【二宮清純×学生会館ドーミー】進化する令和の居住空間 ~明治大学グローバル・ヴィレッジ~【学生寮 ドーミー取材記 #4】

※この記事は、二宮清純が責任編集を務めるスポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」との共同掲載です。
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今回紹介する明治大学の学生寮「明治大学グローバル・ヴィレッジ」は、都内杉並区和泉キャンパスに併設されている。約216名の留学生と日本人学生が共に生活する“国際混住寮”だ。
実際に足を運んでみて驚いた。エントランスはまるでホテルのような設えだ。1階には朝夕の食事が提供されるダイニングルーム、パブリックバス、リビング、キッチン、トレーニングルーム、プレイルームといった共用スペースが設けられていた。私の時代の学生寮とは何から何まで違っていた。
向かって左側の棟が女子寮、右側の棟が男子寮。1ユニットの中に部屋が6つあり、シャワーブース、トイレ、ランドリーはユニット内で共用になっている。1階にあるパブリックバスのお風呂は広く、まるで温泉のようだ。

管内全域にはWiFiが飛んでおり、ノートパソコンやタブレット端末を持ってくれば、そこで学習に励むことができる。
寮長の李暁偉さんによると「留学生は8月まではヨーロッパ、特にフランスからの方が多い」とのこと。英語やフランス語が飛び交う寮は、外国語の習得に持ってこいだ。
ホスピタリティも完備されている。寮生には専用のアプリが提供されており、アプリを通して寮長との連絡や外泊の届け出、食事の予約のほか、提携機関が提供する24時間対応のオンライン診療サービスが利用できる。これなら地方から子どもを送り出す親御さんも安心だろう。

国際日本学部2年生の平川舞奈さんは、「元々、国際交流に興味があった」ことで、この学部と寮を選んだ。
「寮に入った最初のうちは、まだ受験勉強の延長というかたちで、スピーキングとかはあまりできなかったんですけど、1、2週間もすればスピーキングに自信がついてきた。生きた英語を学ぶことができて、本当に良かったと思います」
経営学部4年生の平井那佳さんは、寮でレジデントアシスタント(RA)の任に就いている。どういう仕事なのか。
「まず始めは、留学生の入寮のお手伝い。他に毎月イベントを企画・開催することで、学生の交流促進を図っています」 国際日本学部2年生の平川舞奈さんは、「元々、国際交流に興味があった」ことで、この学部と寮を選んだ。
「寮に入った最初のうちは、まだ受験勉強の延長というかたちで、スピーキングとかはあまりできなかったんですけど、1、2週間もすればスピーキングに自信がついてきた。生きた英語を学ぶことができて、本当に良かったと思います」
経営学部4年生の平井那佳さんは、寮でレジデントアシスタント(RA)の任に就いている。どういう仕事なのか。
「まず始めは、留学生の入寮のお手伝い。他に毎月イベントを企画・開催することで、学生の交流促進を図っています」

イベントの中には、新入学生歓迎会もある。今年は4月に開催し、130名が参加した。
「そこでは、ひとりひとりが自己紹介し、履修の相談会も行いました」
平川さんも現在はRAスタッフのひとり。入学した時、RAの先輩に親切に接してもらったことがきっかけで、自らも一員に加わった。
「私は広島出身で、東京に来るのが初めてということもあり、最初はとても不安でした。ところが寮の門をくぐるなり、RAの人たちがすごく温かく迎えてくれた。
RAの中には国際日本学部の先輩もいたので履修登録の相談に乗ってもらったり、荷物運びを手伝ってもらったりして、本当に助かりました。この寮だからこそ、素晴らしい学生生活のスタートが切れたと思っています」
今年の夏は中庭での花火大会を企画している。服装は自由。浴衣姿もOKだ。

それぞれに、お気に入りの場所がある。平川さんはラウンジで過ごす時間が多い。
「自分の誕生日に、留学生がケーキをつくって持ってきくれたんです。最終的には30人ぐらいが集まってきて、一緒に写真を撮ってくれた。また、ここにはウノなどのカードゲームも揃っていて、学校終わりに“疲れたね”とか言いながら、よく遊んだりしますね」
一方、平井さんはスタディールームが一番のお気に入りだ。
「ここで毎週、RAの会議をするんですけど、会議終了後には雑談をする時があって、その時間が会議の時間より長くなってしまうことがあります。見ていてお分かりのようにここはガラス張りになっているから、ひとりで作業していても、“何してるの?”という感じで、次から次へと先輩や後輩が集まってくるんです。日々、活発に皆とコミュニケーションがはかれる場として、私は特に気に入っていますね」

RAについて言えば、共立メンテナンスが運営する全国の学生寮(ドーミー)でも同様の取り組みがあり、160~170人の寮生が独自の活動を展開しているという。
平井さんは続ける。
「2カ月に1回くらい、自分たちの寮はこんなことをしましたとか、こういう時にはどういう対応をしたらいいですか、といった情報交換を行っています。また年に2回、活動の報告会があります。この2月にはRAサミットというイベントにも参加しました。この時は、他の大学や教育関係者の方も含めて200人くらいが集まりました。その模様を全国にオンライン配信もしています」
就職が内定した平井さんは、来年3月には退寮しなければならない。
「知らない人たちと生活するのは大変かな、と最初のうちは思っていたんですが、とてもいい経験ができました。今は退寮するのがすごく寂しいですね」
平井さんにとって寮での経験は、今後の人生にとってかけがえのない財産になるに違いない。
二宮清純(にのみや・せいじゅん)
1960年、愛媛県出身。明治大学大学院博士前期課程修了。同後期課程単位取得。株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。経済産業省「地域×スポーツクラブ産業研究会」委員。認定NPO法人健康都市活動支援機構理事。『スポーツ名勝負物語』(講談社現代新書)『勝者の思考法』(PHP新書)『プロ野球“衝撃の昭和史”』(文春新書)『変われない組織は亡びる』(河野太郎議員との共著・祥伝社新書)『歩を「と金」に変える人材活用術』(羽生善治氏との共著・廣済堂出版)など著書多数。
共同掲載:第4回 進化する令和の居住空間 ~明治大学グローバル・ヴィレッジ~|SPORTS COMMUNICATIONS

- ライター
- 二宮清純責任編集 SPORTS COMMUNICATIONS
二宮清純が責任編集を務める、1999年開設のスポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」。二宮清純の人気コラム「唯我独論」「プロ野球の時間」などを随時掲載。著名ライターたちのコラムも満載です。No Sports, No Life!!