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「受験は、社会に出る『準備運動』や!」 大阪の実力派塾長が熱弁する、偏差値を超える「生きる力」の鍛え方

「受験は、社会に出る『準備運動』や!」 大阪の実力派塾長が熱弁する、偏差値を超える「生きる力」の鍛え方
受験シーズン、家庭内のピリピリした空気に悩んでいませんか? 「勉強しなさい」と言いたくないけれど、言ってしまう。そんなジレンマを抱える保護者の方へ、今回は少し違った角度からの「受験論」をお届けします。

お話を伺ったのは、大阪の実力派進学塾・開智総合学院の高木秀章塾長。「受験は社会に出るための準備運動」と語る高木先生が、家庭でできるサポートとして挙げたのは、なんと「親子でトランプ」でした。

偏差値だけではない、子供の「生きる力」をどう伸ばすか。そして、親だからこそできる「見守り方」とは。これからの進路選びと親子関係を豊かにするためのヒントが満載です。

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Q.今の時代、あえて「受験」をする意味とは?

僕は子供たちによくこう言います。「受験勉強は、将来仕事をするための『準備運動』やで」と。

世の中の仕事はすべて「目標・計画・実行」のサイクルで成り立っています。ビルを建てるのも、商品を売るのも同じです。学校のテストも、実はこのサンプルのようなものなんですよ。

小学校のときは、先生が前日に「明日テストやで」と言ってくれるでしょう? あれはいわば、「1日完結のプロジェクト」なんです。 でも中学校に上がると、定期テストの範囲が発表されてから本番まで期間が空きますよね。つまり、「2週間のプロジェクト」を任されることになるわけです。 小学校から中学校に上がって急に成績が落ちる子がいますが、それは決して頭が悪いんじゃなくて、この「2週間のプロジェクト管理」ができていないだけなんです。

そして受験は、「1年〜数年がかりの長期プロジェクト」です。 だからこそ、受験を通じて「目標(志望校)から逆算して計画を立て、実行し、修正する」というサイクルを体得した子は、社会に出ても強い。「自己実現する力」が身につくんです。

Q.子供の「向き・不向き」はどう見つければいい?

赤ちゃんって、何でも手で触って、口に入れますよね? あれは敏感な場所で「世の中を把握しよう」としてるんです。勉強も同じで、国語・算数・理科・社会というのは、広い世の中を便宜上分けたもの。とりあえず全部「口に入れて(勉強して)」みて、「あ、自分はこれが好きやな」「これは苦いな(苦手やな)」と味見をしている作業なんです。

親御さんの役割は、その様子を「遠目」で見守ることです。 例えば、僕は生徒たちとキャンプに行くことがありますが、そこでは勉強の成績とは全く違う才能が見えてきます。 「勉強はさっぱりやけど、BBQの火起こしの段取りが天才的に上手い子」とか、「車での移動中、みんなが疲れて黙り込んだ時に急に歌い出して場を盛り上げる子」とか(笑)。

机の上だけじゃ見えない、そういう「生きる力」や「特性」を見つけてあげてください。 「あんた、こういうの段取りするの上手いな」「ここが強みちゃうか」と声をかけてあげることが、将来の進路選びの大きなヒントになります。

Q.進路決定において、親ができることは?

二つあると思っています。

一つ目は、「お父さんが職業人として語る」こと。 うちの塾のポリシーは「生徒を子供扱いしない」ことです。一人の人間として、常に「5分と5分(対等)」で接する。だからこそ、ご家庭でもお父さんには、ただの「パパ」ではなく「社会人の先輩」として語ってほしいんです。「仕事ってこういうことやで」「男同士の約束やぞ」みたいに。これはお父さんならではの役割です。

二つ目は、「最後は絶対に本人に決めさせる」こと。親はどうしても偏差値やスペックで選びがちですが、子供には「ピンとくる直感」があります。学校見学に行って、先輩の姿を見て「ここに行きたい」と感じたその直感は、大体合ってます。「お前が決めた道なら応援する。その代わり、責任は自分で取れよ」。そうやって突き放すくらいの愛情が、子供の自立心を育てます。

Q.忙しくて子供と向き合う時間がない時は?

時間の長さじゃなくて、「質」が大事です。1日10分でも15分でもいいから、スマホを置いて、テレビを消して、子供と「正対(せいたい)」する時間を作ってください。「ながら」じゃなくて、真正面から向き合うこと。

特におすすめなのが「トランプ」や「ボードゲーム」です。特に思春期の男の子なんかは、親と改まって会話するのを嫌がりますよね? でも、ゲームなら自然と間が持ちます。それに、「こいつ、意外と勝負師やな」とか「慎重なタイプやな」といった性格も、ゲームを通じてならよく分かるんです。うちも正月は必ず息子たちとモノポリーやトランプをやりますが、「親父、忙しいのに俺のために時間作ってくれたな」という記憶さえあれば、子供は道を外れませんよ。

まとめ:学歴よりも大切な「かっこよさ」

僕は息子に「大学受かって嬉しいか?」と聞いたことがあります。息子が「嬉しい」と答えたら、こう言いました。 「よかったな。でも、学歴なんて『かっこいい』っていう飾りだけやぞ。中身が伴わなかったらかっこ悪いで」と。

今はもう、いい大学に入れば幸せになれる時代じゃありません。だけど、「目標に向かって必死に努力した経験」や「家族と真剣に向き合った時間」は、一生の財産になります。どうか、結果だけにこだわらず、そのプロセスにある子供の成長を楽しんであげてください。

【プロフィール】開智総合学院 塾長・高木秀章
https://www.kaichi-sg.jp/
大阪市城東区・鶴見区を中心に展開する総合学習塾。そろばん塾から始まり、学習塾、幼児教育、英語教室、予備校、学童保育と分野を広げ、2025年現在、12の教室に塾生数は2000人以上。生徒の成績向上だけでなく、人間的な成長(非認知能力)の育成にも力を入れている。「なぜ頑張らないといけないのか」「嘘をついたらダメだよ」といった、人として大切なことを伝える「意義づけ」の時間こそが、教育の本質だと信じているからだ。

(2025年10月 取材協力:開智総合学院 取材:戸谷 和宏、西 泰宏/カメラ:白浜 哲/文:西 泰宏)


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ライター
ドーミーラボ編集部

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