「今日は練習きつそうだな」「疲れてそうだな」といった様子も見て、メニューを調整しています。
Q.飽きずに食べてもらうために工夫されていることはありますか?
旬のものや季節感を感じられる食材を積極的に取り入れています。ハロウィンやクリスマスなどのイベントメニューだったり、ご当地メニューや、アイディア料理コンテスト(※)で応募いただいたレシピを取り入れたりして、「同じような献立」にならないようにしています。
アスリートメニューは必要な栄養価が決まっているため、似たような食材を使いがちですが、組み合わせを工夫して飽きないようにしています。試合と重ならないタイミングではイベントメニューを企画しています。この前は、人気のファミレスメニューを再現したりとか。そういうお楽しみっぽいこともしていますね。
似ている味が1日のメニューに限らず、前後の日でも被らないようにしています。今日が味噌味だったら次の日はしょうゆ味にするとか、揚げ物だったら次は焼き物にするとか。豚・牛・鳥・魚なども交互に出すようにしています。
※アイディア料理コンテスト:共立メンテナンスで、毎年行われている新しい寮食メニューのコンテスト。「鶏肉を使った主菜」「免疫力アップどんぶり」など、毎年異なるテーマに沿って全国の社員・寮長・寮母からレシピを募集する。実際に調理・試食を行い、選定された料理は特別メニューとして全国のドーミーで提供される。
Q.アスリート向けの献立では、具体的にはどのような工夫や配慮をされていますか?
レシピを立てる上では、まずたんぱく源となる肉や魚などの食材と、ビタミン・ミネラルといった栄養価が全体的に不足しないように心がけて、バランスに気をつけています。
「早稲田大学ラグビー蹴球部」は当初から目標のエネルギーとタンパク質を設定しています。設定に合わせて美味しい献立を作成することと、必ず緑黄色野菜を含めたサラダをバイキング形式で取ってもらえるようにして、バランス良く全ての栄養素を摂れるように工夫しています。
Q.皆さんはそれぞれ担当が異なりますが、皆さん同士の関わりはどういったかたちなのでしょうか?
オフィスは同じなので、普段から交流は多いです。メニュー開発部は寮食チーム、受託・アスリートチームなど、いくつかのチームに分かれていますが、各チームの最近の献立などを全体で共有できるようにしています。チームのオススメや評判の良かったもの、これから出す予定の企画、こだわりポイントなどを情報交換しています。
Q.学生会館ドーミーでは、本部でメニュー開発と献立作成を行い、寮母さんが各寮で食事を提供されていますが、連携はどのように取っているのでしょうか?
新メニューや企画メニューの日には私たちもドーミーに出向き、一緒に調理をしたり、食べてくれた学生さんの意見を直接ヒアリングしたりしています。
また普段から、作業性や調理の難易度など、寮長・寮母さんからの意見も聞きながら献立に反映するようにしています。
献立を考える時にも、現場でスタッフが効率よく作れることに気を使っているのですが、やはり実際に現場で気づくこともたくさんあります。計算していたよりも工程が多くなっていて大変だったという時もありますし、逆にスムーズだったということも。やはり現場に足を運ぶことは大事だと思っています。
アスリートチームの場合は、やっぱり皆さん食べる量が多くて、その量をつくるには厨房のスペースがぎりぎりの場合もあるので、可能な限り作業工程を省けるよう気を使っています。だから現場との話し合いを密にするようにしていますね。
コロナ禍で、遠方の現場にはなかなか向かうことができない状況ですので、その分電話やオンラインでのヒアリングを増やしています。日々のメニューに関する意見を取り入れたり、改善案を一緒に話し合ったりしていますね。
続きは後編になります。是非、引き続き、ご覧くださいませ。