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特集 ドーミーの寮長・寮母に聞いてみた!
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学生さんを見守り続けて20余年。ベテラン夫妻が語る「寮長・寮母という仕事」

学生さんを見守り続けて20余年。ベテラン夫妻が語る「寮長・寮母という仕事」
東京と福岡のドーミーで20年以上にわたり、学生たちを見守り続けてきた寮長・寮母のご夫婦がいます。共立メンテナンスが運営する学生寮「ドーミー」での生活は、単なる住まいではなく、多くの学生にとって“もうひとつの家”。変わりゆく時代の中で、変わらない思いと信念を持ち続けてきたお二人に、その歩みと学生への思いを伺いました。

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プロフィール

小樽(おたる)夫妻
寮長・寮母ともに長崎県出身、2人は小学校のころからの幼馴染。寮長・寮母ともに50代で転職し、共立メンテナンスに入社。東京で4年間勤務したのち、2009年から福岡市内のドーミーで勤務を続けている。

50歳からの新しいキャリア

——まず、寮長というお仕事に就かれた経緯を教えてください。

寮長: 私はもともと建設会社で働いていました。50代になった頃に会社がなくなることになり、知り合いから「東京で夫婦で働ける仕事があるけんど、どうですか」と、紹介していただいたんです。その方は共立メンテナンス寮長をされていた方で、うちの家内(寮母さん)の義理のお兄さんでして。

寮母: 私は昔東京で働いていた経験があったので、主人についていきました。

寮長: 私は東京は初めてだったんですけど、家内が東京を知っていたので心強かったですね。

——50歳を過ぎてからの転職は勇気が要ったのでは?

寮長: そうですね。でもなかなか、50歳を過ぎて雇ってもらえる仕事ってなかなかないんですよね。まして、長崎の田舎でしたしね。働かせてもらって本当によかったと思っています。

寮長:東京の寮で4年ほど勤務したあと、2009年に、博多にできる新しいドーミーに異動になりました。いずれは九州に戻れたら良いね、と話していたので、異動希望を叶えて頂いた形です。

——福岡に来てのギャップはありましたか。

寮長:それまでの寮と全然規模が違ったんですよ。数十人規模の寮だったのが、この寮は定員200名以上でしてね。当時の共立メンテナンスの寮としては、かなり規模が大きいほうでした。しかもオープン当初から満室でスタートしたもんだから、最初は相当頑張りましたよ。

寮母:食事も最高で240食くらい作ったこともあります。今と比べると、入寮の時期は家族の方も来られて、一緒に寮の食事を召し上がる方も多かったので。

——管理も大変だったのでは?

寮長: 当時は全部、名簿も、食事の管理も、全部紙ベースでしたからね。パートさんたちも初めての経験でしたから、最初の2、3ヶ月はもう寝る暇もないような感じでした。

寮母: でも1週間頑張ろう、それを繰り返して、そのうち1ヶ月頑張ろうって。そんな風にして1年経ったら、もうこっちのものって感じでした。

印象に残る学生たちとの日々

——これまで数多くの学生さんを見てこられたと思います。特に印象に残っている方はいますか?

寮母: 広島から来た中学1年生の子がいたんです。
福岡には、東福岡高校というラグビーの強豪校があります。そのラグビー部への入部を目指して、付属の中学校に入学した子が、小学校を卒業してここに入寮しました。中学1年ですからね、おそらく、ドーミー寮生では最年少でしょう。

寮長: 親元を離れて中学3年間、一生懸命生活していましたよ。私がラグビーをやっていた経験があったので、2人でパスの練習をしたりもしました。高校に上がるときに、ラグビー部の寮に入るために退寮していきました。無事ラグビー部に入部し、キャプテンにまでなったんですよ

——成長を間近で見られたんですね。

寮母: 入った時はこのぐらい(手で身長を示す)だったのが、最後高校卒業して東京の大学に決まった時に、お母さんと一緒に挨拶に来てくれましてね。もうこんなに大きくなって。すごく嬉しかったです。

——他に印象的な学生さんはいましたか?

寮母: 予備校に通って、東京大学に合格した方がいましたね。毎朝必ず新聞を読んでいたのが印象的です。モーニングルーティンというか、生活リズムを自分でしっかり作っていて、決まった時間に学校に向かって出かけていきました。

寮長: 10年以上前に退寮しても、ドーミーに寄ってくれる子もいますね。子どもが産まれました~、って、一緒に連れてきてくれたりね。

時代とともに変わる接し方、変わらぬ想い。

——時代とともに、学生さんの傾向には変化を感じますか?

寮長: 以前はフレンドリーというか、距離はもう少し近かったかな。管理室のカウンターに来ておしゃべりしたり、「おじちゃん、おばちゃん」って親しみを込めて呼んでくれて。

寮母: 女の子たちが「太ったから散歩に行く、おじちゃんボディーガードで一緒に来て」って、一緒に散歩して歩いたこともありましたね。で、コンビニでアイスを買ってあげて、散歩の意味ないやん!ってね。笑

寮長: 今の子たちはやはり、自分の世界を大事にしているというか、個々でいる子が多いですね。今は学生さんに向けては、必要以上のことは言わない、立ち入らないように心がけてます。相手に不快に思わせないよう、気を使うようになりました。特にコロナ禍以降はさらにその傾向が強くなったように感じます。

寮母: でも変わらないのは、やはりほとんどの子は初めて家を離れて1人で生活することもあるので、なるべく温かく接してあげたいと思っています。

「夫婦で働く」ということ

——ご夫婦で同じ職場で働く秘訣はありますか?

寮長: 基本的には寮母さんがメインで学生との関わりを担当しています。私はあまり前に出ず、サポート役に回ることが多いですね。

——オンオフの切り替えは?

寮母: 私ははっきりつけます。

寮長: どちらか1人がドーミーに残るようにして、用事がある時は外に出てもいいということになっていますので、お互い話し合って都合をつけながら。あまりストレスはないですね。

——息抜きはどのように?

寮母: 私は月に1、2回、コンサートに行ったり映画を見に行ったりします。あと、健康管理も兼ねて、博多駅から天神のほうをウォーキングでまわって、美味しいものを食べて帰ってきます。

——他のドーミーの寮長・寮母さんとの交流もありますか?

寮母: 新任の寮長さん・寮母さんはここで研修を受けて頂くことも多いので、そこで接した寮長さん、寮母さんたちと特に交流があります。同じ仕事の立場の人どうしで話ができるのはすごくいいことで、仕事の知恵をもらったり、時には愚痴を言い合えたりして発散できます。

続けてこられた理由。寮長夫妻が語る“健康と心の保ち方”

——20年以上、この仕事を続けてこられた秘訣はありますか?

寮長: やはり健康であることですね。私は2度ほど手術や入院も経験しましたが、今は薬も飲まないくらいに回復しています。

寮母: 私は足腰の強化を重視しています。厨房では火や危険なものを使うので、パートさんも含めて足腰が大事。毎月1回は15,000歩くらい歩くようにしています。

——精神面ではどうですか?

寮長: やっぱり寮母さんが自由にしてもらって、私は私で、お互い干渉しすぎないことですね。夫婦間でも、お互いの用事があれば「どうぞ」という感じでやっていけば、いつまでも仲良くやっていけると思います。

寮母: この仕事をしていると、1ヶ月なんてあっという間です。長く感じたことはほとんどないですね。4月に入寮があって、いろいろやっているうちにもう12月。それで意外と1年が早くて、いつの間にか20年経っていました。

寮長: 体が健康である限り、まだ頭も普通だし体も動くので、もうちょっと頑張らせてもらおうかなと思っています。

——現在のお気持ちは?

寮母: 本当に、日々楽しくさせてもらってますよ。

寮長: 共立メンテナンスの寮は全国にあるから、その時は空きがなくても、私たちののように数年東京にいて、九州に帰ってくることもできました。そういう巡り合わせも十分あるとと思います。

未来の学生へ、そしてその家族へ

——初めて子供を寮に送り出す親御さんに、アドバイスをお願いします。

寮長: やっぱり学生さんが地元を離れて都会に出てくる時、普通のマンションやアパートと違って、人の見守りがあって、何かあった時のために備えてもいます。食事もちゃんとついて、隣に誰が住んでいるか分からないということもありません。安心して入寮していただけると思います。

寮母: 入学式などの時に、同じ学校の子が何人もいらっしゃることが多いので、その時に紹介して顔見知りになってもらうようにしています。一緒に朝学校に行ったり、ご飯を一緒に食べてもらったりして、しばらくは一緒に行動してもらえば、福岡にも慣れて、親御さんも安心されますね。

寮母: 寂しい時は事務所においでって言っています。分からないことは聞きにおいでとか。アットホームに温かく迎えたいといつでも思っています。

——学生さんへにメッセージもお願いします。

寮長: 安心して卒業まで過ごせるように、私たちがサポートします。。

寮母: おいしい食事を作って、なるべく美味しく提供したいと思います。アットホームに温かく迎えたいと、いつも思っています。

取材を終えて【編集後記】

長時間のインタビューを通じて伝わってきたのは、お二人の学生への深い愛情と、この仕事への誇り。
「日々楽しい」と語る寮母さんの笑顔、「この仕事でよかった」と語る寮長さんの言葉からは、20年以上という年月の重みと、学生に寄り添う姿勢がひしひしと伝わってきました。
初めての一人暮らしに不安を感じる学生さんやご家族の皆さまにとって、このインタビューが少しでも安心材料となれば幸いです。

(取材・撮影/Totty 編集/ドーミーラボ編集部)

ライター
ドーミーラボ編集部

「夢中になれる学生生活」を探求するウエブマガジンです。進学や進路のあり方、充実した学生生活をおくるために実践できる知恵やヒントを発信していきます。

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