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試験に落ちた受験生にかける言葉は?接し方やNGな言葉も解説

試験に落ちた受験生にかける言葉は?接し方やNGな言葉も解説
身内や親しい人が受験に落ちてしまった場合、どのように声をかけるべきでしょうか?

試験に落ちた受験生は深く傷ついています。かける言葉を間違えると、励ますつもりが逆効果になることも。

結果よりも「頑張ってきた時間」に目を向け、気持ちを支える言葉を届けてあげましょう。

この記事では、落ち込む受験生の心に寄り添う接し方と、かけるべき・避けるべき言葉を紹介します。

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試験に落ちた受験生の気持ちとは

試験に落ちた受験生の落胆は、大きいものです。

すべてを犠牲にする勢いで受験勉強をしてきたのに「不合格」という結果を突き付けられたら、すぐには立ち直れないでしょう。

そんなとき、周りは気を遣い「励まさなきゃ」「なんとかして早く立ち直ってほしい」などと考えてしまいます。

しかし、人間は激しく落ち込んでいるときに無理に気持ちを切り替えようとしても上手くいきません。

「試験に落ちた」という事実は、周りが思う以上に受験生を苦しめているのです。

試験に落ちた受験生への接し方

深く落ち込む受験生には、言葉よりも接し方そのものが大切です。ここでは、気持ちに寄り添いながら支えるためのポイントを紹介します。

努力したプロセスを認める

努力したプロセスを認めてあげましょう。

受験が合否の世界であることは、間違いありません。

ただし、試験に落ちたとしても受験生が努力をしたことは事実です。

その頑張りを認められるだけでも、受験生は気持ちが和らぐでしょう。

責めるような発言は控える

責めるような発言は、絶対に控えてください。

試験に落ちた受験生は、これでもかというほど自分を責めている場合があります。

そのような状態で他者からも責めるような言葉を投げつけられると、さらに落ち込んでしまいます。

上から目線でアドバイスをしない

上から目線のアドバイスも控えましょう。

本人からアドバイスを求めてきたタイミングであればまだしも、落ち込んでいる受験生に上から物を言うのは厳禁です。

自分はそういうつもりがなくても上から目線になることもあるかもしれませんので、気を付けましょう。

自分の失敗談を出して共感するのは控える

自分の失敗談を出して共感することは、よくやりがちです。

しかし案外、試験に落ちた受験生はそのような対応を求めていません。

人の失敗談を聞けば、自分の失敗をいっそう実感してしまうでしょう。

「つらい」「悔しい」という気持ち自体を認めて共感するのは良いですが、わざわざ自分の失敗談を持ち出す必要はありません。

中途半端な理解を示すのは控える

中途半端な理解を示すのも、受験生の心を逆撫でしていまいます。

「わかるわかる」などと言うのは簡単ですが、人の気持ちを完全に理解することなんてできません。

わかったふりをしても、その場しのぎのような対応になるので、受験生からは嫌悪感を抱かれます。

そっと見守る

そっと見守る姿勢も大切です。

落ち込んでいる姿を目の前にすると、つい励ましたくなるのは当然です。

ですが、下手に声をかけるよりも、そっとしておく方が好ましい場合もあります。

試験に落ちた受験生にかける言葉

接し方を意識したうえで、次に大切なのが言葉選びです。無理に励ますのではなく、そっと気持ちを受け止める言葉を伝えましょう。

「お疲れ様」

気の利いた言葉を考えるよりも、まずは「お疲れ様」と言ってあげましょう。

「お疲れ様」は、たくさんの努力を積み重ねた受験生にぴったりな労いの言葉です。

大げさな励ましよりも、努力をねぎらう一言が、心にいちばん静かに届きます。

「それは悔しい気持ちになるよね」

試験に落ちた受験生にとって“悔しい”は、誰よりも強く感じる感情です。

そんなときは受験生の気持ちをきちんと認め「それは悔しい気持ちになるよね」という言葉で共感してあげましょう。

その気持ちを否定せず、「そうだよね」と受け止めてあげるだけで、少し呼吸がしやすくなります。

「ゆっくり休んでね」

試験に落ちた直後は、ネガティブな感情に押しつぶされてこれからの不安で頭がいっぱいになります。

たくさん頑張ってきたからこそ、いまは立ち止まっていいと伝えてあげましょう。

焦る気持ちはあっても、心と体を休ませる時間があってこそ、次に進む力が戻ってきます。

「よく頑張ったよね」

受験は「合否」がすべてという考え方もありますが、頑張ったプロセスにも意味があります。

結果的に不合格であっても、受験生が頑張っていたことには変わりありません。

その頑張りを認めてあげることができるのは、身近な人だけです。

努力したことはこれからの人生において決して無駄にはならないことを、そっと伝えましょう。

「いつでも話を聴くからね」

不合格の結果を受け入れるのに時間が掛かることもあります。ショックのあまり塞ぎこんでしまい「人と会ったり話したくない」となることも珍しくありません。

いまは無理に話さなくてもいい。「話したくなったときは、いつでも聴くよ」、そう伝えるだけで、安心できる居場所になります。

「いつも応援しているからね」

「周りの受験生は志望校に合格できたなか、自分だけが落ちた」という場合は、特に孤独を感じてしまうでしょう。

結果がどうであっても、あなたを見ている人はちゃんといる。そう感じられるだけで、人は前を向けます。

「これからも応援しているよ」という言葉は、どんな励ましよりも心強いメッセージです。

試験に落ちた受験生にかけてはいけない言葉

では反対に、試験に落ちた受験生にかけてはいけない言葉を紹介します。

良かれと思って言った言葉が、逆に相手を傷つけてしまうことがあることも意識してください。

「もっと勉強を頑張ってたら受かってたかもしれないのに」

つい言ってしまいそうな言葉ですが、「そんなことわかってるよ」と受験生の気持ちを逆撫でしてしまいます。

励ましのつもりでも、この言葉は「責められた」としか届きません。受験生はもう、自分を一番責めています。

追い打ちではなく、沈黙の優しさを選びましょう。

「なぜこんな結果になったのか考えてみたら?」

結果の理由を問うのは、タイミングを間違えると刃になります。

受験生自らも、「なぜ試験に落ちたのか」をすでに考えているものです。その答えを探すのは、本人が立ち上がる準備ができてからで十分です。

いまは「考えさせる」より「受け止める」時間と考えましょう。

「あなたなら受かると思っていたんだけどね」

一見悪くない言葉に思われますが、実は“期待を裏切った”というメッセージにもなりかねません。

このような言葉をかけたところで、試験に落ちた事実は変わりません。また、他人事のようにも聴こえる言葉なので、いっそう受験生を落ち込ませる場合もあります。

想いを伝えるなら、「信じていたよ」よりも「ここまで本当によく頑張ったね」と伝えてあげましょう。

「そのつらい気持ちわかるよ」

「わかるよ」などと言うことは簡単ですが、落ち込んでいる受験生からすれば「私の気持ちの何がわかるんだよ」と思います。

そのときの本当の悲しみは、本人にしかわかりません。無理に理解しようとするよりも、「話してくれてありがとう」と受け止めるほうが心に寄り添えます。

「受験に落ちたぐらいで死ぬわけではないさ」

事実ではありますが、何の励ましにもならない言葉です。

命をかけるような思いで臨んできたからこそ、結果は重くのしかかります。

軽く扱う言葉より、今は静かな見守りが必要です。

「次の試験で合格すればいいんだから」

これも正論ですが、気持ちの切り替えを強要することになります。

試験に落ちたショックを抱えているなか、気持ちを切り替えることは簡単ではありません。

また、浪人するかしないかは、本人にとっても大きな選択になります。

すぐに「次」を見せるより、「いま」を認めること。それが立ち直る力につながります。

「そんなに落ち込むことじゃないから気持ちを切り替えて」

「そんなに落ち込むことじゃない」というのは簡単ですが、試験に落ちた本人が落ち込むのは当然です。特に受験生の親御さんの場合、子どもがいつまでも落ち込んでいたらこのような言葉をかけたくなるでしょう。

落ち込むこと自体が、頑張った証です。その感情を否定せず、「つらいよね」と一緒にいるだけで十分。

立ち直りのきっかけは、“許される落ち込み”の中にあります。少々もどかしくても、気持ちの切り替えには時間が掛かることを理解してそっと見守りましょう。

「試験に落ちても成功している人はいるよ」

この言葉も、残念ながら本当の意味で受験生を励ます言葉ではありません。

正論ではありますが、受験生は試験に落ちたことで頭がいっぱいです。いま必要なのは未来の話ではなく、いま感じている痛みへの共感です。

「今はつらいけど、そばにいるよ」、それで十分です。

言葉よりも「寄り添う気持ち」を

どんなに努力をしても、結果が伴わないことはあります。そして、試験に落ちた直後の受験生は、誰よりも自分を責めています。

そんなときに必要なのは、正解の言葉ではなく、そっと寄り添う気持ちです。

「頑張ったね」「お疲れ様」と伝えるだけで、救われる心があります。

時間はかかっても、支えてくれる人の存在があれば、受験生は必ず前を向けるようになります。

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ライター
ドーミーラボ編集部

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