企業が奨学金の返済をサポート? “奨学金返還支援制度”について解説

最近は学費も物価の上昇により、「奨学金を借りないと進学は難しい」という人も増えてきています。
でも、奨学金には“返済が必要なもの”があることをご存じでしょうか?
「借りたはいいけど、ちゃんと返していけるかな…」と不安に感じる方も少なくないはず。
本記事では、そんな不安を少しでも軽くしてくれる「奨学金返還支援制度」という取り組みをご紹介します。
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この記事は奨学金に関する情報を発信する「奨学金バンク」とのタイアップです。
奨学金って、どのくらいの人が使っているの?
まずは、今どれくらいの学生が奨学金を使っているのかを見てみましょう。
日本学生支援機構(以下、JASSO)の「令和4年度学生生活調査」によると、全国の大学生のうち、奨学金利用者の割合は55.0%と、大学生の約2人に1人が奨学金を利用しています。平成16年には約41%であったことから、奨学金を利用する学生の割合が上昇していることがわかります。
そして、約7割が貸与型の奨学金を利用しており、1人あたりの平均借入総額は約313万円。これを卒業後に毎月コツコツ返済し、15年かけて完済するケースが一般的です。
このように、奨学金の利用者が伸びている背景としては、学費や物価の上昇、少子高齢化による社会保険料等の現役世代の負担増加、そして、賃金の伸び悩みが大きな理由であることが考えられます。
特に、近年学費は上昇傾向にあり、40年前にあたる昭和58年と令和5年を比較すると、国立大学が2.4倍、私立大学が1.8倍も上昇しているのです。
奨学金は、進学の夢を支える一方で、“卒業後に返済しなければならない”ため、「ちゃんと返せるのか不安だから借りるのは怖い…」と、借りることを悩む方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そんな中、少しでも返済負担を軽減し、若者の活躍を促すことを目的に、ある新しい取り組みが広がっています。
「奨学金返還支援制度」ってどんな制度?
この制度は、企業が従業員に代わって奨学金返還の一部または全額を肩代わりしてくれるというものです。
つまり、自分だけで返すのではなく、企業のサポートを受けられる仕組みです。

例えば、企業が月に1万円を支援してくれる場合、毎月の返済額が1万5000円の方であれば、自己負担は1/3の5000円の負担で済みます。
この制度は2021年にJASSOが開始し、約3年が経過した2024年10月末時点で、全国で2,587社が導入するなど、年々注目度が高まっています。
企業が返済を肩代わりする理由
「企業がそこまでしてくれるの!?」と思う方もいるかもしれません。
でも、少子高齢化が深刻になっている今、若い人材の確保が企業にとって非常に重要な課題となっているのです。そのため、若い世代が抱えている負担を少しでも軽減するために奨学金返還支援制度を導入し、優秀な人材との出会いにつなげたいと考える企業が増えているのです。
経済的・心理的な不安を取りのぞくことで、やりたい仕事やスキルアップのための勉強、ライフスタイルの変化にも思い切ってチャレンジできるようになります。結果として、従業員の成長が企業の成長にもつながる───。
このように、入社後のキャリアアップや資産形成にもつながる、“未来への投資”とも言える制度なのです。
【実例紹介】奨学金返還を支援している企業の声
この制度を導入している企業のひとつに、広島県で海運・造船事業を営む「ツネイシホールディングス」があります。

常石グループでは、「未来の価値を、いまつくる。」というグループスローガンを掲げ、採用と育成の両面から、企業の持続的な成長と発展を支える人材育成に力を入れており、その一環として、奨学金返還支援制度を導入しました。
具体的には、奨学金を返済している社員に対して月1万円を最低3年間支援するという内容です。
導入後、社員からは「毎月の返済が軽くなることは非常にありがたい」「生活面で大きな助けになっている」といった声が複数寄せられているそうです。
この取り組みによって、若手社員のエンゲージメント向上と新卒採用の強化にもつながっています。
🔗 詳しい事例はこちら:https://shogakukinbank.jp/interview/418/
【進路選び・就職活動のヒント】こういう制度、どうやって探す?
「支援してくれる会社に出会いたい」「安心して就職先を選びたい」と思ったら、ぜひチェックしてほしいのが奨学金バンクです。

奨学金バンクは、奨学金の返済に不安を持つ学生や返済中の若者と、それを支援したい企業をつなぐプラットフォームです。
全国の奨学金返還支援制度を導入している企業の情報や、奨学金に関する情報が掲載されており、就活中の学生はもちろん、進路を考え始めた高校生や保護者の方にとっても、役立つ情報がまとめられています。
「支援制度の存在を知って、進学に前向きになれた」
「助けてくれる会社があることを知って、大学での学びに集中できるようになった」
そんな声も多く届いています。
🔗 奨学金バンク公式サイト:https://shogakukinbank.jp/
【まとめ】知っていれば、選べる未来が広がる
奨学金の返済に不安を感じている人は、決して少なくありません。
でも、支えてくれる制度や会社があるということを知っているだけで、進学・就職の選択肢は大きく広がります。「奨学金があるから…」とあきらめかけていた夢も、“応援してくれる会社がある”ことで、実現できるかもしれません。
返済に対する不安な気持ちを一人で抱え込まず、まずは「知ること」から始めてみてください。
記事監修・寄稿
奨学金バンク代表 大野 順也
奨学金の返済に悩む学生・若者と、それを支援したい企業をつなぐプラットフォーム「奨学金バンク」を運営。奨学金制度の普及と若者のキャリア支援に取り組む。
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学生会館ドーミー ドーミーラボ編集部
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