獨協大学 学生寮「敬和館」に学ぶ ― 共同生活が育む安心と自立

半世紀以上の歴史を持つこの寮は、いまも多くの学生にとって“安心して学べる場所”であり、親御様にとっても“我が子を任せられる場所”となっています。
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半世紀の歴史を重ねる安心の住まい
―― 敬和館ができたのはいつ頃ですか?
1967年に竹ノ塚で女子寮として開設されました。当時は2人部屋で大浴場という、いかにも昔ながらの学生寮でしたね。2010年の建て替えで「獨協大学前」駅前の現在の場所に移り、個室にバス・トイレを備えた形に変わりました。ただし、“食事は共用スペースで共にとる”という点はあえて残しています。
当時から変わらず大切にされているのは「交流の場としての食事」。個室でプライバシーを守りつつも、毎日の食事で自然と顔を合わせ、学生同士のつながりを育んでいきます。


教育寮という伝統―― 大人がそばにいる安心感
― かつては先生も一緒に住まれていたとか。
そうなんです。開設当初は“教育寮”という位置づけで、寮長の先生が住み込みで学生と寝食を共にしていました。卒業生の方々に話を聞くと、『寮長先生との交流が一番の思い出だった』と語る人が多いですね。授業だけでは知り得ない先生の人柄に触れ、学問や人生の相談にも乗ってもらえたようです。
当時の寮は、単なる住まいではなく「学びの場」そのもの。2人部屋で知らない学生同士が組み合わされることも多く、最初は戸惑いながらも、互いの生活習慣や価値観を知り合う中で友情が育まれていきました。そこに先生の存在が加わり、まさに小さな“教育共同体”を形成していたのです。
現在は、寮母が常駐し、学生たちを見守っています。体調を崩したときには緊急時の対応も行い、日々の生活から安全までを支える体制が整っています。さらに、門限や禁煙・禁酒といった生活ルールも健在です。学生にとっては少し窮屈に感じられるかもしれませんが、実際には「安心して生活できる仕組み」として機能しています。

学生同士で広がるつながりと成長
―― 現在の学生たちはどのように交流しているのでしょうか?
各フロアに“総務委員”という代表を置いています。掃除当番をまとめたり、イベントを企画したり。最初は引っ込み思案でも、役割を果たすうちに人前で堂々と話せるようになった学生もいますよ。
敬和館では、新歓・ハロウィン・クリスマスなどの行事が開かれます。親御様の目から見ても、学年や出身地を超えた交流は「友人関係の広がり」「人間的な成長」につながり、安心できる点といえるでしょう。
共同生活で学ぶ社会性と自立
―― 寮生活ならではの課題もありますか?
ありますね。洗濯物を取り忘れたり、掃除当番をやらなかったり。小さなトラブルは避けられません。ただ、その分、学生が自分たちで解決方法を考えるんです。月に一度、各フロア代表の総務委員・寮母・大学スタッフ・管理会社で懇談会を開いて話し合っています。
ルールを守ること、協力し合うこと、時には注意をすること。親御様からすれば「社会に出る前に大切なことを学べる場」として、安心して子どもを送り出せる環境といえるでしょう。

保護者から選ばれる理由とは
―― 入寮希望者は多いそうですね。
昨年は例年以上に希望者が多く、お断りした方々がいました。やはり”館費が安い”、“大学に近い”ことと“寮母の常駐”という安心感が、保護者の方々から強く支持されていると感じます。
規則があるからこそ得られる安心。大学に通いやすく、朝も夜も見守ってくれる大人がそばにいる――遠方から子どもを送り出す親御様にとって、これ以上心強い環境はありません。
これからの敬和館 ― 留学生交流と未来への展望
―― これからの敬和館についてお聞かせください。
将来的には留学生との交流も進めたいと考えています。また、建物の修繕も課題です。個室化によってプライバシーは守られますが、“食事は共にする”という伝統は今後も残していきたいですね。
多文化交流や学びの幅の広がりは、学生にとって貴重な経験となります。親御様にとっても「大学でしか得られない出会いがある」と思えるのではないでしょうか。
―― 貴重なお話、ありがとうございました!!
満室時も安心、推薦寮 学生会館ドーミーの存在
人気の高い敬和館は、満室で入れないケースもあります。その場合、 学生会館ドーミー を「推薦寮」としてご案内しています。川口や南越谷など通学に便利なエリアにあり、個室・食事付き・寮長夫妻常駐の安心体制が整っています。
「敬和館に入れなかったらどうしよう」という不安にも、きちんと対応策があります。また、推薦寮には男子寮・男女混在寮もあるため、男子学生の方は推薦寮を住まいの選択肢として検討いただけます。
詳しくは下記リンクからご確認ください。
親御様にとっての心強い支え
敬和館は、安心と成長を両立させる“もう一つの家”。ここでの経験は、学生にとって一生の宝物となり、親御様にとってもかけがえのない安心の記憶として残り続けるでしょう。
遠く離れた子どもを安心して送り出せる環境がある――敬和館は、親御様にとっての心強い支えであり続けます。

敬和館に関するお問い合わせ先
獨協大学 学生課
敬和館係 TEL 048-946-1946
E-mail:seikatsu@stf.dokkyo.ac.jp

- ライター
- 大学寮ライブラリーDorm編集部
日本全国の大学(短期大学・専門職大学等含む)の専用寮である学寮・寄宿舎を見つけられるライブラリーです。それぞれの大学や地域の特徴や思想が色濃く反映される大学寮の魅力を、より多くの方に知っていただくこと、また「大学寮」の文化発展と普及を目的としています。本サイトのコンセプトは、「見つかる!出会える!大学寮ライブラリー」。書庫のように探しやすく、また図書館のように出会えるきっかけとなるサイトを目指しています。大学名や地域だけでなく、多種多様な特徴などの様々な切り口を発掘・提案して行きます。