【業界のプロに聞く】学生の住まい選び、2026年の新常識。「家賃の安さ」だけで選ぶと後悔する? 退学リスクも下げる“正しい投資”とは。

そんな悩める受験生・保護者の疑問に答えるため、30年以上にわたり学生の住まいを見つめ続けてきた業界の第一人者、株式会社ネストレスト(学生向け賃貸物件情報サイト「がくるーむ」運営)の南雲社長にインタビュー。 年間約5,000棟もの物件情報を取り扱う「中立的な視点」から、本当に子供のためになる住まい選びの正解を、ドーミーラボ編集部が聞きました。
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プロフィール
南雲 聖運さん
株式会社ネストレスト 代表取締役
学生向けに特化した賃貸物件情報サイト「がくるーむ」を運営。学生向け物件の紹介業務の他、学生寮・シェアハウスのリノベーション、企画コンサルティングなどに携わる。1986年の創業以来、紙媒体のカタログ時代から現在のWebメディアに至るまで、学生の住まい探しの最前線を知る。
聞き手: ドーミーラボ編集部
「親と子」の対立は過去の話。イマドキの住まいは「いいとこ取り」

編集部: 長年業界をご覧になっていて、最近の学生さんや親御さんのニーズに変化はありますか?
南雲社長(以下、南雲): 昔はよく「親子の対立」があったんですよ(笑)。ご両親は心配だから「食事付きの寮に入ってほしい」。でも学生ご本人は「干渉されたくない、自由な一人暮らしがしたい」と。 でも最近は、その対立がなくなってきています。
編集部: それはなぜでしょうか?
南雲: 物件が進化したからです。今の主流は、プライバシーが守られた「個室」でありながら、食堂やラウンジに行けば適度なコミュニティがあるスタイル。 ご本人の「ひとり暮らし欲」と、ご両親の「安心・食事への要望」の両方を満たす物件が増えたことで、双方が納得して入居を決めるケースが非常に増えましたね。
「遠くて安い」は危険? プロが懸念する「13%の退学リスク」
編集部: 多くの保護者様が「家賃」と「通学時間(立地)」のバランスで悩まれます。
南雲: 実は私、最近は「学校までの距離」が何よりも大事だと思っているんです。 あまり知られていませんが、大学に入学しても、中退してしまう学生さんが約13%もいるというデータがあります。
編集部: 1割以上ですか……。
南雲: ええ。その要因の一つとして「通学が遠い、面倒くさい」という問題があるんです。往復の移動で疲弊してしまい、大学に行く意味を見出せなくなってしまう。 「家賃を数千円下げるために、大学から遠い物件を選ぶ、あるいは無理してでも実家から通う」というのは、実は学生生活にとってリスクを高めてしまう可能性があります。
編集部: 確かに、通学定期代や時間のロスを考えると、大学近くやアクセスの良い寮を選ぶほうが、結果的にコストパフォーマンスが良いかもしれませんね。
目先の家賃に惑わされない。「生活費」を含めた計算式

編集部: 物価高の影響もあり、やはりコスト面を気にされる方は多いです。
南雲: もちろんです。ただ、プロとしてアドバイスしたいのは「家賃という『点』ではなく、生活費という『面』で見てほしい」ということです。
編集部: と言いますと?
南雲: 多くの学生さんは、まだ生活能力が未知数です。例えば、一般の賃貸アパートで家賃を安く抑えたとしても、自炊ができずに毎食コンビニや外食になれば、今の物価だと食費は跳ね上がります。光熱費やネット代も別途かかります。 一方で、食事付きの学生会館などは、一見家賃、あるいは管理費が高く見えても、そこには食費、家具家電、有人管理、セキュリティなど、付帯する設備・サービスが費用に含まれていることが多い。
南雲: 年間トータルコストで計算すると、学生会館の方が安く済む、あるいは変わらないというケースが多々あるんです。 何より、「月末に金欠でご飯が食べられない…」という事態が起きない。
編集部: 確かに、仕送りが尽きて食生活が崩れるのは親として一番心配です。
南雲: そうでしょう。食事付きなら、日々の食事にありつけることは担保されますから。この「経済的・心理的な安心感」は、数字以上の価値がありますよ。
数千棟を知るプロが見る、「運営会社」の違い
編集部: 「がくるーむ」には多くの運営会社の物件が載っていますが、会社によって違いはあるのでしょうか?
南雲: ありますね。最近はハード面(建物)のスペックはどこも良くなってきていますが、だからこそ「誰が運営しているか」が重要になっています。 例えば、共立メンテナンスさん(ドーミー)に関して言うと、やはり「寮長・寮母さんがいる」「食事が手作り」という点が、非常にわかりやすい強みですね。
編集部: ドーミーは食事と有人管理へのこだわりは強いですね。
南雲: それと、料金体系が明瞭です。賃貸物件だと、細かい付帯費用が多くて見積もりが複雑になることもありますが、ドーミーさんはわかりやすい。また、家賃と必ず食費がマストでかかることが多い学生会館の中でも、ドーミーは「食事別プラン」も選択できる。これは画期的だと思いました。 我々紹介する側としても、「初めてのひとり暮らしで不安がある」というご家庭には、自信を持っておすすめできる選択肢の一つです。
これからの住まい選びは「ブランド」で選ぶ時代へ

編集部: 情報があふれている時代、最後に保護者様へアドバイスをお願いします。
南雲: まずは「お子様の生活能力」を正直に見つめ直すことです。料理はできるのか、朝は起きられるのか。それによって選ぶべき住まいは変わります。
これからは、ただ「バス・トイレ別」といった条件だけで選ぶのではなく、ホテルを選ぶように「この会社のブランドなら安心だ」という基準で選ぶ時代になっていくと思います。たとえば「ドーミーなら間違いないよね」「カレッジコートならどの物件も品質が安定しているよね」と言われるように、各社がブランド力を高めていますから、ぜひ「運営会社の想い」や「仕組み」にも注目して選んでみてください。
編集後記
「安さ」の裏には理由があり、「高さ」の中には安心が含まれている。『家賃だけでなく、退学リスクや食生活を含めた4年間のトータルコストで考えるべき』という南雲社長の言葉は、受験生の保護者様にとって非常に重要な視点ではないでしょうか。
取材協力

がくるーむ
株式会社ネストレストが運営する、学生向けに特化した賃貸情報サイト。全国約5,000棟以上の情報を掲載し、学校名やエリアから自分にぴったりの住まいを探すことができます。
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