受験生の親のためのストレス対策&声掛けと接し方―目白大学新宿キャンパス学生相談室の公認心理師さんに聞きました。
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「親自身のストレス」に気づくことから
受験生の親御さんは、しばしば子ども以上にストレスを感じることがあります。受験期には、親子共にストレスが高まる傾向がありますが、問題は、このストレスに気付かずに放置してしまうことです。ストレスのサインに早く気づき、適切に対処することが大切です。これは親も子も同様です。
ストレスのサインは個人差がありますが、よく見られるのは身体的な変調(頭痛、食欲不振、疲労感など)と心理的な変調(イライラ、焦り、落ち込みなど)です。これらに気付けるよう、普段から自分の体調や気分の変化に注意を払うことが大切です。
「自分時間」を作ってみる
ストレスをため込まないためには、適度な「自分の時間」を持つことが重要です。特に受験期には、子どものことばかりに集中しすぎないよう、適切な距離感を保つことが必要です。
共感してくれる友人との会話もストレス解消の一つの方法です。保護者同士で励まし合う関係も大切です。雑談であっても、相互理解を深め、新たな気づきを得ることがあります。
また、受験の時期こそ、親自身が趣味の時間を持つことで、ストレスの蓄積を防ぐことができます。音楽鑑賞やスポーツ、アロマなど、何でも良いのです。少しの時間でも、心がリラックスできる活動を取り入れることをお勧めします。
子どもへの声掛けは、子どものタイプに合わせる
受験生の多くの親御さんが悩むのは、子どもへの声掛けです。声を掛ける方法は、子どもの性格や学習スタイルに合わせることが重要です。
例えば、「結果を重視するタイプ」の子には、「テストの点が上がって、よく頑張ったね!」といった風に具体的な成果を褒めたり、「過程を重視するタイプ」には、「毎日コツコツと勉強する姿勢が素晴らしいね。その努力が実を結ぶよ。」といった風に努力を評価するなど、タイプに応じた声掛けが有効です。また、親自身のタイプを自覚することで、子供との関係構築に役立ちます。
学習スタイルもまた人それぞれです。「勉強に集中しすぎるタイプ」もいれば、「遊んでいるように見えて実は勉強しているタイプ」もいます。子どもを細やかに観察し、特徴を理解することが大切です。
時には静かに見守ることで、子どもの内面に働きかけることもできます。言葉に頼らず、静かに飲み物やお菓子を出すだけでも、十分な「声掛け」になります。試行錯誤を重ねながら、自然に適切な距離感が築かれていくでしょう。
最後に
受験でのストレスは、親子共通の課題です。お互いの立場を理解し合い、乗り越える力を得たいものです。受験を共に乗り越えるためには、親と子、それぞれが大切にする価値観を理解することが始まりです。この記事が受験生と保護者の方々に役立つことを願います。
監修・取材協力:目白大学新宿キャンパス学生相談室
目白大学新宿キャンパスの学生の、心理的な悩みや大学生活上における困りごとに対して、専門のカウンセラーが個別のサポートを提供する施設です。
「目白大学 学生相談室」公式ウェブサイト:https://www.mejiro.ac.jp/univ/campuslife/shinjuku/support/counselling/
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取材協力・監修/目白大学新宿キャンパス学生相談室
取材・撮影/西泰宏 文/静川泰平