【卒寮生インタビュー】毎日の練習を頑張れたのは、ここに帰る場所があったから。—冨田 諒香さん
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突然の上京、寮との出会い。
私が東京への進学を決めたのは、入学のギリギリ、3月でした。兵庫から東京へ。慌ただしく住まい探しをする中、両親と一緒にドーミー府中白糸台を見学しました。寮母さんとミーティングスペースでお話をした時、「ここなら安心できる」という直感がありました。その感覚は間違っていなかったと今でも思います。
大学生活の中心は体育会の応援団バトン・チアリーディング部でした。朝から夜まで練習漬けの毎日。食堂には私しかいない日が週5くらい。終了1分前に滑り込んで食事をすることも多かったのですが、食堂のスタッフの方々は「大盛りにしてあげるよ」とか、いつも温かく迎えてくれました。今でもその優しさは忘れられません。今日、久しぶりにドーミーを訪れましたが、ほとんど変わっていない様子を見て、なんだか安心しました。お風呂場のシャワーヘッドがリニューアルされていいな、って思いましたが、温かい雰囲気も当時のままでした。
かけがえのない出会い。
朝晩は学校に行っていたので、ドーミーにいる時間は限られていましたが、寮生活で忘れられない思い出は、親友との出会いです。寮の歓迎会で突然話しかけられたのがきっかけで仲良くなりました。彼女とはなんと誕生日が同じで、同じ坂道系アイドルが好きという偶然も。その子はいつも「りょうかたん~」と声をかけてくれて、会うたびに喜んでくれる優しい子でした。彼女は専門学校に通っていて、寮の中でも友達が多くて、彼女を通じてほかの寮生とのつながりも広がっていきました。
あと、留学生が一緒にいる寮生活も魅力的でしたね。中国からの留学生と仲良くなって、一緒にお出かけしたり、散歩したりしたのも印象的です。残念ながらその方はすぐに母国に戻ってしまいましたが、国際交流の貴重な経験となりました。
忘れられない避難経験。
最も印象に残っているのは、大雨での避難です。秋頃、豪雨で警報が出て、夕食も食べられないまま近くの体育館へ避難することに。人生で初めての避難でしたが、寮長さんが的確に指示を出してくださり、迅速に行動できました。怖い経験でしたが、避難所で初めて話した寮生とトランプをして過ごした時間は、今となっては貴重な思い出です。
ここは自分らしくいられる居場所だった。
寮には賑やかな友人グループもありました。私自身は一人の時間を大切にする生活でしたが、そんな私なりの距離感でコミュニケーションが取れていたのが嬉しかったです。
練習でへとへとになって寮に戻っても、ここでは一人でゆっくり食事をとり、一息つける時間があって、それが何より大切でした。リフレッシュできる自分だけの時間があったからこそ、また次の日も頑張れたように思います。
特に思い出深いのは、食堂での時間です。お風呂上がりに少し立ち寄って、他の寮生と一緒にテレビを見る。まるで銭湯の待合室のような、あの何気ない交流の場が心地よかったです。
これから寮生活を始める方へ
私の経験から言えることは、ドーミーでの生活は本当に自分らしく過ごせる場所だということ。コミュニケーションを楽しみたい人はもちろん、私のように一人の時間を大切にしたい人にも心地よい環境です。人との交流が苦手だと思っている方でも、自然な形で友人関係を築いていけると思います。
私が住んでいた頃は門限がありましたが、今はなくなったそうで、さらに住みやすくなっているはず。私にとってドーミーは、温かい食事と適度な距離感のコミュニケーション、そして素敵な出会いに支えられた、かけがえのない時間でした。2025年にドーミーは45周年とのことですが、その長い歴史の中の一部に、私の思い出も刻ませていただけたことを、うれしく思います。
プロフィール
冨田 諒香さん
兵庫県出身。明治大学法学部卒。在学中は体育会の応援団バトン・チアリーディング部に所属し、ドーミー府中白糸台に在寮しながら、朝晩の練習に打ち込む日々を過ごす。株式会社日本創発グループに新卒入社し、現在はグループ企業の出版社、株式会社ワン・パブリッシングのビジネスソリューション部で活躍中。
撮影:白浜哲 文・取材:西泰宏 取材協力:株式会社ワン・パブリッシング(日本創発グループ)