元専門学校職員に聞く!退学しない、みんな揃って卒業できる学生生活のはじめ方。
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専門学校生の退学率は本当に高いのか?
一般的に専門学校の退学率は高いと言われてきました。10~20%というイメージを持たれているのが現状のようですが、本当の退学率の実態はどうなのでしょう?
「専門学校の退学率については、実は公表されているデータとしては東京都のものしかないんですね。新聞などで取り上げられるのもこのデータとなりますが、今は7.5%※です。意外と低いでしょう? 高校の進路指導の先生方でもご理解いただけていなくて、10%以上のイメージを持たれている例もあるようなんです」
専門学校は、文部科学省ではなく都道府県の管轄となるため、その中で一番大きい自治体である東京都のデータが指針となります。これは公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の調査統計部が出しているものです。
これは、世間一般のイメージが単に間違っているということではありません。かつては10%を超える退学率であったことも事実です。それが、ここまで下がったということです。
※出典:平成30年度 専修学校各種学校調査統計資料
退学に至る原因や理由とは?
まずは退学に至ってしまう原因や理由を知ることが大切です。そもそも、なぜせっかく夢を叶えるために入学したのに退学することになってしまうのでしょうか? 理由はさまざまですが、原因や理由より、まずはその兆候をとらえることがポイントです。
明確な目的を持って入学するとは限らない大学などと違い、具体的な職業を目指して入る専門学校の場合、なんとなく嫌気がさしていつのまにか行かなくなってしまって……というパターンの退学は多くはありません。
よくあるパターンとしては、新生活に馴染めないことが引き金になること。特に地方から出て来て、まったく環境の違う東京で、親を頼ることもできない新生活をこなし、高校までの授業とはまったく違う勉強や、専攻によっては体力的にも負担の大きい実習が多いことが重なって“もう、がんばれない”状態に陥ることで、学校に行くだけのパワーがなくなってしまうのです。これは周囲の大人がいち早く気づいて、対応することが重要です。
「原因や理由を探ろうと学生からヒヤリングするうちに、驚きの発見もありました。大人としてはよりいろいろな人と接点を持つことがプラスになるだろうと、よかれと思って実施していたクラス替えが、学生にとっては負担だったということです。やっと学校生活に慣れて、仲のよい友だちもできたのに、また一からやり直しはキツイということですね。これには考えさせられまして、その後はクラス替えを廃止しました」
一方、退学と言ってもポジティブなものもあるそうで
「専門学校には“明るい退学”というのがあるんです」
という、興味深い言葉が飛び出しました。
東京での新生活を送る中で、より興味あるもの、真に目指すものが見つかる、あるいは、もともと関心がある別の分野があって、やっぱりこれがやりたいと確信するなど、親を説得するだけの理由もしっかりできて進む道を変えるという例です。フェードアウトするわけではなく、ちゃんと学校にも挨拶にみえるそうです。
「本人も目を輝かせて、先生これまでお世話になりました。やりたいことが見つかったので、こちらの道でがんばります! と、至って前向きなんですね」
たしかに“明るい退学”という言葉がしっくりくる状況です。
退学率を低くするには
それでは、退学率を低くするにはどうしたらいいのでしょうか? まずは“もう、がんばれない”状況を作らないこと、勉強に集中できる環境を整えることが大切です。
「地方から上京する学生には、まずは寮に入ることを勧めていました。一人暮らしというのは、本当に負担が大きい。たとえば最初の1年だけでも、寮で東京の生活に慣れたほうがいいと思います。寮以外で唯一推奨できるのは、先に上京している兄弟姉妹との同居ですね」
たとえ自宅からであっても、朝のラッシュを乗り越えて通学するのは大変です。それでも、家に帰れば何もしなくても済む例も多いでしょう。しかし、一人だと家事も、炊事も、食事のバランスもすべて一人でするわけです。それだけでも大変な変化ですが、その上にこれまでとは違った勉強をする。大人が考えてもその負担の大きさは想像に難くありません。東京での一人暮らしを不安に思う親にとっても、寮生活は安心であるはずです。
また、東京へ出ることにご家族の賛成が得られず、遠方から通う学生についても、それがどういうことなのか、かならず通学時間に合わせて何度か学校まで行ってみるシミュレーションをすすめ、学生と学生課でよく話すようにしていたとのこと。
「こういう場合も、自分で決めることが大切です。もちろん、やっぱり先生の言うとおりでした~。寮に入ります! と途中で切り替える学生もいました。本人の意志であればどちらもありだと思います」
寮を選ぶにあたっても、このシミュレーションは効果的です。 また、入寮が決まったら入学式を待たずに早めに上京することも勧めているそうです。 これも一刻も早く、新生活に慣れるため、また生活も、学校も、と同時になにもかも新しいことがスタートする負担を緩和するためです。
寮にもいろいろなタイプがあります。ほぼマンションでの一人暮らしのようなプライベート空間が多いもの、バス、トイレは共同というもの、自炊ができるところとすべて食堂で食事をするところなどです。プライベート空間が多いほど、金額は高くなりますが、身体的な問題をはじめさまざまな理由で希望が増えています。
たとえマンションのようであっても、寮がよい理由は、もっとも近い大人として親代わりともいえるマネージャー夫妻の存在がひとつの大きなポイントとしてあげられます。 しかも寮の中でもDormyだけは、入学前は入試課が、合格後は学生課が マネージャー、共立メンテナンスの担当と連携し、新生活へのサポートをしています。Dormy以外の寮や学生マンションの会社も使ってみましたが、学校とちゃんと連携できるのはDormyだけでした。 実際、Dormyに入居している専門学校生の退学率は、たったの1.44%です。 他の住まいではこの数字はあり得ないと思います。
また、個々の生活以外の面でも大きなメリットがあります。
「専門学校の弱点として、縦のつながりが希薄なことがあるんです。 学校によっては 、部活などもないに等しい。ただし、寮では同じ学校や専攻の先輩がメンターとなって後輩のサポートをする仕組みになっていました。また他校、他大学の入寮生との交わりから、専門学校から大学へ編入した学生もいたんですよ」
という話も。もちろん、同級生が同じ寮に入っていることもあり、いっしょに宿題などの勉強をしたり、就活などの相談をしたりすることもあります。高等教育の場では、クラスメートや親しい友だちが近所にいるということはめったにないことなので、これは寮ならではの魅力といえるでしょう。
よりよい学生生活を送るために、入寮も視野に入れた新生活のあり方を、ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?
お話しをお伺いした方 :前原晴彦さん
専門学校の理事長室、総務課、学生課長、情報管理課長、教務課長、教務部長を経て事務部長兼入試課長(広報)などを歴任され、現在は独立行政法人の大学校に勤務されている。
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